映画 パラサイト 感想


 映画パラサイトの感想。

 同じく話題になっている映画:「JOKER」との一番の違いは、必罰、つまり、主人公たちの悪事に対して、罰を受けているという点ですかね。

「JOKER」は、社会的弱者である主人公がいかに開き直って、いかに悪に手を染めていくか、という過程を描く作品なのですが、JOKERに殺されるような人たちって、確かに道徳的によくないことをしたかもしれませんけど、殺されるようなことはしてないんですよね。

少し前の感想にも書きましたが、僕にはあれが

-俺は可哀そうだから、なんでもやっていいんだ。

 と暴れまわる中年男性にしか見えませんでした。

でも作中ではそんなJOKERが市民に祭り上げられ、格好よく描かれており、そこが個人的には嫌いでした。

が、パラサイトに関しては、主人公たち家族は他人を蹴落として職を得て、そして(事情があったにせよ)人を殺した、という悪事に関してそれ相応の報いを得ており、個人手にはそこがまずは、好きです。

結構、大の善行のためなら、小の悪行についてはいとわん、みたいな主人公が万人から聖人君子のように扱われてる主人公も多いので。


なんだか、JOKERの感想みたいになってしまいました。


そのほか、感じた点。

主人公たち一家は、職を得る段階では、結構な悪事をしますが、職を得た後はいたって真面目に、かつ業務を正確にこなし、対価として多くの給与を得ます。

つまり、「半地下」という劣悪な環境にいるのは、本人たちの能力を考えてみれば不相応で今まで、正当な機会を与えられていなかった、ということになります。

現代社会、というかいつの社会もそうかもしれませんが、一度、正社員の会社を退職したら、なかなか正社員になれない、とか大卒でないとそもそも応募できる企業、職種が限られてくる、とか、正社員と同じ仕事をしているにも関わらず、給与が全然違う、とか本人たちの努力とはなかなか比例してくれないものです。やるべき時にやらないと、以降の努力で挽回するのはとても、とても難しい。

そんな社会とどう折り合いをつけていくのか。

完全には比例しないけれども、多少なりとも努力と結果が比例はする分野もあるので、そんな分野で頑張って上がっていくしか、結局はないのですが、それでも完全に比例してくれないときに感じる無力感に打ちのめされて、あーあ、ってなります。彼らは少し、そんな社会に嫌気がさして、「ズル」をした。結果、報いを受けた。

結局、持っているカードで頑張るしかないのです。

、、、頑張ります。




余談

物語終盤、劇中で17歳ぐらいの華奢な女の子が20-22歳くらいの意識を失っているまぁまぁ筋肉質の男性をおぶって、移動するシーンがあるのですが、あれはガチでしょうか。割とびっくりしたシーンです。


もしかしたら、このカードしか持っていない、と思っていても増やそうと努力すれば増やせるのかもしれませんね。


増やすためにもやっぱり頑張ります。






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