お勉強225:腎がんに対するSBRT


https://www.cancerit.jp/70768.html
https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(21)00528-3/fulltext

まず前提として、腎がんの新治療である、TKIやIOが
値段的にも高く、副作用も高度であることを彼らは述べており、
PFSを伸ばすことで、全身療法を遅らせることに意義を見出しているようだ。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/202112/573290.html

も参考。これを読むと、IOに期待したくなるが、
安定していれば必ずしもすぐ薬物治療、
というのももったいないようである。

というわけで、
腎がんに対する少数転移へのSBRT
(5Fr以下で、一回7Gy以上と定義されている)
定位無理なら
60–70Gy/10F もしくは 52·5–67·5 Gy/15Fr
で行っている。

Ⅱ相試験ということで、対象患者は30人、五個以下の転移
全員全摘後、全摘後治療までは約4年空いている。
ほとんどがメモリアルのリスクスコア中リスク以下

転移は1-2か所がほとんどで肺・骨で8割ぐらいを占めている
一番多いFrは50Gy/4fr

一年PFSは64%、PFS中央値は22.7ヶ月
局所制御率は97%
ただ、生検すると結構な割合で残存はあったよう。

必ずしも皆進行があったわけではないようだが、
新しい全身療法に入ったのは2年で3割程度
G3以上の有害事象も少ない
(一例膵転移に照射して高血糖G4というのが出たらしい)

腎がんに対してモグラたたきのように治療をする、というのが
必ずしもいいのかは今後問われるとして、
腎がんに対してSBRTは効果的であるのは間違いないようだ。

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