仁木岳彦

写真家 ミラノ在住 Niki F. Takehiko https://www.siteniki.com/

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最近の記事

インターカルチュラル教育

イタリアから学ぶ多文化共生「インターカルチュラル教育」。2024年9月18日の19時から、北海道大学の公開講座(zoom開催)にゲストとして登壇します。興味のある方はどなたでも受講可能!後半に父兄としての体験を話すだけですが。 英米などで盛んな多文化(Multicultural)教育と、南欧の異文化間(Intercultural)教育だと、随分と意味合いが変わってくるそうで、とても興味深いです。 詳細  https://x.gd/xGWJN

    • 郷愁を誘う「日本の無機質な匂い」

      「郷愁を誘う匂い」についてSNSに投稿した 数年前、私が個人的に郷愁を感じる「日本の無機質な匂い」についてSNSに書き込みをしたことがあった。 「確かに、海外の旅先で荷物を開く時に感じますね」 「ぜひ自分もその匂いをかいでみたい、どんな香りなんでしょう?」 「父が仕事で行ったソ連からのお土産はどれも知らない香りがしました」 「私は、南アジアや南欧などの空港に降り立ったときの、有機的な匂いにワクワクします」 友人達から、たくさんの示唆に富むコメントをいただいて、匂いに関

      • イタリアでの幼稚園、印象的だった二つのイベント

        今年の夏、6歳の息子が4年間の幼稚園生活を終えた。思い返せば、1年目の半年が回ったところで、街が封鎖されたのだった。ミラノ周辺は新型コロナの欧州の震源地といわれ、外出禁止の厳しいロックダウン措置が取られた。数ヶ月後に幼稚園が再開されても、先生達は白い防護服にマスクとフェイスシールドを装着して、汗だくで子供の相手をして下さったのは、忘れられない光景だ。コロナと幼稚園はセットで記憶されることだろう。 年齢混合クラスなので、年上のクラスメートが先に卒園したり、年下の子供達が加わっ

        • エルサレムでの聖母マリアとの出会い

          なぜイスラエルに?  20代、許す限り旅をした。数ある訪れた場所の中で二カ所、また必ず戻ってきたいと強い縁を感じた場所があった。一つがイタリア。思った通りに戻ってくる事ができた。それどころか、現在こうして住んでいる。もう一つの場所は、イスラエルだった。しかし、20年以上前に一度訪れたきり、再訪の機会は、まだない。  思い返すに、イスラエルに旅したいと思った理由はなんだったのだろうか?ひと言で言うと知的好奇心だろう。学生時代から国際報道やドキュメンタリーなどにも興味があった私

          「最後の晩餐」と新型コロナ、呼吸でつながる世界、デジタルでつながる世界

          最後の晩餐 最近よく「最後の晩餐」の光景が目に浮かぶ。同じテーマのイコン(聖画)は、多くの画家が描いてきたが、ミラノ市内にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの壁画が最も有名だろう。張り詰めた「許し」の場面を気高く描ききったなどと評される事が多いが、なるほど、一度見たら、その後も何度も心の中で反復してしまう不思議な絵画だ。  キリストが最後の晩餐で、弟子の一人の裏切りを予言し、前もってそれを許した。そして、その裏切りのせいもあって十字架に磔刑にされた。無罪冤罪での死刑、一見すると惨め

          「最後の晩餐」と新型コロナ、呼吸でつながる世界、デジタルでつながる世界