個人商店がわざわざASP.NETにする必要ってあるの?(2)
モールに搾取されるのはもう嫌!でもしょぼいカートシステムを使うのも嫌!それなら自分で作るしかないじゃない。ということで、自前サイトをがっつり改修することにしましたよ、というのが(1)の話。ようやく本題で、ASP.NETにすることにしたいきさつと新構成の話です。
とにかく「固定費をかけない!」そして「管理しやすく!」
自分で運営している個人サイトのネットショップの方は実を言うと休眠状態に近く、ここ数年はモール運営を中心にやってきていました。
なので、自前サイトの構成は至って小規模です。
コストカットのためWindowsAzure上に独自ドメインのWebサーバーを立てHTMLの手書きはもう面倒なのでコンテンツはCMS(content management system)のumbraco(オープンソースのCMSなので無料で利用できる)を導入し、カスタマイズしたコンテンツををアップ。
あとはブログを更新する感覚で、中のコラム記事や新着情報、バナーなど全てブラウザ上のツールから更新できます。
物販のためのカートは、管理が楽で見栄えの良いstores.jpを有料版(それでも安い)で導入しましたが、見栄えはよくてもアレは商品は売れないですね。stores.jpから頻繁に「フォローされました!」とメールは来ますが、増えるのは同業者(同じくstores.jpで店を運営する中の人)か、ウィンドウショッピングをされていくお客様ばかり。
そもそも、sotres.jpは画面設計が見栄え重視になりすぎていて物を売るようにできていません。なので、あとで自分でカートを導入することにしました。
これが現構成ですが、新しい構成にするならここだけは守る!と決めたのはこれです。
・固定費をできるだけかけない!
・手書きHTMLタグはやっぱり面倒なので書かない!!
・タブレット/スマホ向けに完全対応する!
固定費はお店の持久力に直結します。
商品の原価率を下げて質を落とすよりも、最初にきっちり設計して店の運営費を下げた方が遙かに効率がいいです。特に毎月支払うカートなどのシステム利用料は売上げが立とうが立つまいが出て行く固定費なので、きつくなったときに削減を目指したのでは遅いんです。
更新の手間を減らす(手書きHTMLタグは書かない)ことは固定費を下げることでもあります。
更新に手間がかかる仕組みって事は、自分で運営しているとはいえ人件費がかさんでいると言うこと。いくら自分の時間とはいえ、時給に換算したらがっかりな事になるわけで、ここもまあいいやで済ますわけにはいきません。
一戸建てを建てるときに、リビングが1階でトイレが2階でも使うのは自分だからまあいっか、というわけにはいきませんよね。
だから、手間のかからない仕組みを自前で作るということは固定費を下げることに繋がっていくんです。
さらにタブレット/モバイルの完全対応をするって事はレスポンシブデザインに対応するってことです。
「レスポンシブデザイン」ってたった10文字の言葉ですがやってる事は複雑で、いろいろなブラウザやタブレット、スマホに合わせた表示に対応するよう自分で書くのは非常に面倒。
キングオブめんどくさがりの私としては、ここはもう自分で書く気ゼロです。
なので、Bootstrapに頼ることにしました。
実は現行サイトもBootstrapを使っているんですが、レスポンシブデザインまでは実装していないのでiPadでサイトを開いてもWebと同じ画面のままです。まあ、これからは机上のPCに向かう人も少なくなるわけで、そろそろBootstrapに準拠しておくのもいいかな、と思いました。
と、ここまで考えたときに出てきた選択肢がASP.NETでした。
ASP.NET MVC5環境にはBootstrapが導入されているんです!これが大きい。Microsoft Visual Studioで「ひな形(新しいプロジェクト)」を作ると、そのコードにはもう最低限のレスポンシブデザインは実装されているんです。
多少、自分でHTMLタグやコードを書く必要はありますが、MVC5になっていることで記述する量は少なく、処理も明快です。
正直、umbracoはローカライズが全くされていないので使いにくい所もありumbracoを使い続けるよりも、日本語の技術本や情報量の多いASP.NETに慣れるほうが楽だな、と思いました。
MVCはモデル(ユーザ認証やカート部分のロジック)とビュー(画面の見栄え、お店運営に関する部分)が完全に分離されているので、カート開発は別の人を頼り、私はお店の運営部分に集中することもできます。
これは、少ないスタッフでネットショップを運営するには欠かせない分業体制でもあると感じました。
そんな技術力をみんなが持ち合わせているわけじゃない!
と言われそうですが、ええ、私もまだそこまで持ち合わせていません!(笑)
だから、独学で勉強して手に入れるんです。
自分の店は自分で作る。
究極のネットショップDIYの始まりです。
(つづく)
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