お勉強312:SABR-COMET長期フォローデータ
https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(20)33670-1/fulltext
SABR-COMET 長期フォローアップ解析
業界に震撼をもたらしたSABR-COMETの長期フォローアップ
背景や患者対象は当然変わらないが、概略だけ
99人を2:1(SABR:コントロール)に割付したII相試験
主なものとしては、肺・乳腺・大腸:18人ずつ
前立腺: 16人 その他:29人
原発コントロールされていて、
遠隔転移1~5個のもの
コントロール群でも
症状をコントロールする
8Gy/1Frや30Gy/10Frの照射は許容
8年のOSが27.2%/13.6% (HR, 0.50 95%CI 0.30-0.84.
8年のPFSが21.3%/0%, (HR, 0.45 95%CI 0.28-0.72.
どちらも引き続き優位差有
G2の有害事象は30.3%/ 9.1%,(骨メタRT後の疼痛が最多と)
こちらも優位差はあるが、G3以上は無し
(一応、フォローを伸ばしてlateのcomplicationをみるのも
大事だよね、というのがこの論文の主旨でもあるようだが
前回の論文から増えてはいなかったとの事)
QOL調査(FACT-G) は両群差なし
(当然と言えば当然だが両群徐々に低下)
全身療法を必要とする度合いは変わらなかったが
SABR群の方がいわゆるcytotoxicな化学療法を必要とする率は低かった
少なくともOS/PFSの差はちゃんと残り、
約1/5の患者が5年以上PFSが続いた、
というか、5年のところでPFSは完全に平らになっている
これを「治った」ととるかは全身療法も
入っているだろうから一概には言えないが…
ただ、コントロール群は0%だから明らかに
SABRには意味がある、というのはいって良さそう。
しかし、よく批判に上がるところだが、
ランダム化調整因子に原発は入っていなかったようで
SABR群で明らかに前立腺が多い。
(実際11人5年制御できたうち、5人が前立腺)
1-5個という条件だが7割が1~2個
転移部位は8割程度で骨か肺
残念ながら、放射線治療医が期待しているような
アブスコパル効果を示すような
遠隔転移の制御効果は見られず
新規遠隔転移発生頻度は変わりなし。
これから後追いの試験がガンガン出てきて
SABRの真価が問われてくるでしょう。
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