「いらなかったら捨てて」は優しくない


「家を片付けよう」と思っていろいろと見直しているときに

自分はもう使わないし、いらないモノが出てきたとします。

だけど自分では捨てられないし、売ることもできない(買値がつかない、または売るのが面倒くさい)というときってどうしたらいいと思いますか?


「そうだ!誰かに使ってもらおう!」と、誰かにあげたりしていませんか?


こんな書き方をすると

「え?ダメなの?」

と思う方がいるかもしれません。


ダメじゃないんですけど、ダメなんですよね。


人にモノをあげるときの注意点


「自分が捨てられないモノを誰かにあげる」ということ自体は、悪いことではありません。

だって「モノは使ってなんぼ」ですからね。

捨てるよりは使ってくれる人にあげた方がモノだって嬉しいはずです。


ただ、1つだけ気を付けて欲しいことがあります。

「自分が捨てられないモノを誰かにあげる」ときは、渡す相手がそのモノを「欲しい」と言ったときだけにしましょう


(相手が欲しいと思っているかどうか分からない場合は、必ずいるかどうかを確認してくださいね。)


不用品に対して「自分で責任を持つ」ということ


たとえ使っていないモノでも「モノを捨てる」ということに罪悪感を感じる方は多いです。

いやむしろ、使ってないからこそ罪悪感を感じるのかもしれません。

おそらく「モノを大切に」という、子どもの頃からのしつけの影響もあるのではないかと思っていますが…


ではここで質問です。


あなたにとって「モノを大切にする」とは、どういうことでしょうか?


「(使っていないモノでも)モノを捨てないこと」ですか?


私はそうは思いません。
何度も言いますが「モノは使ってなんぼ」です。


つまり

「捨てることがもったいない」のではなくて
「使わないことがもったいない」と思っています。


とはいえ、使わない理由だってありますよね。

サイズが合わない、買ったはいいが思ってたのと違った、好みが変わった、人にもらったけど好みじゃなかった、飽きてしまった、使った後の管理が大変、使うのが面倒くさい

…他にもあるかもしれませんが、どれも立派な「使わない理由」です。


「使わない=自分にとっては不要品」ということに気づいた時点でグッジョブです。


ただ、自分の不用品がリサイクルショップやバザーでも引き取り手がなく、無料でも欲しいと言う人がいない場合は、自分で使うか捨てるしかありません。

自分の不用品を相手も「いらない」と言った場合は、自分の手で処分しましょう

「自分が捨てられないモノをやみくもに誰かにあげる」というのは、捨てることの罪悪感を他の人に押し付けているだけですのでね。ご注意を!


「いらなかったら捨てて」は優しくない


何かを渡すとき、気遣いのつもりで「いらなかったら捨ててくれていいから」と言う方はいませんか?(います、私の母です)

これ、相手を気遣っているようで実は違うんですよね。


なぜなら今、地域によっては「モノを捨てるのにもお金がかかる」時代です。
(母の住む地域はゴミは無料で回収してもらえますが、私の住む地域はゴミの回収は有料です。)

つまり「いらなかったら捨ててくれていいから」という言葉とともに受け取ったモノが本当にいらなかった場合は「自分には必要のないモノをもらって、お金を払って捨てる」ことになります。


これってなんだかおかしいと思いませんか?


相手によってはお互いの関係にヒビが入る恐れだってありますのでね。

自分の不用品を誰かにあげるときは、必ず相手に「必要かどうか」を確認してからにしましょうね。


どうしても不用品を捨てられなかった人


私の母は「もったいない」と言って、モノを捨てるのが苦手でした。


私は(子どもの頃に部屋を兄妹と一緒に使っていて、使えるスペースが限られていたこともあり)「いらない」と思ったモノはすぐに手放していたため「あんたはすぐにモノを捨てる!」と、よく叱られていました。


とはいえ、私にも「使ってないけど持っていたいモノ」というのはありますのでね。

「どうしてもモノを捨てられない」という気持ちは理解できます。


でも、母の代わりに捨ててあげることはできません。

なぜなら母が自分で捨てないと、同じことの繰り返しになるだけだからです。


数年前のある日のことです。

家族4人で私の実家に行くと、「あみだくじ」が用意されていました。

そしてよく分からないまま「あみだくじ」を引き、当たった景品を渡されました。


開けてみると「なんでこれ?」と思うようなモノが入っていて、家族みんな目が点です。
(例えば高校生の子どもに中学校の参考書を渡すようなイメージです。)


どういうことかと母に聞くと
「自分では捨てられないから、みんなにあげようと思った。」
とい返事が返ってきました。

そして
「これなら楽しく渡せるじゃろ?」
と、とても満足気なんですよね。


…本当にそうでしょうか?


少なくとも、私は不快に感じました。

なぜなら渡されたモノが「私には必要ないモノ」だったからです。
(しかも「くじ」の景品として渡されるとか、意味が分かりませんでした)


最後に


「あげる」と言われたときに困る相手の1位は「立場上、断れない相手」のときですよね。

「断ると関係がギクシャクするかもしれない」と(自分もいらないのに)受け取って後で困る方は実際にたくさんいらっしゃいます。


だからこそ「いらなかった捨てて」と言うのではなくてね。

「これ、自分には必要ないんだけど…あなたは使う?」と、聞いてあげて欲しいのです。


モノを捨てるということは、気持ちの痛みを伴います


でも、その痛みを経験すると、次は使わないモノを安易に手に入れないようになってきます。


そうやって徐々にモノを少なくすることにより、スッキリとした暮らしに近づくことができるようになっていくのです。

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