お勉強240:頸部食道がんfrom日本

ASCO-GI2022より。
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/204843

頸部食道がん、手術可能症例の解析
(手術可能、の定義が難しいが…)
2010年から2020年までに国癌で
手術または根治的CRTを行った頸食のデータを
後方視的解析。
53例手術、70例CRT
全患者のの1/3/5年PFS・OSは52/40/36%・84/60/56%。
(なかなか厳しい…)
単変量解析でcTが予後因子である可能性
(T1 vs. T≥2, PFSのHR: 2.30, p=0027.、OSのHR: 2.86, p=0.046)
通常喉頭摘出術を必要とするT3以上の病変を持つ患者
(N=95)では、
PFS(31.0ヶ月対7.0ヶ月、HR:0.50、p=0.013)、
OS(未到達対25.0ヶ月、HR:0.28、p=0.005)とも
CRTより外科的治療を受けた被験者が良好であった。
T3以上の病変を有し、導入化学療法を行った症例(N=33)
は外科的アプローチはCRTアプローチよりも良好
(PFS中央値: 19.0 vs. 8.0 ヶ月、HR: 0.37, p=0.007;
 OS中央値: not reaches vs. 18.0 ヶ月、HR: 0.18, p=0.007)
なかでも、導入化学療法後に喉頭温存手術を行った
被験者では、より良好な治療成績が得られていたとのこと。

個人的感触ではcT2までならCRTはかなりいいが、
そういう症例はまず見つからないという感じです。
cT3/T4は治っても狭窄することが多いイメージ
喉頭がんと一緒で厳しい人ほどNAC→opeの方が
良いのかもしれません。ただ、国癌の現状は
どうかわかりませんが、一般病院で実際には
頸動脈に進展していたり、高齢で合併症が多かったり
気管膜様部にかなり出っ張っていたりで厳しい
症例も多く、しょうがないからCRTの人も多い感じ。

喉頭温存できる人はopeでいいですが、できないなら
CRTfirstというか、導入療法的にCRT→ダメならope
というのが患者さんの希望をかなえつつ、できることなのかも
しれません

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