お勉強389:免疫チェックポイントは中止できるのか?

免疫チェックポイント阻害薬は中止してもよいのか?
一般的な臨床試験では、大体2年で投与終了、
となっているが、なかなか止める踏ん切りもつかず
ついつい続けがちなICI、止めれるかどうかに関しては
臨床試験が多数走っていますが、

https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.20.00131

CheckMate 153 がこの類の試験では唯一いまエビデンスのあるところです
(セカンドラインのニボルマブですが…)
簡単に結論を言うと一年でやめるとやめなかった群より
成績が悪かった、というデータがあり
「やっぱ続けた方がいいじゃん」という感じに(なんとなく)
なっています。
しかしお金がかかる・治療の有害事象の問題もあります。

いくつかの国では、使用期間制限があり、例えば
UKではどういう状態であれ、ICIは2年までしか続けられない、
と論文中にはあります。

今回はアメリカの電カルのレトロスペクティブコホート
を使って、ICIを単剤・もしくは化学療法併用で治療した
NSCLC(driver -)患者で再発・死亡無く
2年で治療を終了した群と持続で治療をした群との比較。

主要評価項目は(760日)からの生存
188例が2年(ここでは700~759日以下※2年±30日 と規定)で治療を終了群
851例が2年を超えて治療を継続群となってこれを解析

ここから、治療を終了した月、もしくはその翌月に死亡した症例
(死期が近いために治療を終了した可能性が高いと判断)と
760日までにPDとなった症例(2年以内にPDになったと判断)を除き、
それぞれ113例、593例を解析対象とした。

⇒limitationでこの部分にICIをやめて急に悪くなった人が
 のぞかれている可能性があるとの記載はあり

背景で差があったのは
喫煙歴(治療終了群に多い)
施設の種類(アカデミックセンターのほうが治療終了群に多い)

PD-L1発現、PS、年齢などには差はなし。
観察期間中央値は2年から数えて14.0カ月。

2群の生存曲線はほぼ同等。
多変量解析でも差はなし。
※因子としては年齢、性別、人種、PS、PD-L1発現、喫煙歴、組織型、
単剤or化学療法併用、保険、施設を考慮

2年間治療した時点から1年後、2年後の生存率はそれぞれ
治療中止群、継続群で
89%、91%(1年後)、および79%、81%(2年後)であった。
(つまり、かなり良い)
治療終了群でICIの投与完遂後にPDとなり、
ICIの再投与が行われた症例が11例。これらのPFS中央値は8.1カ月。

結論としては、ファーストラインで2年進行なく効いていたら
止めてもそれなりに安全かも、
でも最適な治療期間はわかりませんね、という結論

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