お勉強410:HCCにSBRTとICIの併用!スゴイ効果!


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34950594/

肝臓がん SBRT+ICI vs. TACE

肝臓がんでアテゾリズマブとベバシズマブの
エビデンスが出てから、肝臓がんでもICI時代がやってきた。
(ほかにもペンブロ+レンバチニブや、イピニボが適応)

SBRTでIOの効果を高められないか、ということで
今回は香港からの報告です。
局所進行肝細胞癌患者に
SBRT-IO併用療法とTACEの有効性と安全性比較。

当然前者の方は数が少ないので
傾向スコアマッチング解析を行っている。

対象はHCCで医学的に手術不能、治療抵抗性、
もしくは根治的外科的介入を拒否した患者
Child-PughはB7まで、個数は5個以下
(腫瘍径は制限なし)
Vp4は除外、腹水・脳症なし、全身治療歴なし

プライマリーエンドポイントはPFS、
セカンダリーエンドポイントはOS、ORR、治療有害事象。

226人の患者が適格患者として抽出され、
SBRT-IO群の約16人(少ない…)の患者は、
TACE治療(リピオドール+シスプラチン)八週おきを
受けた48人の患者とマッチング。
※年齢・性別・腫瘍径・腫瘍個数・Vpの程度をマッチング
(マッチング前はどちらかというと、VpやBCLC Stageで
 SBRT-IO群のほうが不利な群であった)

GTV-CTVmarginは狭めの0-3mm
CBCT必須、標的病変は一番大きなもの
肝機能・体積などと相談しつつ3か所まで照射OK
25~50Gy/5Fr,D95処方
(結局中央線量は35Gyだったとのこと)

SBRT後2Wでニボを投与。投与中央回数は10回

治療効果は2~3か月ごとに造影CTでチェック

マッチング後
腫瘍径の中央値は10cm(範囲:2.9~19.6cm)、
門脈浸潤を有する患者は20.3%とかなり予後不良因子がある

1/2年のPFSはSBRT-IO群で有意に良好。
(93.3%vs16.7%、77.8%vs2.1%、p<0.001)
1/2年のOSもSBRT-IO群で良好であった
(93.8%vs31.3%、80.4%vs8.3%、p<0.001)

ORRは、SBRT-IO群で87.5%(CR:50%、PR:37.5%)
TACE群では16.7%(CR:2.4%、PR:14.3%)であった
(p<0.001)。

16例中1例しかSBRT-IOでは照射野外病変は出なかったらしい

※ちなみにIO単剤ではよくても50%以下らしい。

G3以上の治療関連有害事象(60.4% vs 18.8%、p = 0.004)
有害事象による治療中止(25% vs 12.5%、p = 0.295)
肝機能障害悪化は、SBRT-IO群で少ない

多変量解析すると
治療法がOS/PFSの予後因子
腫瘍個数がOSの予後因子であった

と、SBRT-IOスゴイ成果をたたき出している!
今後の続く研究に大期待。

OPENなので図表だけでも。
ウオーターフォールプロットが見事です。

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