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ド素人がレバーレスアケコンを1から作る

まとめ(最初に書いておく)

・電気やPCの知識が乏しい、工作が苦手な不器用おじさんでもできる。
・かかる総費用は使用するボタンの種類によって変動が大きい。三和のはめ込み式ボタンなら15000円程度、GamerFingerボタンなら25000円程度。購入時にかかった費用は最後に一覧表にする
・コスパはとてもよい。
・手間はそれなりにかかる。
・とても満足している。
・「レバレス初めて」という人にもアリかもしれない。アリエクとかで売ってる安物(送料込みで13000円くらい)は箱出し状態では正直使い物にならない。自作なら安く仕上げてもボタンの品質は確かなものだし、もし使いこなせなくてもボタンを流用したりはできるのでダメージが少ない。

動機

格ゲーマーささきさんの動画をみて頑張ってカスタムっしたが、使って4ヶ月ほどでそれを落っことして基盤をダメにしてしまった。もちろん普通に使っていればまだまだ長く使えただろうし、使用感も良かっただけに残念。僕は壊してしまったけど、「レバレスは興味あるけど使いこなせるか心配だから、なるべく低コストでデビューしてみたい」という人には普通におすすめ。↓

構造上、落としたりするとダメージがモロに基盤に入る

アケコンに戻してプレイするも、レバーが重く感じて思うような動きができず、(当時)リリースされたばかりのSF6へのモチベーションもダダ下がり。
ヒットボックスやオブシディアンは買えば3万くらいするし、天板の改造や大好きなGamerFingerボタンに換装なんかしたら5~6万はぶっとんでいく。確実に嫁ゲージがバーンアウトしてしまう。
GamerFingerボタンを使いつつコストを抑えてできないか?あとついでにSF6仕様にボタン増やしたい。じゃあもう自作しかねえな!というのが動機だった。

パーツの調達

絶対に必要なものは基盤、ケーブル、ボタン、ガワ。順番に見ていく。

基盤

そもそも基盤が何なのか、どんな種類があるのかがまずわからない。なんとなーくbrookとかpicoとかRaspberryPiとか聞いたことあるけど何それ?って感じ。自分が調べたことをまとめておく。

↑あとから知ったけど対応機種の違いがあるらしい。
PCで使う人は大丈夫っぽいけどXboxとかの人は注意

ほんで当然今回はPicoFightingBoardを使った。金ないし素人だし。検索するとメルカリなどで取り扱っているのが出てきた。すぐ手に入ったけど安定供給されているかは疑問。

ケーブル

我らが千石電商様でネット注文。前述のUFBのパクリPicoFightingBoardと互換性のあるFIGHTING BOARD CABLE、そしてレバレス化に必要なHIT BOX CABLEを購入。どちらも千石電商様の検索窓で「ハーネス」と検索すれば出てくる。
あと基盤とPCを接続するのにUSBタイプAータイプCケーブルをアマゾンで買った。基盤のポートがタイプCかどうかは買うときに確認したほうがよい。僕は念のため基盤が届いてポートを目視してからケーブルを買った。

ボタン

肝心のボタン。このために自作に踏み切ったといっても過言ではない。総費用の約60%がこれにかかった。逆に言えばボタンにこだわりがなければ費用をグッと抑えられる。
ネックはGamerFingerボタンが慢性的に品薄なこと。千石電商様も在庫切れがしばしば。僕が見たときはアケ魂さんの方が在庫が多く、運良くお目当てのレッド、ネジ式を買うことができた。
なんでレッドかって?男は赤なんだよ。

ちなみにGamerFinger公式に「Hi bro!俺はGamerFingerボタンフリークなんだがジャパンではいつも品薄なんだよ!そちらから郵送できる?」ってメールで問い合わせたけど今もシカトされてる。でも好き。
ボタンははめ込み式とネジ式があるけど、違いの1つは取り付けできる板の厚さ。僕は後述するベニヤに取り付けるつもりだったので、1~10mmの範囲で取り付け可能なネジ式が必要だった。

下がはめ込み式。はめ込み式は5mmくらいまでしかつけれなかったはず

メインの方向ボタン、攻撃ボタンはGamerFingerだがホームやオプションボタンはGamerFingerほどの反応は求めてない。見た目が気に入ったセイミツの白いのにした。
なおボタンはすべて24mmのもの。理由はボタンのサイズを統一することで、使用する穴あけ工具を1種類で済ませたかったから。
小さくて大丈夫?と思われるかもしれないが、今も問題なくジャンプできている。

ガワ

カッコよくて機能的なのは、アクリル板やステンレス板をネットオーダーすることだろう。しかし費用がかさむ。色々と調べたがネットオーダーしてガワを揃えようとすると安くてもアクリルで6000円前後かかる。ホームセンターでバラ売りしているのは薄いものが多いし、厚みのあるものはネットより高い。
構想の段階では、時代に逆行して大きいレバレスを作ろうと考えていた。亡き中華レバレスは軽くてコンパクトなのが長所でもあったが、それは膝の上では不安定という短所でもあった。膝から落として壊れる原因にもなってしまったそのコンパクトさの真逆を行こう、ドデカいレバレスを作ろうと思った。
しかし市販で杉やヒノキの大きな板になると厚みも増してしまい、ボタンをはめるどころじゃない。大きさ、薄さ、丈夫さ、安さが揃っていたのはベニヤだけだった。できればきれいな木目調とかにしたかったけど、ベニヤにそれは望めない。好みの色で厚目に塗ろうと決めた。

パーツの下準備

無事にモノは揃った。これらを組んで完成となるが、その準備がいる。

基盤のセットアップ

アケコン作り未経験の人が特に不安に感じるのは基盤の準備じゃないだろうか。僕もそうだったが、手順自体は意外に簡単だった。先人の知識に感謝。
PicoFightingBoardをアケコン基盤として使うためのファームウェアをダウンロードし、PicoFightingBoardを覚醒させる。ファームウェアとは「君はこれからアケコン基盤としてこんな風に働いてね」と教えるプログラムだ。
こちらの動画の2分過ぎからを参考にした。(丸投げ)

これで「PicoFightingBoard」は晴れて「アケコン」になった。

板を磨く

天板、底板はベニヤ板で当然表面はザラッザラなのでサンダーで磨いていく。
木工作業を自宅でやってしまうと嫁ゲージが秒単位で削られるのは確実。どれだけ音を出しても大丈夫なカインズホームのカインズ工房に場所を移す。会員(無料で登録)であれば2時間まで無料で使うことができ、工具の貸出も無料という神スペースだ。
角も面取りする。ついでに杉の側板も。サンダーにセットするペーパーは別売り。240番→400番と目を細かくしていく。

ボタン位置決め

きれいになったベニヤに穴あけのための下書きをする。約15000円が4ヶ月でお亡くなりになった中華レバレスを解体し、高級型紙とする。
今気づいたけど、穴あけに失敗したときに備えて先に穴あけしてからサンダーかけたほうがいいと思う。

高級型紙

もし手元に高級型紙をお持ちでない方は「ヒットボックス 型紙」「ヒットボックス テンプレート」「レバーレス 配置 印刷」などで画像検索し印刷して使うとよいと思う。
ボタン同士の間隔は注意したい。指の移動をスムーズにしたいがためにボタンの間隔を詰めすぎると、ボタン同士が干渉してしまう。特にネジ式のボタンははめ込み式よりもパーツの幅の分だけ干渉しやすいので注意。


穴あけ位置

穴あけ位置は人それぞれ、お好みでどうぞ。以下は僕の例なので読み飛ばして問題ない。
基本的なレバレスは移動4ボタン+攻撃8ボタンあるが、僕は攻撃ボタンの1番右2つを全く使っていない。頭がチンパンなので小指が上手く使えないのだ。そこで右2つをパンチの上に移動し、小kの下に暫定パリィボタンを増やす。そして僕のオリジナル要素、右手の手刀部分に暫定ドライブインパクトボタンを配置する。パリィボタンはおそらくスト6で最も重要なボタンなので使いやすい位置に置きたい。その次に咄嗟に押せる場所は?精密な動きを必要とせずチンパンでも素早く押せる場所は?と考えたとき、右手の手刀部分、両手の掌底部分が候補に上がった。ただ掌底部分は常に手を浮かせないといけなくて疲れそうだからボツになり、手刀ボタンが採用された。やってみて邪魔だったらフタしちゃえばいいや、という自由さも自作の強みだ。

穴あけ

緊張の穴あけ。ホールソー、木工スクリューを試して成功したのは木工スクリュー。失敗したのはホールソー。

ホールソーは刃の剛性や切れ味、抵抗の問題か、ベニヤとは相性が悪かった。最初に食い込むときにはフチを荒らしてしまい、貫通するときには裏側の面を激しく引きちぎってしまった。498円のベニヤ合板ということで金銭的ダメージはわずかで済んだのが救い。
ドリルで表面から進めていき、中心の突起が貫通したら反対から開けていくときれいに開く

塗装

仕上げの色塗り。好みの色を選び塗装していく。スプレーでも刷毛でもいいけど、どちらも慌てて一度に厚塗りしないほうがよい。その辺はググってもらいたい。今回は量も少なかったし、スプレーで行くことにした。
そのままだと手触りが悪いので、塗装がしっかり乾いてから2000番のサンドペーパーで水研ぎすると手触りツルツルになる。

組み立て 完成

ここまでこればできたも同然。ボタンをはめ込んでる時が一番楽しいよね?配線はこちらの記事を参考にさせてもらった。記事はBrookのものが使われているがPicoFightingBoardにそのまま置き換えておけ。
https://akecon.games/blogs/guide/brook-cable-guide

 

どのケーブルがどのボタンかわかるよう自分用にメモしたもの
完成!(とみせかけて使い込んだ後に撮ってるので掌底部分が黒ずんでいる)

レビュー

作ったのが2023年6月頃。これを書いているのは2024年2月頭。約8ヶ月使用していた感想。
良い点
・Gamerfinger最高!(ショートストローク化済み。興味のある方はググってみて)
・安定感抜群。膝の上でどっしりと安定し、滑り落ちそうになったことは一度もない。
・剛性は予想以上。うっかり台パンしてしまうことが何度かあったが、脳筋の僕の激しい台パンにビクともしない。
・かかった値段以上のコスパは確実にある。Gamerfinger14個もつけてこのデカさ!
・目立つ。対戦会で話しかけてもらえる。
悪い点
・重い。持ち運びが不便。
・手刀インパクトボタンのアドバンテージはほぼない。小Kの下のボタンと手刀ボタンで反応の速さを比較したが、明らかに手刀ボタンのほうが遅い。
しかしインパクトを返すのを単純な反応ではなく、来そうな状況で構えているなら大した違いはないか、とそのまま使ってる。もっと成長し3~5fの差に泣くようになったら位置変更も考慮する。

かかった費用

Gamerfingerを使用したのでこの上の表くらいの値段になったが、下の表のように安くあげることもできる。もちろんサンワも良いメーカーだ。

Gamerfingerボタンを使用した場合
サンワを使用した場合

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