お勉強175:肺がん照射とリンパ球


https://ro-journal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13014-019-1287-z

ちょっと面白い研究。
放射線照射をするとリンパ球が減る、
ってのは有名な話だが、
60Gy程度の照射をすると、だいたい5週目が底で、
そこから緩やかに回復、というのがまず一つの知見。

リンパ球のナディアで切って調べると
リンパ球のナディアが低い人ほど予後が悪い。

ここからが面白いのだが、照射を60Gy/20Frのように
短期で終わらせると、予後が良い
(純粋に短期で治療効果が高い、という可能性もあるが…)

多変量解析だと、
・PTVの大きさ
・短期照射
が生存と関係あり、

・治療前のリンパ球数(ただし、HRはほぼ1)
・GTVの大きさ
・MLD
・治療期間
が治療によるリンパ球低下と相関

筆者らによると、ケモなどではリンパ球低下は
あまり相関がないらしい
(好中球は関係あるがリンパ球低下はないみたい)
ICIの効果がリンパ球数で変わってくるという報告はあり、
これからのICI地固め時代、この所見は結構興味深い。
短期照射の利点がここにも出てくるかも。

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