お勉強38:JCOG0603

JCOG0603
https://meetinglibrary.asco.org/record/185468/abstract

大腸癌の肝メタ(だけ)に手術後
mFOLFOX6をアジュバントに12コース
行う事でDFSやOSにどう影響をおよぼすか、
という試験(コンプライアンスを二相で見て
有効性を三相で見る、という形のよう)

もともとDFSは伸びて、
OSは伸びないというような試験
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18358928/ ECOC試験)
はあったよう。

結果はいろいろな意味で衝撃的で
DFSは有意に伸び、OSは悪くなる傾向、
(下記のカプランマイヤー参考)

アブストラクトによれば再発後の生存が
二倍ぐらい違う。
大腸癌でPFSが伸びる、だから良い、
少なくとも悪くないのが当然
ってのはなんかある意味「定理」ぐらいに
(大腸癌は門外漢なので誰が解説して欲しいが)
思っていたので衝撃的。
切除可能の肝臓のみのメタは
普通の転移性大腸癌と異なるのか?
オキサリプラチンが悪いのか?
(となると一般のアジュバントとの整合性?)
何が原因かしっかりと考察して欲しいところ。
と書いていたら↓に
https://twitter.com/ryanhuey/status/1266766910638743560
いろいろデータが。
エビデンス屋さん的にはプライマリーエンドポイントの
DFSが伸びたから、ポジティブトライアルだ!
となるのでしょうが、OSが今一つなのは事実…
(ただ、カプランマイヤー的には
 アブストで感じたほどの差ではない)

この投稿者は再発時、OXベースかIRIベースかが違うとか、
肝臓の転移巣切除のR0率が違うとか
考察されているが、

引用ツイートは
「結果を出すには早すぎ」(確かに)
「EPOCの再来か?年齢がカギ?」
はいいとしても
「モレキュラータイプや左側・右側で分けてないし
 何したいか分らん」
って、2006年の試験でっせ…
(JCOGデータセンター泣くぞ…)

この15年の間に大腸がんの医療が劇的とは言わないまでも
よりプレシージョンメディスンに近い方向に変わってきた、
という事なんでしょうけど。

まぁ、結局この試験の結果で今の
臨床プラックティスが変わる、ということは
無い、というのがツイッター見て感じた印象。

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