お勉強309:T4食道がん、コンバージョンできるならする方が良い?

https://ro-journal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13014-022-02116-0


T4食道がんで、CRTでダウンステージングした場合、
そのままCRTを続けるのが良いか、opeにコンバージョンした方がいいのか、
というまさしくJCOGがやっているような試験。

一施設で、診断が主にCT・CT/PET、という制限はあるが
非常に示唆的なのでご紹介します。

条件として
1:扁平上皮癌
2:様々な画像診断から多職種カンファでT4とされた
3:CRTでT3以下にダウンステージング
4:遠隔転移無し
5:PS1以下

CTの条件はいわゆる大動脈90度ルールと
脂肪織消失が目安

照射は6MVでIMRT/IGRT
予防照射もアリのよう
ケモはCDDP+5-FUだけでなく、
タキサン系を使ったものもあるよう

40Gyの時点で効果判定。
手術するなら4~6週後しないなら60Gyまで

ランダム化試験ではないので
PSMもしている。

125例治療して、106例がT3以下に。
32人手術、106例CRT続行
珍しいことにUtが34%もある。
手術群はT4bが少なく、中部下部食道が多かったと。
周術期死亡は1例のみ。

PSMする前の結果は
CRT→opeが明らかに上。(p=0.037)
そのほか若年、飲酒が少ないが
予後良好因子

PSMしてもやはりCRT→opeが優位。 
あとは若年、、PS、喫煙が少ないが予後因子。
特に重喫煙者は明らかに予後が悪い

PSMする前も、した後もPFSではOSほど差が無いので、
おそらくCRT続行群は再発形式が局所が非常に多く
(CRT→opeが1/32 CRT続行群が27/74)
食道瘻が6.4%あったと書いてあるので
criticalなもの(たぶん大動脈に穿破とか)があったり、
局所増悪で栄養状態が悪化して死んだりなどの
再発後の予後が結構手術と違うのだろうなぁと。

まぁ、患者の体力次第なところもありますが
PSが良くて、手術に耐えられそうなら
T4症例はコンバージョンがいいのでしょうね。
インダクションの治療がDCFがいのか、CRTがいいのかは
今後検討されていく課題ですね(JCOG頑張れ!)


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