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ちょっとだけゾッとした話

夫の胃の調子がずーーっと悪いのだけど、病院に行っても治らない!だから医者は信用しない!とか言って病院には行かずに夫は毎日キャベツの千切りを食べている。これを食べると少し調子がいいらしい。キャベジン効果かね?
毎日千切り作るのは大変だし、うっかり忘れてしまいそうなのでボウル一杯分とまとめて切っている。これで大体3日分。最終日にはややしなびてるがどうか我慢してほしい。

いつものようにサクサクと千切りキャベツを切っていた。すると途中に薄茶色い何かがあった。切られちゃったみたいで全容はわからないのだが、目を凝らしてみるとにゅるっとしてるような…。老眼なのでどんなに目を凝らした所でよくわからないのだけど、色々推測してみた。
キャベツにカタツムリが付くのかわからんが、カタツムリの赤ちゃんを真っ二つにしてしまった物のように感じる。それかナメクジの赤ちゃんか…なんかの幼虫か…。殻みたいなのがあるようにも見えなくもないが、なにしろ老眼なのではっきりはわからない。でもキャベツの中層にそのような者が紛れこむものだろうか?
とりあえずそれはつまんで捨てた。
けど、真っ二つなのだから切ったボウルの方に半身が刻まれて入ってるに違いないんだが、なにしろ老眼なので(しつこい)見つけられなかった。
まぁ洗うしいっかー!ってまた続きを切り始めた。
そして切り終えて洗う筈が、この日は何を思ったのか水に晒す作業に入ってしまった。キャベツが水を吸ってパリパリになったところで、これまたいつもならまた濯いだりするのにこの日はそれすらも忘れていた。

キャベツの最終日(つまり3日め)、私はあんな事があったのをすっかり忘れていた。というか作業の途中で既に忘れていたのだが。
夫がキャベツの千切りを食ってて、途中で何コレ?ってキャベツの破片をつまんでこっちに見せてきた。
それを見た途端に記憶がグオオオーと蘇った。
あっ!キャベツ洗うの忘れてた!『あれの半身』だ!と。
夫も老眼でよく見えないのは知ってるので、どれどれ?つってそれを観察するフリをして「これはキャベツが茶色く変色した部分だよ。白菜も色変わるじゃん。白菜のはポリフェノールだそうだけど、キャベツはどうなんだろうね。それが入っちゃったんだ」とそれらしく誤魔化してすみやかにティッシュにくるんで『あれの半身』を闇に葬った。
(ふーーっ!バレてない!セーフ!セーフ!)

なんでいつも洗うのにあの日に限って洗うのを忘れてしまったんだろうと思いながらも、それを見つけた夫の運の良さとそれが見つかった私の運の悪さにゾッとしつつ、真相は私一人の胸の中にしまっておいた。それを話そうもんならめちゃくちゃ怒られるに決まってるから。
みんな!キャベツの千切りはよく洗おうね!

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