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池袋にて年間売上1億を稼ぐホストが愛するプリキュアの話/ハピネスチャージプリキュア

見出し画像はみんな大好きマカダミアフラダンスによるハワイアンアロハオエのバンクから。他フォームチェンジよりも登場回数がやけに多くオールスターズメモリーズでも踊ってたりとスタッフも大好きなんだと思う

・前置き

阿散井恋次。週刊少年ジャンプで連載されていた久保帯人先生の漫画『BLEACH』に登場するキャラクター…なのだがそのキャラクターが漫画も作者とも全く関係ない方向で最近話題になった。

“阿散井恋次”という名のホスト。彼がまぁなんか色々あってしまいニュースに取り上げられたのだがそれ以上に『BLEACH』のキャラクターの名前の源氏名だったりプロフィール欄のコメントが『ポケットモンスター』のデデンネの図鑑説明だったりと情報量とツッコミ所が豊富すぎてさらには年間売上1億/月間指名本数120名とホスト業界に詳しくない自分でもすげぇと分かる程の一流ホストである事実も併せてネット上で話題になったのだ。

そんな阿散井恋次さんが注目されたことによって彼のもうひとつの側面も見受けられた。イラストもめちゃくちゃうまく、そしてあるキャラクターを深く愛するということである

プリキュアシリーズのひとつ『ハピネスチャージプリキュア!』のキュアプリンセス/白雪ひめ(本名ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ) が大好きなのである。この描いたかわいらしいイラストからもキュアプリンセスへのドデカ・ラブがJin Jin Jin Jin アメージングと伝わってくるだろう。一部で「キュアプリンセス好きな人は信頼できる」(じゃあなんのプリキュアだったら信頼できないんだろとかちょっと考えてしまった)と好印象を与えたり「逆に好印象を得るためにホストになってからキュアプリンセスが好きと言ってるのでは」と妙ちくりんな邪推をする人もいたくらいだ。

そしてその邪推は的外れである。なぜならホストになる前から好きなのだから。元々は「びっちゃん」という名(アカウントアドレスに面影が残る)で一介のプリキュアファンとして活動しており、その時からヒメルダ好きの人として認知されていたのだ。自分もTwitterでフォローしてたのだがいつの間にかアカウント名が阿散井恋次になって「あれ……こんなBLEACHなりきりbotみたいな名前でアイコンがイケメンなアカウント自分フォローしてたっけ……?」という人生においても滅多に味わえない貴重な体験をしたり、それがホストに転職した彼と気付いて驚いたし(思えばたまに挙げてた自撮りがイケメンすぎて天は二物を与えるのかよ〜と頭抱えてしまったこともあった)さらにはホスト界においてトップクラスに稼いでる存在になっていたとは例の一件で知って驚愕してしまった。そんなにすごい人物になっていたなんて……たぶん大勢の方とは逆方向での衝撃を受けたと思う。

ということでこんな機会を利用しちゃって池袋にて年間売上1億を叩き出した一流ホスト阿散井恋次さんの好きなキュアプリンセスと、彼女が出てくる作品『ハピネスチャージプリキュア!』をプレゼンしようと思ってこの記事を書いてみました。ハピチャ(よく見かける略称)なんて最近の作品だしみんな見てるでしょと思う人もいるが放送開始から6年経過は全然最近ではないので未見のプリキュアファンだって絶対いるだろうし、この一件でプリキュアに興味を持ち始めた人もいるだろうからなるべく本編のネタバレにそこまで触れないよう考慮して書こうと思う。それではハピネス注入、幸せチャージ!!

・ハピネスチャージプリキュア!とは

百聞は一見にしかず。歴代プリキュア過去作品はYouTubeで1話だけならいつでも無料で見れるのだ。福利厚生が充実してるねぇ

2004年の『ふたりはプリキュア』から始まり現在も続いてるプリキュアシリーズ、その10周年記念作品として2014年に放送していたのが『ハピネスチャージプリキュア!』だ。10周年を記念として1話から13話(14話にはプリキュアシリーズ500回記念のハピチャメンバーからのメッセージ)15話から34話までには当時の歴代過去プリキュア33人からのおめでとうメッセージがOP前に挿入されるというスペシャルサービスは話題を呼んだ。

声はもちろん演者本人だし各作品のキャラデザ担当が1から書いてくれた豪華仕様だ。28話にて水沢史絵ボイスと馬越嘉彦作画で3年半ぶりにテレビでやりたい放題しまくるキュアマリンは語り草だろう。これらのおめでとうメッセージは全部東アニ公式YouTubeチャンネルでいつでも見れるぞ!

封印の箱・アクシアが開かれてしまい闇に堕ちた女王クイーンミラージュが解放され幻影帝国なる敵組織(女王なのに帝国だけど気にするな)を立ち上げ世界レベルで侵略をしている設定で、対抗策として世界各国にプリキュアが存在し(アメリカ代表ボンバーガールズプリキュア、インド代表ワンダフルネットプリキュアなど)その日本のぴかりが丘を代表として戦うのがハピネスチャージプリキュアである。
何やら強き想いを抱えて独りで戦かっていたキュアフォーチュンこと氷川いおな、正体不明の戦士……いやバレバレだからいいかごはん大好き娘キュアハニーこと大森ゆうこ、プリキュアシリーズで唯一メンバー内で最後に変身した主人公という唯一無二の設定を持つ困った人をほっとけないキュアラブリーこと愛乃めぐみ、そして上述のキュアプリンセスこと白雪ひめ(本名ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ)この4人メンバーに妖精リボンに妖精ぐらさん、地球の神ブルー(安直な名前だがそこも気にするな)と主人公めぐみの幼馴染である一般人の相楽誠司をベースに物語が進むのだ。

まずは主人公にしてメンバー内で一番最後に変身したという歴代プリキュアシリーズにおいても唯一無二の要素を備えた愛乃めぐみ(cv.中島愛)誰かのために全力で手を差し伸べる、まさに世界に広がるビッグな愛に相応しいパワフルぶりだが、同時に後ろを顧みない危なっかしい一面も……見ての通り可愛いのだがひめに会うまで私服がスカートにジャージとお年頃としてはどうかというファッションだった。これもまた他人に精一杯で自分自身はあまり意に介さない部分であったが……

彼女が大森ゆうこ(cv.北川里奈)。めぐみちゃんの幼馴染であり実は物語開始以前からキュアハニーとして世界各地のプリキュアを助けたりして戦ってたぞ(神のワープ能力を活用して世界中へ飛んでいたし、神に本場インドのカレー粉を買ってもらったりしてた。地球の神をパシリにしてるよこの娘…)
実家が弁当屋で本人もご飯好き、本人自家製ハニーキャンディをみんなに配ったりしている。優しくもあり、どこか大人びた一面もあるメンバー内の緩衝材ポジションでもあるぞ。画像は11話「謎のメッセージ!キュアハニーの秘密!!」で今まで二人に正体を隠していた事実を明かす場面だ。文体がどこか名前が似た別のアニメで見たことあるようなやつだが気にするな

4人目にしてこちらも1話の時点で既に変身しているキュアフォーチュン、彼女の正体は氷川道場の師範の孫娘であり成績優秀スポーツ万能の才女、氷川いおな(cv.戸松遥)画像は8話「友情の危機!!ミスフォーチュンの不吉な予言!」より。なぜ彼女がプリキュアに変身できるのかは神ですら知らなかった……彼女が抱えるものとはいったい……

そして忘れていけない相楽誠司(cv.金本涼輔)。めぐみとは小さな頃から家族ぐるみの付き合いで兄妹のように打ち解けあった間柄である。顔もいいし性格も優しく真面目、なんというかクラスメイトの女子みんなの初恋の相手みたいな絵に描いた好青年である。
そんな彼だが氷川道場で空手を習っており戦闘員チョイアーク程度なら2体ほど倒せるという男子中学生の身体能力をさりげなく凌駕している。彼もこの後に説明するめぐみちゃんもそうだが、ぴかりが丘の住民はやけに戦闘能力が高い気がする…
そしてこれらの画像は3話「秘密がバレちゃった!?プリキュアの正体は絶対秘密!!」から。タイトルから予想できるが結局は誠司にプリキュアであることがバレてしまい彼も物語に巻き込むことに。はてさてどうなる……

ひめは後で解説するとしてここあたりが大体のメインキャラの解説である。ストーリーのキモというのは後述するのでここでは見所を紹介しようと思う。まずは戦闘描写が他プリキュアとは一線を画する。どういう風なのかというと…

4話「転校生はお姫さま‼ひめの友達ゲット大作戦‼」より。戦闘員チョイアークを両手に掴んで怪人サイアークをめった打ちするキュアラブリー。4話でこの戦闘のプロフェッショナルのようなバイオレンスアクション。ちなみにサイアークは人間から発生した怪人でこんなにボコボコに殴っても最後はちゃんと浄化して真っ当な人間に戻すのだ…いいのか?

一線を画するのがお分かりだろうか。他のプリキュアではなかなかお目にかかれない。さらにこのキュアラブリー、目からビームを放つ。

9話「空手でオッス‼プリキュアパワーアップ⁉」より。ラブリービーム!木っ端チョイアークどもをなぎはらえ!!ただでさえこんな破壊力なのに違う回ではラブリーブラスターと称し上空から(言い忘れたが今作品のプリキュアは飛行能力が標準装備である)ロボアニメのように発射時に空が赤く染まり対象を燃やしたり、最近出演したオールスターメモリーズでは無数の悪霊をビームで焼き尽くし、燃焼した証拠である黒煙を巻き上げていたりとまるで兵器だ。これでも愛の戦士です

さらにさらにこのキュアラブリー、エネルギーで剣を形成し鮮やかに使いこなす!

40話「そこにある幸せ!プリキュアの休日!」より。サイアークの懐に潜り込み居合い一閃!某光の王子みたいな決めポーズを決めてらっしゃる……ちなみに別の回だと野球バットにしてホームランを打ったりもする

とまあ戦闘がパワフルな描写が多い。他のメンバーもたいがいで宇宙空間から衛星レベルの巨大なエネルギーを隕石落下のように叩きつける規模がおかしい浄化技(決めゼリフは「命よ、天に還れ!」と違う意味に捉えそうになるけど浄化技です)と女子中学生がやるにはオーバーすぎではと考えたくなっちゃったりするのも。ともかく「女の子だって暴れたい」の極致とも言える……かもしれない。

また広範囲攻撃としてのフォームチェンジも存在しており(見出しのマカダミアフラダンスがそれ)東映アニメーションのCG技術がフル活用された演出も是非とも堪能してほしい。これがまた彼女たちのキャラデザとCGがよく合うんですわ。

戦闘ばかり語りまくったが非戦闘パートでは主にぴかりが丘(ちなみに東京都練馬区)での日常が綴られる。変身アイテムであるプリチェンミラーはプリキュアになれるだけでなくプリカードを用いて様々な衣装にかわルンルンして日常内でも様々なファッションしてオシャレしたり特殊な能力で問題を解決したりする。探偵、アイドル、パティシエ、バスガイド、忍者(女児向けで浮いてる気がするが敵地潜入とかでけっこう活躍している)、そしてひよこ

21話「ひめの過去の過ち!怒りのキュアフォーチュン!」より。タイトルの深刻さは後述するとしてこれがひよこである。かわいい。かわいいんだけど話を見るとなんでこれに変身したのかマジでわからない。放送開始して6年経つが熱心なファンにもよくわからない。どんな話の流れでどうして変身したのか実際に視聴して確認してもらいたい

他にも日常パートはなかなか独特の描写も。例えばこれ。

18話「みんなで幸せ全力応援!ぴかりが丘の結婚式‼」より。タイトルのとおり結婚式を開催する話なのだが新郎新婦が依頼したのがまさかの行きつけの弁当屋、ウェディングケーキとしてシュークリームを塔のように積み上げる文化を弁当家らしくやろうと出されたのがこの唐揚げタワー。こういうのを本気でやるし「いいっすね!男として燃える」みたいにノリノリなのがぴかりが丘の住民たちなのである。

基本的に住民全員こういうノリである。他にも「深い意味もなくただひたすら“ごはんがおいしいな”と歌い続ける唄」に対して変な歌とツッコミ入れたのは外国人のヒメルダのみで他の住民には大流行したり、プリキュアシリーズ放送500回記念の14話ではメモリアルなお祝いはOP前で済ませて平常運転のように潮干狩りしたり、とある理由でヒメルダを許せなかったものの和解したキュアフォーチュン/氷川いおなは実は主婦みたいにスーパーの値引きに細かったりと…

「卵ならこのクーポン券が使えるほうを買いましょう」「特別価格からさらに20円引き!しかも2人いれば2パック買えるのよ!お得じゃない!!」

23話「超キンチョー!いおなとひめ、はじめてのおつかい!」より。両親がアメリカにいて自分がしっかりせねばならないせいか財布の紐も固い。こんなんですが数話前まで怒りと憎しみに燃え独りで戦っていた少女なのですよ……ちなみにFortuneには財産という意味もある。それでか!?

「氷川さんの……ケチンボ!!!」
「ケ…ケチンボ〜〜〜〜〜っ!!?ケチで何がいけないの!?いいえ節約と言ってちょうだい!!」

スナック菓子ひとつ買うか買わないかでかつての因縁の相手と揉めるシーン。ちなみにこのあと根負けして買ってあげました。既に孤独の戦士とかそういう背負ったものは感じない。それでいいんだ…いいのか?

どこか特殊で愉快な存在かもしれないが、幸せがいっぱいある街・ぴかりが丘。きっと見終わった後にはそんな住民たちが好きになってるかもしれない…

こうも変なことばかり言ってるとアカン気がするし真面目なことも書かないと……そうだよ恋!ハピネスチャージプリキュアは恋愛をテーマに書きますと初期から明言したんだよ!画像は27話「悩めるひめ!プリキュアチーム解散の危機!?」より。小さい頃から一緒な幼馴染である愛乃めぐみと相楽誠司。見てると微笑ましくもある二人は……なにがどう悩めたり危機なのかは自身の目で確かめてみよう

と色々この作品の見所を書いてみたがもう一つ大切なポイントがある……のだがその前にこの記事を書いたキッカケでもあり、ぴかりが丘出身ではないキュアプリンセスこと白雪ひめ本名ヒメルダ(略)についても話していこう。

・この身体に勇気満ちるかぎり、このキュアプリンセスは最強なんだから!

マカダミアフラダンスだけでなくシャーベットバレエもかわいいぞ!

みなさまおまたせしました。これを書くきっかけになった阿散井恋次氏が愛するキュアプリンセスこと白雪ひめ本名ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ(cv.潘めぐみ)の話をしようと思います。
長い本名で察するように彼女はブルースカイ王国なる国の王女である。上述した封印の箱・アクシアが安置されてたのも相まって真っ先に幻影帝国に攻められ城は奪われ父も母も国民も全て棺に封印されてしまい妖精・リボンと共に日本のブルースカイ王国大使館の存在するぴかりが丘へ亡命した……という物語開始時点でけっこう深刻な状況に置かれてるのである。

15話「お母さんに逢いたい!ひめ ブルースカイ王国に帰る!」より。母の日ということでお母さまにどうしても感謝を伝えたいということで敵の本拠地と化したブルースカイ王国に侵入するなんともアグレッシブな回でめぐみ達も知った王国の惨状。これ全部国民である……

そのため自身の故郷を取り戻さんと戦うのだが……1話のアバンを見た人なら分かるだろう。弱い。とてつもなく弱い。自分の大切な人たちのように棺に封印された人がいるのに敵の前で背を向けて逃亡し、なんとか踏ん張ってプリンセス・弾丸マシンガンをサイアークにかますも無傷、返り討ちのビームを受けて変身解除……キュアフォーチュンがいなければそのままやられてたであろう(しかもそんな彼女も怒りの感情を向けている!)とにかくへっぽこ。これまで過去に行われたサイアークとの戦闘も全戦全敗。さっきあんなにキュアラブリーの凄まじい強さを紹介してたのに大丈夫か……?

1話アバンの時点でこれ。口から分身が出てくるという昔懐かしい演出がなんか緩いぞ!

このままではいかんと彼女の保護者ポジションになってる地球の神ブルー様から「友達を見つけるべき」とプリキュアに変身できる元素・愛の結晶を頂き高台からぶん投げて(そんな大切なもの適当に投げていいのか…なのだが結果的にこれが世界を救う素敵な出会いになるから偶然というのは不思議なものだ)たまたま当たったのが愛乃めぐみであって……というのは1話のあらすじである

しかしこのヒメルダ、こんな侵略された亡国の姫という重い設定がある割には調子が良い性格である。さきほどの愛の結晶を頂いた際に「困ったときには助けてくれたり、なんでも言うこと聞いてくれたり、友達ってとーっても便利なんだよね!」と世間知らずのお嬢様とはいえ流石に度が過ぎてるのではと不安になる台詞を言ったり、いざ選ばれためぐみと出会って「お人形さんみたいな服が似合う娘なんて初めてだよ!」と褒められた際に「そんなこと……あるけど!」とノリノリで図に乗る。腹立たしい幼げある可愛さ全開。これが潘めぐみの声と実によく合うのだ。どこか調子に乗った『スマイルプリキュア!』のキュアピース/黄瀬やよいを思い出す(余談だが阿散井恋次氏はキュアピースも好き)

12話「めぐみピンチ!プリキュア失格の危機!!」より「そんなこと…あるけど!」な顔。
この回で判明するが学校へ行くのはぴかりが丘中学が初とはいえ城での顧問教師がいたのか成績は割といい方である。

そんなザ・お転婆お嬢様なヒメルダだがどこか庶民的な視線も備えてる。愛の結晶が当たっためぐみに初対面だとキンチョーしてコソコソ隠れてたのだが、そんな彼女が男の子(彼女の幼馴染です)と会話しているのを見て「マジかよ!あのコ、男子と話してるよ!?」と小学生みたいな驚きをしてたのは王族って実際はどんな人なんだろと困惑させてくる。他にも…

13話「強敵登場!キュアフォーチュンvsプリキュアハンター!」より。突如かわルンルンでかわいいドレスにお着替え(プリカードの販促である)して何をするかというと……

「姫!どこですか姫ーっ!」
「はーい王子様!わたしはここよー!!」

テレビの王子様が出てくるシーンでノリノリで返答するため(応援上映かな?)。間違ってない!たしかに一国の姫だから間違ってないけど!!一国の姫がそんなテレビ番組にうつつを抜かすなよ!!(ちなみに彼女は「いつ白馬に乗った王子様が迎えに来るか分からないから将来の予行練習」と言ってる。夢見がちか?)

「やった!超レアカード!ボンバーガールズプリキュア!!いぇーい!!!」

23話「超キンチョー!いおなとひめ、はじめてのおつかい!」より。上述のいおなにおねだりし買ってもらった(同い年です)プリキュアスナックなる菓子にランダム封入されてる108種+αのカードからレアを引き当てた際の喜び様。スナック菓子のオマケカードで一喜一憂する一国の姫……今までにない斬新すぎる王族描写だ。

とまあ王族とはなんなのか少し考えてしまう描写も多い。こういうあまりロイヤリティを感じさせない調子の良さも親近感が沸くポイントだろう。

庶民庶民だと言いまくって……ザ・プリンセスなのもあるわーっ!
シリーズ恒例の劇場版『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』の一シーン。可愛すぎて気絶しそう!目の先にいる人はもしや……映画はamazonプライムビデオNetflixで見れるぞ!超傑作なのでオススメだ!

……さてここからは彼女のもう一つの側面を。1話にてキュアフォーチュンに「世界にサイアークがあふれたのは貴女のせいよ!私は貴女を許さない!絶対によ!」とツンデレ抜きにマジのトーンで突きつけられている。上記画像の引用元に記したタイトルの「ひめの過去の過ち」、そして母国ブルースカイ王国にて封印が解かれたアクシアの箱……ここあたりから未視聴の方でも何が起こったのかなんとなく察してしまえるだろう。事の詳細は実際に見ていただきたいのだがこれだけは言っておこう、キュアフォーチュンの言ってる事は紛れもない真実なのである。

20話「悲しい過去‼キュアフォーチュンの涙」より。前回ゴン中山がゲスト出演した流れからそのままお出しされる衝撃のシリアス展開(団子屋の跡取り役というまさかの変化球で出てきたがゴン中山のアフレコは上手だったので安心してほしい)せっかく出来た初めての友達の前でキュアフォーチュン…氷川いおなによって明かされる彼女の罪、真実を知られ絶交されると逃げ出すヒメルダ……団子30本のために頑張ってた先週からコレである

・悲しみを繰り返し、僕らは何処へ行くのだろう

さきほど語った作品見所の紹介パートで「大切なポイント」を上げていたがお待たせしました。このハピネスチャージプリキュア、キャラデザが80年後期アニメのような丸みを帯びた風貌で穏和そうな第一印象を抱くかもしれないが話の展開はけっこうシリアス寄りである。さっきまでラブリー無双だの妙なセンスの住民だのお嬢様感薄いだの愉快な部分ばっかり取り上げたけどこれもマジなのだ。
そもそも1話から既に世界全土が侵攻を受けておりブルースカイ王国の住民のように被害者も一定数存在し、中にはプリキュアハンターなるプリキュア相手に圧倒し逆にプリキュアを封印するという強敵だっている。

13話「強敵登場!キュアフォーチュンvsプリキュアハンター!」より。このいかにも厨ニ……かっちょいい風貌したイケメンがプリキュアハンターであるファントムだ(cv.野島裕史。ちなみにキャラソン持ちだがタイトルが『Phantom Shadow 〜絶望という名のもとに〜』というなかなかのアレである)。数多のプリキュアを倒し無数の棺の山を築いてきた幻影帝国の最強戦力であり、クイーンミラージュ様へ献身的に遣える忠臣である。愛するミラージュ様の為なら身を粉にして戦うし敵を倒すためなら○○○したりする。伏せ字の正体は本編を見続ければいずれ分かるだろう…

このような敵に大切な人を奪われ、なおかつその原因が目の前にいるのならばそれに向ける感情は容易に想像できるだろう。しかし矛先の対象は悪の組織ではない、世界を救おうとする味方サイドへなのだ。目を反らすことは許されない。彼女たちがどのように自分自身や他人の“罪”に対して向き合っていくのか見届けてほしい。

また冒頭でキュアラブリーの無双ぶりを紹介した。確かにその戦闘描写のスタイリッシュさも魅力の一つなのだが、それと同時に作品自体に自分一人ではどうしようもできない無力さを噛みしめる場面が多々ある。意外そうだと思うが彼女、愛乃めぐみは普通の女子中学生でプリキュアだからといって全ての問題が解決するわけでない。誰かを助けたい一途な想いが空回りしたり、病弱の母親に何も出来なかったり……

またも『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』より。この映画では“つむぎ”なる少女を助けようと必死になるも「プリキュアだろうとどうしようもできない」という彼女が持つ苦しみを突きつけられどうすればいいか分からず……もう一度言うが映画はamazonプライムビデオNetflixで見れるし超傑作だ。

誰かを助けたい、みんなが幸せになってほしいと願う純粋な想い。そのために全力全開だからこそ時には自身を省みない選択をしてでも貫き通すほどに。そんな歳不相応な理念を抱いてる彼女の前に待っているのは……

さらに「恋愛がテーマ」と言ったが……この文脈から何か察した方もいるかもしれませんが、そうなんです。

「分かりましたか?恋をしたら最後……振り回されるだけなのですよ」「貴方はまだ知らないのです。恋は憎しみや悲劇を生むということを」

32話「いおなの初恋!?イノセントフォーム発動!」より。いおなが恋!?というタイトルは置いといて…1話にて出てきた幻影帝国の幹部ナマケルダが語る湿っぽい台詞。これが『仮面ライダービルド』のブラッドスターク/エボルトでおなじみ金尾哲夫氏によるセクシーボイスで放たれるのですよ!(一部の方へのアプローチ)

ハピネスチャージプリキュアは恋や愛……そのような感情のネガティブ部分もしっかり書いている。報われぬ献身、諦める想い、失った悲しみ、その先にある憎しみ……そもそもヒメルダの保護者枠である地球の神ブルー様が「上手く行ってる内はいいけど、上手くいかなるなると取返しのつかないことになるからプリキュアは恋愛禁止」と序盤から釘を刺してくるほど。後ろ向きすぎるぞ大人達と言いたくなるが言われてみれば恋というのはそういうネガティブな側面も勿論含まれる。プリキュアシリーズの元祖『ふたりはプリキュア』では憧れの先輩への好意という等身大の女子中学生目線で描かれた恋の描写、それが10周年を経ち酸いも甘いも苦いも描かれると思うと感慨深い…(実際に今作品はメイン視聴ターゲット層より上を意識した描写が目立つ)

「僕のせいだ…全ての不幸の源は……僕のせいかもしれない」
13話「強敵登場!キュアフォーチュンvsプリキュアハンター!」より。ファントムによる犠牲者、そしてそこから生じた悲しみの連鎖を間近で見てしまった際に漏らした台詞。この一連の流れでなんとなく分かるだろうが彼もまたヒメルダのように……この地球の神、見た目は物腰柔らかい兄ちゃんだがいわば作品のシリアス部分を一挙フル装備したような存在なのである。30分前の世界から来たようなキャラ造型(当時は仮面ライダーが8時放送でプリキュアより前だった)だし実際に声を担当するのは『仮面ライダーキバ』で登太牙を演じた山本匠馬氏である。

とまあこうしんどい部分を大々的に載せてしまって一見救いが無さそうな感じがしてきたがこれはプリキュア、この世の悪と災いが詰まっていたパンドラの箱が開かれ世界に厄災が放たれた際にも箱の底には希望が残ってたように、どうしようもない悲しみの最中にも諦めず“そこにある幸せ”を掴もうとする愛と勇気と絆の物語を信じてほしい。突き進む闇の向こう、明くる朝を信じてさあ行こう…

「お前が本心でそう思ってることは分かってる。けど時々思うよ、本当にお前はそれで幸せになれるかって」「無理して笑うなよ。せめて俺の前くらいは……本当のこと言ってくれよ」

44話より(タイトルだけでここで語るには行き過ぎるくらいネタバレなので公式HPのあらすじをリンクしておく)いつもの通学路の河川敷にあるベンチで座るめぐみと誠司。そこで二人は何を語るのか……是非とも己が目で見届けてほしい。この話はファンの間でも伝説と呼ばれる回なのでお墨付きで待ち望んでいい

「これ以上…めぐみを傷つけさせないんだからっ!」
そして1話であまりにも弱すぎて敵前逃亡していたキュアプリンセスが、自分の無力さに打ちひしがれ己の過ちに怯えてたヒメルダが、そんな自分でも信じてくれた“友達”を助けるために自ら敵に立ち向かうまでに成長した姿を見てほしい(過程を飛ばして結果を先見せしていいのかと思ったがそこまでの道中がどうなるのか見届けてるのもいいものである)

・いつか大人になったときも、忘れないでね愛と勇気

いかがだっただろうか。自分でもまさかこういう一風変わったキッカケでプリキュアのプレゼンを書くなんてと正直思ってたりしている。だけどめぐみとヒメルダの出合いだって本当に本当の偶然だし、カリスマホストがキッカケでその彼が好きなプリキュアについて語る機会が生まれたというのも素敵な偶然だと思いたい…こんな都合よくまとめていいのかな…
余談だがハピネスチャージプリキュアは放送当時はヒメルダやブルー様といった味方サイドの負の一面に苛立ちを覚えてしまった視聴者もいたり(こればかりは好き嫌いもあるし、それ以外にも一週間待たされる不安やキャラの心情に気付きにくいとかあるんで仕方ない)で当時の感想を見るとそういう声も覗かせるかもしれないが、もし今から見るなら待たずとも短いスパンで一気に見れるから当初の方々より柔軟に物語を読めると思う。ある意味でタイミングに恵まれてる

視聴方法はレンタルもあるが特に勧めるのはdアニメストア。月額440円(税込み)で見放題なのでかなりお得だし、なにより他シリーズも見れてしまう。もはやキュアラブリーは無敵なんだからといわんばかりの充実ぶりだ

それでも49話も見るのは大変…と思う方なら『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』だけでも見てほしい。70分ほどの映画だし再三言うがamazonプライムビデオNetflix会員ならいつでも見れるしdアニメストアでも前後編に分かれているが視聴可能だ。そして超傑作である。

上で少し触れたように「ヒーローだからといって全てが解決できるわけじゃない」というテーマをこれでもかと重く書いており、それでも彼女たちハピネスチャージプリキュアがどうするのか見届けてほしい。ここで語った大体の設定さえ分かってれば十分楽しめるから。挿入曲の「勇気が生まれる場所」に震えよう。あと作画がめっちゃかわいい。そして敵がものすごく邪悪。さらにふなっしーがゲスト出演してるが世界観にマッチしすぎて違和感が全く無い。声も何かを被ってないかのようなやけにクリアな……深く触れるのはやめよう(画像は当時OP中で映画宣伝していた際にまさかのタイミングで出てきた実写)

最後にこのようにキュアプリンセスを、ハピネスチャージプリキュアを語るキッカケを作っていただいた阿散井恋次氏にここで感謝をしたい所存である。こうやって自分の好きなものを語ったりプレゼンしたりするのは楽しいものだし……本当にありがとうございます。(そして現在彼は自身のホスト実話体験をデデンネ等のポケモンを用いた漫画を描いてる。ホストという職業についてどんな風に稼いでるのか知れるし何より漫画が面白いぞ)(追記:池袋で年間売上1億達成ってホスト史上で初である歴史的快挙だなんて……本当にすごい……)

また違うキッカケがあったら他作品のプレゼンも書くかもしれないのでそれでは!

彼女に対してこの記事であんまり言及できなくてすまんと思ってる(リンク先既視聴者向け)

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