お勉強294:肺がん術後アジュバントTKIはありか、なしか?

今日のお勉強

新効能効果承認取得のご案内(術後補助療法)|アストラゼネカ医療関係者向け情報サイト-MediChannel- (astrazeneca.co.jp)

ADAURA試験をもとに、術後タグリッソが承認された。
今までの臨床試験は

※N2肺がんに術前、術後タルセバvs.術前GEM+CDDP(CTONG1103)

→OSfailure


※II~IIIA期に アジュバントイレッサ(CTONG1104)

→OSfailure


※II~III期にアジュバントイレッサ
→OSfailure (後付け解析で70歳以上はイレッサ優位だったとの事)


※ステージIB~IIIA期にアジュバントイレッサ
→OSfailure


と敗北の山なので、DFSで勝っただけで承認かい!と
色々物議をかもしれいるわけですが、
その話に一石を投げかける論文


EGFRmut肺がん
IIIA術後 CDDP+VNRか、タルセバ(2年投与)か。
中国での他施設共同試験(EVAN試験)
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2018年の試験のupdate
2018年の報告は

http://www.tjmuch.com/doc/003/000/048/00300004860_ad07509f.pdf


2018の最初の報告
ランダム化フェイズII試験
R0切除できたEGFRmut肺がんIIIA期
(ほとんどN2)に対する術後療法
ランダム化の際に
・EGFRmutのタイプ(del19orL858R)
・組織型(腺癌・非腺癌)
・喫煙歴
を考慮。
2年のDFSをプライマリーエンドポイントとした

2012年9月から2015年5月
片群51人 観察期間中央値33ヶ月で
2年のDFSは
タルセバ群で81.4%
通常ケモ群で44.6%

G3以上の有害事象は
タルセバ群で58% 皮疹が最も多い
通常ケモ群で65% 好中球減少、骨髄抑制が最も多い

アジュバントタルセバはあり、という結論

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と、ここまでが以前の報告
今回はupdate情報


タルセバ経過観察mdeian 54.8ヶ月
従来のケモ経過観察median 63.9ヶ月で
5年DFSは
タルセバ 48.2%(ITT) 46.2%(per protocol)
ケモはセンサーや死亡で、5年のDFSは計算できず
DFSはITT/per protocol 双方で優位差有

注目すべきは
タルセバMST 84.2ヶ月
従来ケモMST 61.1ヶ月
5年OSは
タルセバ群84.8%
従来ケモ群51.1%
HRはITT解析で0.373
per protocol解析で0.375
であり、タルセバ優位であった。

ということで、タルセバアジュバント2年はあり、
という結論。
筆者らのポイントとしてはIIIA期に絞ったことをあげている

もちろんこのsmallなII相を
それほど信じるのはなかなか難しいが、
IIIA期に絞れば、案外アリなのかもしれない

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