お勉強435:小細胞がんのPCIは意味があるのか?

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38261885/

https://www.medscape.com/viewarticle/routine-prophylactic-cranial-irradiation-sclc-questioned-2024a100032i


SCLCのPCIについては常に喧々諤々が
あるが、(とくにED症例)それについての
システマティックレビュー・メタアナリシス

そもそもの問題点として
・画像診断へのアクセス
・治療前に脳転移の検索していないものが多い
・ランダム化比較試験が難しい(このメタ解析でもRCTは非常に少ない)

というのが日本と世界との違い

SCLC患者に対するPCIの使用を報告した
コホート研究および対照試験を抽出し
全生存期間(OS)について、
PCI群と介入なし群間のハザード比(HR)をプール
という方法でメタアナリシス

研究のうち適応となるのが223報があり、そのうち109報に
OSが記載されており、それらでメタアナリシスを行った

(ほとんどが後ろ向きコホート研究)

PCIは、
・SCLCの全患者
(HR 0.59;95%CI、0.55-0.63;p<0.001;n=56,770)
・LD患者
(HR 0. 60;95%CI、0.55-0.65;p<0.001;n=27,137人)
・ED患者
(HR 0.59;95%CI、0.51-0.70;p<0.001;n=26,467人)
でOSに有利な結果。

異質性は、全研究をプールすると有意であった
(I2=73.6%;95%CI 68.4%-77.9%)
全患者の再診断時に脳転移の有無を除外するために
MRIを用いた研究のサブグループ解析では、
全生存率はPCIを受けた患者と受けなかった患者で有意差はなかった
(HR 0.74;95%CI, 0.52-1.05;p = 0.08;n=1384患者)。

脳転移の発生頻度はおおむねどの研究でも減少している。

PCIはMRIをちゃんととればしなくてもよいかも??
海馬回避全脳照射が出てきたとはいえ、
神経毒性のことを考えるとactive surveillance
という考えもできる。出てきてもSRT/SRSで対応できるのでは?


※個人的には
・95CIはMRI受けた群でもかなり優位群によっている
 (LDだけに限ればHRは0.45-1.02で、RCTの結果は入っていない)
 ★日本の

  この論文のみnegativeによっている

CTもしくはMRIだとLDは有意にPCI群が良い

という点からLDでMRIサーベイランスがOK,というところまでは
いいがたいなぁと。
むしろ我々は

のように何らかのバイオマーカーなどを探していくべきと
最近は思っています。



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