9/19~9/21 購入馬の見解
今週からは菊花賞トライアルもスタート。今年は牡牝ともに中心的な馬がいますが、牝馬はもとより牡馬戦線もサリオスの不在によって、2番手以降は混戦ムードとなっております。果てして三冠制覇に待ったをかけるのは春の活躍馬か、それとも夏の上がり馬か、毎週目の離せないレースが続きます。
さて、今週の購入は3レース。noteでは初のオープン特別のレースもあります。基本は重賞オンリーなのですが、今回はおっと思わせる出走がありましたので…。それでは1レースずつ見ていきましょう。
まずは土曜日のケフェウスS。ノーブルマーズを狙ってみます。約2年重賞を走り続け、割とコンスタントに好走はするものの、勝ち鞍は無し。決め手の無さも勝ち切れない理由でしょうが、それ以上に純粋に格の問題と思っており、中距離のオープン特別に出てくればなとしばらく待っていました。
ジャングルポケット産駒らしく直線の長いコースに適性はありそうで、中京開催のこのレースと相性はグッド。先行粘りこみのスタイルなので、ある程度前が残りそうな今の馬場も助けになってくれるでしょう。
気がかりなのは7歳という年齢。G1は宝塚記念への出走が2度あるだけなので、一流馬の様な消耗やピークの時期はあまり関係は無いでしょうが、それでも昨年と今年のレースを見比べると、粘りが無くなってきているような感じがして、さすがに衰えが来ているのかと言う印象。それを格が落ちるオープン特別への出走でどこまで補えるのかが争点になりそうです。
実際これがギリギリのラインかなという感じなのですが、もう僅かしか残っていないジャングルポケットの直仔を惜しむ意味でも、ゴーサインを出します。
鞍上の高倉Jには特に上手い印象はありませんが、何故か相性が良く、フラガラッハの2回目の中京記念と、カポーティスターの日経賞2着の時の単複で持ってきてくれ、2戦2勝。一応その時のレースを見返しましたが、どちらもキチンとレースの流れに乗れていて、悪くない印象。ノーブルマーズに関しても先行して4角~直線入口で逃げ馬を捉え、後はどこまで粘れるかという乗り方をほぼ毎回できています。その乗り方で負けたらしょうがないというレースはしてくれると思います。
続いては日曜日のローズS。ここはリリーピュアハートで勝負です。
前回の紫苑Sの時には記事には書いていませんでしたが、個人的に秋の3歳トライアル(紫苑S、ローズS、セントライト記念、神戸新聞杯)を検討する際の注目箇所があり、
「春の2冠での敗戦、特にダービーorオークスでの敗戦の理由」
これの切り分けを重要視しています。敗戦の理由を大きく3つに分け、
①距離が長すぎた②早熟だった③そもそもG1の格では無かった
この中から②が理由だと考えられる馬に関しては、トライアルでの購入を見送るようにしています。①と③に関しては、2400mのG1から2000m前後のG2やG3に戻ることで、馬が楽になり好走できる余地はありますが、早熟の場合は一夏越えて他馬が成長することで、春は仕上がり、才能で勝てていた相手に負ける可能性が高いと考えているためです。
距離と早熟に関してはもちろんレースを繰り返し見た上での判断ですが、血統でもある程度の予測は立てることができます。分かりやすい所ではレーヌミノル。彼女の父ダイワメジャーは早熟色の強い血統で、レーヌミノル自身も桜花賞制覇後のオークスで惨敗。その後王道のローテでローズSと秋華賞へ挑むも再び惨敗、以降勝ち星を上げることなく引退しました。
距離が長すぎた例としてはレッツゴードンキが記憶に新しいでしょうか。桜花賞を圧巻の逃げ切り勝ちでゲットしたかと思えば、オークスでは早々と力尽き惨敗。あまりのズルズルっぷりに速攻で距離適性の問題と判断。早熟説はキンカメ×マーベラスサンデーという血統から無いだろうと思っていました。その後ローズSは4着で何とか恰好はつけるも秋華賞では再び惨敗。それ以降は短距離のG1で長く上位に食い込み賑わせたことからも、オークスと秋華賞の敗戦は距離適性の問題だったのでしょう。
③に関しては所謂トライアルホースやG2大将と呼ばれるタイプで、このタイプはレースと馬の格を見極め、取り捨てをキチンとできれば良い付き合いができます。現役馬ではダノンスマッシュが、若干昔の馬ではナカヤマナイトが該当します。
では実際今年の出走馬はどうなのか。有力所を見ていくと、まずリアアメリアは格の問題に加えて気性難の要素もあるかなと思っています。早熟説も無いわけではありませんが…いずれにせよ気性が荒いと自分で判断した馬は、それが解消されたかなと思うまでは見に徹することにしているので、ここは見送り。
続いてクラヴァシュドールですが、この馬は①が本線、早熟も多少疑っています。桜花賞4着の後、ハーツクライ産駒なら東京2400mはホームグラウンド、力は1枚落ちるけどヌーヴォレコルトの再現、と思って購入しましたが、まさかまさかの惨敗。ハーツクライ産駒らしく無い負け方と思い、どちらかと言うと母父のジャイアンツコーズウェイの血が強く出ているのかもしれないと判断。その場合マイルを使っていた桜花賞までの安定感と、オークスでの惨敗のギャップにも合点がいきます。一旦ハーツ産駒というのを忘れて、海外マイラー血統の産駒として考え、この馬もここでは保留。
そこで今回の狙い馬リリーピュアハートに行き着くわけですが、まず血統的には早熟ということは無さそう。距離も条件戦ではありますが2400mを勝利しており問題無さそう。その上でオークスを振り返ると、多少位置取りの問題もあったにせよ、まあ全力を出し切れていても5着が限界かなと言った印象でした。正直忘れな草賞でも買ったウインマイティーとの力量差はあり、G2でも格が厳しいかもしれませんが、3歳トライアル戦なら多少ごまかしは効くだろうと判断しました。
ちなみにもう1頭おそらく上位人気になるであろうデゼルですが、オークスの敗戦は単純にキャリア不足だったのだろうと思います。スイートピーSからキャリア3戦目でのオークスは流石に厳しいでしょう。カワカミプリンセスじゃあるまいし。血統的にはスケールの大きさを感じますが、何せここでもまだデビューから4戦目。もう少し様子を見たいと思います。
さて最後になりますが、月曜日のセントライト記念。ガロアクリークに注目します。
まさかキンシャサノキセキ産駒を2200mの重賞で買うことになるとは思いませんでしたが、多分この馬は例外的に強いです。
スプリングS、皐月賞ともに良い末脚を見せており、距離適性からズルズルに惨敗すると思っていたダービーでも、精一杯食らいついて6着としっかり形を作っていました。
これはむしろキンシャサノキセキ産駒よりはその父のフジキセキ産駒、その中でも最産駒であろうイスラボニータに近いイメージを抱いています。さすがにイスラボニータほど強くは無いと思いますが、それでもキンシャサノキセキ産駒に持っているスケールでは測れない馬だと、ここまでのレース振りから見ています。
そうなるとトライアルホース大量生産のフジキセキの血としてはここは絶好の舞台、狙わない手はありません。鞍上川田Jのキチンと先行できた場合の乗り方なら上手く噛み合うはずなので、下手に距離を気にして後方で脚を溜めるよりは2番手集団でしっかり折り合う競馬を見せてほしいですね。
他にも何頭か気になる馬がいて、まずはバビット。前走のラジオNIKKEI賞は人気薄の逃げが決まった感は否めませんが、それでも中々に強い勝ち方。何よりナカヤマフェスタ産駒という点でこの舞台は問題なし、むしろ一番得意まであると思っています。展開に注文はつくでしょうが、要注目です。
あともう1頭サトノフラッグ。この馬もダービーからの格落ちという点ではガロアクリークと同じなのですが、そのダービーの負け方が弥生賞を勝った馬にしては負け過ぎていると思ったので、早熟を疑っているというのが正直なところ。一応セントライト記念で狙うパターンには合致しているのでワイドで拾ってはおきますが、どうでしょう。今後のこの馬との付き合い方を決める分水嶺になりそうです。
以上3レースの購入馬の見解、今回はこの辺りで失礼します。段々とG1の足音も大きくなってきましたが、まずは目の前の1レース1レースをきちんと分析していきたいと思います。それではまた来週の振り返りでお会いしましょう。
※追記 当noteの記事に度々出てくるレースの格や馬のピークなどの予想の視点は、noteの他多くの競馬本の執筆もされておられる本島修司氏の影響を強く受けております。本島氏の今週のnoteにおいて、氏のnoteや著書を参考にした見解を記す際には、その旨を記すようにと書いておられたので、追記という形ではございますが、筆を取らせて頂いた次第でございます。
今後は見解記事の投稿の際には、上記内容を文末に明記致します。よろしくお願いいたします。
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