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子供に「なぜ片付けないといけないの?」と聞かれたらどう答えますか

長男の素朴な質問に困った私

毎日のように「片付けなさい!」と怒っていた頃。

長男に
「なんで片付けんといけんの?」
と、聞かれたことがありました。

そもそも子供には片付けなきゃいけない理由がありませんのでね。
今思えば、自然なことです。

もっともらしく
「片付いた部屋のほうが気持ちいいじゃろ?」
と言った私と、その答えに納得しない長男。

「なんて答えたらいいんだろう・・・」

ええ。
負けたのは、私でした。


子供が片付けないといけない理由とは

例えば2~3歳くらいの小さな子供なら、一緒に片付けることで片付けを体で覚え、習慣にしていくことは難しくないんですけどね。

だんだんと大きくなるにつれて口も達者になってきます。
それと同時に「なぜなぜどうして?」が増えてきます。

そんな状態の子供に「大人の理由」は通用しません。

例えば

・片付けるとスッキリして気持ちがいい
・床にモノが転がっていると踏んづけて危ない
・片付けられるようにならないと大人になったときに困る

という理由は「大人の考える理由」です。

そのため子供に説明してもキョトンです。


だっておもちゃの山の中で遊ぶのは楽しいですし、床に転がったおもちゃを踏んづけて痛い思いをしてもすぐに忘れてしまうのが子供というもの。


それに大人になったときに困るかどうかは結果論です。
もし困ったとしても、その時に挽回することだってできます。
(ただ、これを言うと元も子もないのでヒトリゴトだと思ってください。)


じゃあなんて説明しましょうか?


私が考えた答えは
「次に遊ぶときに、遊びたいおもちゃがすぐに見つかるようにするためだよ。」
というものでした。


何かを探す時間って、実はとってももったいない時間。


「今日は折り紙で遊ぼう。」
と思っても、すぐに見つからなくて探す時間が5分かかったとすると、1週間で35分。


1年だと30時間以上になります。


ここまで詳しく説明する必要はないにしても

「すぐに見つかればすぐに遊べるでしょ?だから決まった場所に戻しておくとすぐに見つけられていいと思わない?」

と言うと、分かりやすかったみたいでした。


「自分のため」大人と子供の解釈は違います。


私たちがいくら将来困らないようにと思っても、子供にとっては目の前のことが全てです。


だから「目の前の困りごとを理由にする」のが一番分かりやすいんですね。


我が家の長男の片付けのきっかけは「少しでも早く遊びたい」という気持ちでした。


そして長男が片付けのよさに気づいたのは中学2年生のとき。

陸上部だった長男が腰を痛め、しばらく走れなかったときに部室の掃除をするように言われたときのことでした。

そこでいつも家でやっているように

全部出す

使う・使わないに分ける

よく使うモノを出し入れしやすく入れ直す

使わないモノは顧問に相談

といった具合に片付けたところ、顧問の先生が思っていた以上にキレイになったみたいでね。

「あんたにそんな才能があったとはな。」
と、褒められたそうです。


尊敬する顧問の先生に褒められてうれしかったのでしょう。

その日の夜
「お母さん、オレに片付けを教えてくれてありがとう。」
なんてお礼を言われてしまいました。
(私もうれしくてこっそり泣いたのはナイショです。)


それまでの長男は、私が言うから片付けていた・・・という感じでした。

でもそれで片付けが習慣になり、やがてみんなの中で「長男=片付け上手」となったのは、長男の努力の結果です。

理由なんて小さなことでいいし、すぐに完璧にできなくてもいいんです。


ただ、その子が
「片付けていてよかった。」
と思える理由でなければ習慣になることは難しいでしょう。


もし理由が思いつかないときは、「その子が何に一番困っているか?」ということを考えて、解決策を一緒に考えてみてください。


それがその子にとっての「片付ける理由」になると思います。

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