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今日は鏡開きの日

登場モノ

餅田辛美:辛味餅の妖精

餅田餡衣雄:あんころ餅の妖精

安倍川代:安倍川餅の妖精

 
餅田辛美(もちだからみ)と餅田餡衣雄(もちだあんころお)は仲の良い
夫婦だった。
けれども姉さんにょうぼの辛美は病に倒れ帰らぬモノとなってしまった。
二人はストーカーみたいに絡みつく性格だよね、通りも悪いよねと
世間から思われているふしがあり、
辛美は餡衣雄を一人残して死んでいくのはやるせないと後ろ髪引か
れる思いで死んでいった。

餡衣雄は辛美に先立たれ、絡みつける相手もおらず、孤独のうちにぺったりぺったり
生きていた。
これを見ていた神様は確かに二人は絡みつくし、通りも悪いとは言え、よくこ
れまで真面目に働いてくれたと思い、辛美を2度ほど生き返らせるチャンスを
餡衣雄に与えた。

餡衣雄はそれを聞くとすぐに辛美を天から呼び寄せて、思う存分、二人で
絡み合った。
久しぶりに餡衣雄は刺激的な辛美との楽しいひと時を味わい、仕事に精を出す
ようになった。

ある日、お城に呼ばれ、お殿様に献上された餡衣雄だったけれど、お殿様は
甘い奴はもうたくさんだと言い、彼を相手にもしなかった。
これに困った餡衣雄は辛美に助けを求めた。

辛美は餡衣雄の一大事。自分こそはお殿様のご機嫌を取らなくてはと入念に
化粧し、姿を現した。
これを見たお殿様は大そう珍しがられ辛美と絡み合い、そのピリッとした刺激を
堪能された。
あ~、モチモチだね、いやぁ~スベスベだねとお殿様が仰るたびに
家来たちは通りを心配していたけれどこれもスムーズで一安心した。

そしてお殿様は餡衣雄にたくさんの褒美を取らせた。餡衣雄はこの金で、
新しい妻、安倍川代をめとり、二人は末永く暮らした。
天の国でこの様子を見ていた辛美は嫉妬に狂い、日々、神様にまとわりついて、
生き返らせてくれと懇願している。

今日の一句

鏡餅辛味と餡子美味しいね

詠みモノ

お殿様


大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!