お勉強393:小児ハイグレードグリオーマに光

https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.23.00558

BRAF V600遺伝子変異は小児高悪性度グリオーマ(pHGG)の5%~10%で検出されるようで、
この群に大腸がんや、肺がん、悪性黒色腫で有効である
ダブラフェニブ/トラメチニブ併用してみました、というII相試験。
ちなみに論文のイントロによると一般の治療の
全奏効率は2割以下で2年生存は35%以下

標準治療で再発/難治性のBRAF V600変異pHGG患者が対象。
(1歳から18歳まで)
プライマリーエンドポイントは、Response Assessment in Neuro-Oncology基準による
独立審査による全奏効率(ORR:best response がCR/PR)。
副次的エンドポイントは、治験責任医師による判定によるORR、奏効期間(DOR)、
無増悪生存期間、全生存期間(OS)、安全性

治療歴のあるBRAF V600変異HGG小児患者41例が対象。
約半分がWHO2016でG4腫瘍(13人がGBM)
年齢中央値13歳 診断からの中央機関は17.4か月

観察期間中央値は25.1ヵ月
約半分が治療継続中。中止した20例中16例が病勢進行による中止。
独立審査のORRは56%。(29.3%がCR!!)
ウォーターフォールプロットは壮観!
DOR中央値は22.2ヵ月。14例死亡。
OS中央値は32.8ヵ月。1/2年推定全生存率は76.3%/58.6%
有害事象は、発熱(51%)、頭痛(34%)、皮膚乾燥(32%)が多かった。
投与中止に至った有害事象は2例(5%)であった(発疹)

ダブラフェニブ+トラメチニブは、再発/難治性のBRAF V600変異小児HGGに
きわめて有効!という結論(ちなみにイントロによるとほかの小児固形腫瘍などでも有効らしい)
ただ、もともとBRAFV600のpHGGの予後自体がよくわかっていないのはlimitation

日本では使えない… のですが、
https://readyfor.jp/projects/B-AMBITIOUS
がクラウドファンディングで始まっております!
ぜひご寄付を! こんだけ効く薬が日本の患児に届かないのは悲しい…

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