お勉強341:小児固形腫瘍にCAR-T

小児固形がんの成績は年々よくなっているが
そのなかで、今だ強敵として君臨中なのが
「ハイリスク・再発の神経芽腫」である。

その神経芽腫に新たな治療法

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2210859

なんと、固形がんに対するCAR-T:GD2-CARTの試験
phaseIなので容量探索的な意味もあり。

27人が参加し、9人がCR! 8例がPR
投与を推奨要領で行った場合
全体集団では3年OS60%だが、(再発神経芽腫としてはすごい値)
CR例では9人中5人が2年半生存
血液腫瘍と同様、治療前の腫瘍量が強い予後因子
(この点で血液腫瘍と同様に治療前にRTするのは
結構積極的に行ってもいいと思う)

固形腫瘍にこれだけはっきりとCAR-Tの成績がでたのは初めて?
ではなかろうか。(私が寡聞でしらないだけかも)

そして、個人的朗報は
みんな大嫌いなDIPGの多くにこの全く同じCAR-T療法が効く!
という報告があることなのである。

※H3K27M-mutated diffuse midline gliomasという中にはDIPGも入る

当然臨床試験が必要だが、安全性などの問題が神経芽腫で研究が進めば
DIPGでの開発も加速すると思われ、期待は尽きない。

上記のように腫瘍量を減らすことが大事なのでRTが無くなる、
必要ないという時代はまだまだ未来かもしれないが、
個人的には光を感じる報告であった。

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