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レモンとイタリアンパセリのミートボール 白ワインバターソース

前回のアーリオオーリオであまったイタリアンパセリを使い切るのに最適なミートボール(polpette)のレシピです。

ひき肉を丸めた料理は洋の東西を問わず世界中にみられますが、イタリアでも家庭料理としてよく食べられているようです。ミートボールといえば、本邦だと”God Father”や”Lady and the Tramp”などでもおなじみのミートボールのトマトソーススパゲティが有名ですね。あるいは「カリオストロの城」と言ったほうがいいかもしれませんが。諸説ありますが、このスパゲティも元々はシチリア系移民がアメリカに伝えた料理であるとのことです。ヴィトー・コルレオーネもシチリア系移民でしたね。本レシピもシチリア料理を下敷にしており、レモンとパセリをふんだんにつかった、かろやかな酸味と香りの美味しい料理になっております。

材料

野菜のスープ
・タマネギ 1個 繊維を断つように半分に切る。 今回はさらに半分に切っているが自分でもなぜそうしたのか不明…1回切れば十分です
・セロリ 1本 根本を切り、茎の部分を使う(葉はサラダにでもしてください)。潰して、味がでやすくする。繊維に沿って半分に割ってもいい。包丁を使わずに手で割ったほうがいいことが多いと思います。
・にんじん 1本 断面が半月型になるように縦半分に切り、そのあと長辺を半分に切る
・じゃがいも 大1個 半分に切る。水に浸しておく。
・イタリアンパセリの茎 数本
・塩 1つまみ

ミートボール
・ひき肉 250g 牛ひき肉推奨ですがスーパーの在庫の関係で今回は合挽きで作りました。
・パン粉 50g
・牛乳 パン粉をふやかすために必要な量。少なくていい。
・全卵 小1
・タマネギのみじん切り 適量 おそらくたまねぎ4分の1個分程度。エシャロット(らっきょうじゃない方)がある方はそちらのほうがおすすめですが、日本だと手に入りづらいです。
・イタリアンパセリの葉 適量 みじん切り
・レモンの皮のすりおろし 半個分
・レモン汁 半個分
・パルミジャーノレジャーノDOP 適量 かならずホールのを削ってください!すでに削られているやつはどうやっても香りが悪く、いれないほうがマシです。またいわゆるパルメザンチーズ(粉チーズ)はまったく別物なのでぜったいに使わないでください。あれはナポリタンやレトルトのミートソースのためにあるものです。適材適所です。
・塩 少なめの1つまみ
・コショウ 適量

ソース
・バター 25g
・白ワイン 50ml
・野菜のスープ 適量

手順

・まず、ソースに必要な野菜のスープを仕込みます。いちばん簡単な手順を紹介するので、ぜひ手作りしてみてください。

材料をすべて鍋に入れ、水から弱火で煮ます。水は鍋に合わせて適量、今回は2l程度でしょうか。ジャガイモは煮崩れない硬めのもの(今の時期なら新じゃがでもいいと思います)を使うといいです。沸騰したら灰汁を取り、ひとつまみの塩を入れます。塩があることで野菜から甘味を引き出せるので、少し多めのひとつまみ分、しっかり入れます。そのまま弱火で40分ほど煮てください。スープを煮ている間にほかの材料を用意します。40分ほど煮ると、うまく引けたときの鰹出汁のように薄く澄んだ黄金色になっていると思うので、そうなったら火を止め、蓋をして休ませます。野菜だけでも、なかなか味わい深いスープストックになります。野菜のポタージュのスープなどは、市販のスープストックを使うくらいなら、こちらの方がずっとオススメです。

・さて、スープを仕込む間に材料の準備をします。パン粉を牛乳でふやかしておきます。玉ねぎはなるべく細かなみじん切りにしましょう。イタリアンパセリも葉の部分をみじん切りにしておきます。レモンの皮をむき、皮はすりおろしておきます。レモン絞り器がある方はレモン汁を搾り取っておきましょう(うちにはないのでいつも気合いで握りつぶしています)。ここまでが準備です。

・どんなひき肉料理もかならず最初肉だけで練ります。ハンバーグから餃子、シュウマイなどの点心に至るまで、これはひき肉料理の基本的な手続きです。とはいってもては汚れるしなかなか面倒な作業なのでぼくは写真くらい混ぜたら満足してしまいます。

・パン粉、全卵をしっかり練り混ぜ、そのあと、残りの食材(タマネギ、イタリアンパセリ、レモンの皮と果汁、すりおろしたパルミジャーノレジャーノ)を全て入れます。

・水分を含んだふんわりとやわらかな生地にまとまるように混ぜ、練り込みます。均一に混ぜ込まれたら、ラップをして30分ほど寝かせます。われわれも調理器具を洗い、一息つきましょう。手のかかる料理にのみ許された、しばしの休息です。

・さて休ませた生地を起こしてください。小さなボールなどにすこしの小麦粉(分量外)を用意し、ゴルフボールくらいの大きさに生地を丸めたら、小麦粉をまぶし、バットなどにおいていきます。なるべく同じ大きさに揃うように、手際よく丸めていきましょう。今日いちばん愉快な作業ですが、ぼくはじつは不器用なのでこの工程が一番苦手です。写真は小麦粉が均一にまぶさってないですね!笑

・今回はソースのなかでミートボールに火を通していく方法をとります。
 バター25gをフライパンで溶かし、バター焦げないように細心の注意を払いながら中火でミートボールを揚げていきます。揚げはじめは、なるべく触らないようにしましょう。しばらくすると、しゃばしゃばと音を立てていた油が落ち着きはじめ、表面からでも肉に火が入っているのが見て取れるかと思います。底の方が硬くなっているのを箸で確かめながら、少し持ち上げて、綺麗に色づいているか確認しましょう。綺麗な焼き目が付いていたらひっくり返します。フライパンの特性にもよりますが、多くの場合フライパンの中心の方から火が入りやすくなっているとおもうので、中心から、ひとつひとつ焼き上がりを確かめつつ返していくとよいです。

・同じ要領で反対側も焼いていきます。この間もバターが焦げないよう火加減には気をつけてください。もし早めに両面焼きあがったものがあれば、写真のように重ねて避難させるのも方法のひとつです。このころには箸で簡単に持ち上げられる硬さになっているかと思います。

・両面焼き色がついたら、白ワインの出番です。万が一油ハネがあるといけないので、一旦火を止め、鍋を振るってすこし冷ましてから白ワインを注ぎ入れます。再び火をつけ、ワインをしっかり煮詰めていきます。

・しっかりワインが煮詰まったら、野菜のスープの出番です。休ませておいた野菜のスープを、自分の場合は45mlのお玉で2杯〜3杯分注ぎ入れます。これもバターと同量程度になるまでしっかり煮詰めていきます。

・しっかり煮詰め、バターとスープ、そしてミートボールの成分が溶けあい、適度な密度をもったソースにしあがっていたら、ひとくち味を見てみましょう。バターの風味と、野菜スープのまろやかさと、ミートボールに仕込んだレモンの軽やかな酸味が調和しているようだったら、完成です。即座にお皿にミートボールとソースを盛り付け、せっかくなのでにスープにつかった野菜も、たべやすい大きさに切って盛り付けましょう。もし調和していないように感じられたら、野菜のスープをもうお玉1杯分足して、煮詰めてみてください。おそらく、それで万事うまくいくはずです。

・さて、至福の時間です。ソースを十分にミートボールに浸しながら頬張ってください。レモンとパセリの軽やかな酸味と香り、バターソースの甘さが調和して心地よいですね!ぼくはせっかく丸めたミートボールを崩してパンにのせて食べるのが大好きです。

最後に

前回のアーリオオーリオにくらべると、すこし手が込んでいるように見えるかもしれませんが、基本的な方法しか使っていないので、ひき肉料理をつくったことがあるかたなら難なく作れると思います。そういえばぼくは鶏肉とレンコンをつくねにして揚げたものを、レモンで食べるのが大変好きなのですが、感覚としてはそれに近いところがあるかもしれません。肉団子、ミートボールの類は世界中にありますが、その伝播や影響関係が気になりますね。

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