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AV出演被害防止・救済法(AV新法)は誰が作ったのか?

 こんにちは虹杜ココロです。今回の記事はさんちゃんねるの文字起こしではなく、TwitterでAV新法を作ったのがどの勢力なのかで言い合いしているのを見かけたので、個人的に調べてまとめてみました。
 間違いや抜け等ございましたらご連絡頂けると幸いです。

 まず前提として、2018年(平成30年)6月13日、民法の定める成年年齢を18歳に引き下げること等の「民法の一部を改正する法律」が成立しました。
 この法律は2022年4月1日より施行されました。

 一例として、一人で有効な契約をすることが出来る年齢、及び親権に服することがなくなる年齢が、いずれも20歳から18歳に引き下げられました。
 改正は2018年6月でしたが、審議中の段階よりこれを問題視する意見は出ていたようです。

 この記事でも名前が出てくるNPO法人が主催するおそらくこの件に関連する最初の【イベント】2019年12月3日(火)緊急院内集会『AV出演強要 被害をなくすための法制化が急務』が2019年11月22日に告知された。

主催:認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ、
NPO法人人身取引被害者サポートセンター ライトハウス、
NPO法人ポルノ被害者と性暴力を考える会(ぱっぷす)

 なおこの緊急院内集会にはAV新法に深く関わったと思われる塩村あやか議員も参加されています。

 その後2020年~2021年にかけては特に表立った動きはなかったように思われますが、2022年(令和4年)2月17日、塩村あやか氏が「成年年齢引下げに伴い必要となるアダルトビデオ出演強要問題への対応に関する質問主意書」を提出しました。

 こちらの質問主意書への答弁がこちら。

 当該取消権を行使することができる者を成年となった十八歳、十九歳の者にまで拡張することは困難であるが、いわゆるアダルトビデオ出演契約を締結したとしても、不当な手段によって締結された契約については、詐欺、強迫等を理由とする取消権を行使することが可能である。

 つまり未成年者が親権者等の同意なく契約したものについては「未成年者取消権」が行使できるけど、成人年齢引き下げになるから18歳以上は使えないよ、でも不当な契約は別の法律で取り消せますよということ。
 契約全般の話ですので、AV出演に限らず数多のケースで発生する問題かと思いますが、この答弁を受けてこのような記事が出てきました。

 こちらの記事から「18歳・19歳は未成年取消権をつかえなくなる」ことが(AV契約に限り)大問題となり、ここから状況は加速していくことになり、2022年3月12日にこのような署名キャンペーンが始まったのです。

 こちらの署名、今はノートの画像ですが、当初は以下の画像が使われていました。

 こちらの署名はGoogleフォームと合わせて4万筆以上が集まり、2022年3月25日に6省庁に提出されたようです。

 少しさかのぼりますが、さらに2022年3月15日には国際人権NGOヒューマンライツ・ナウにより「AV出演強要等の取消権に関する要請書」が各政党に対して提出されています。

 (なぜかAV出演に限り)18歳・19歳は過去に遡って契約を取り消しできるように等の文言が書かれている。
 そして2022年3月23日、ヒューマンライツ・ナウとNPO法人ぱっぷすと共同主催で、緊急院内集会「4月1日からの高校生AV出演解禁を止めてください 18~19歳の取消権 維持存続立法化のお願い」を開催しました。

 2022年3月30日にはぱっぷすからも要望書が出されます。

 そして実際に成人年齢が18歳に引き下げられた4月以降、議員立法としてAV新法を作る流れが出来た。
 しかし2022年4月30日「AV出演対策委員会」を名乗り当事者によるものとする声明が発表されました。

 当時話題になったと記憶していますが、特にこの部分が大炎上したかと思います。

 さて、痴漢から始まり~などを禁止して下さいの部分もツッコミどころ満載ではあると思うのですが、表現規制に敏感な我々として最も気になるのはこの部分『性的コンテンツから性犯罪を誘発することは、警察庁の発表でも明らかになっています。』
 そんな発表あったのか!?ということで山田太郎事務所が警察庁に確認してくださいました。

 というわけでさすがにこの当事者を名乗るものからの声明は全体的にスルーされた感じではありますが、2022年5月11日にまたもやヒューマンライツ・ナウやぱっぷす等による要望書が2つ。

 公開後1年ないし撮影後2年の任意解除権や、2年後に法律を見直すこと等が要望されました。

 またこの頃、Twitter上でも『AV業界に有利なAV新法に反対する緊急アクション』なるTwitterアカウントが開設され、AV新法に反対する声明が出されます。

 ちなみにこのアカウントは先ほどの署名キャンペーンのページでも紹介されている。

 こんな感じで、AV新法が成立するとAVが合法化されてしまうという理由で反対しているようです。

 これに対抗するかのようにセックスワーカー差別への抗議行動というTwitterアカウントが作られカウンターデモが行われる。

 少しさかのぼりますが、2022年5月15日、AV出演被害防止・救済法の実現を求める会による声明が発表されます。

 しかしこちらもカウンターのごとく、同日に「AV新法」の議論に関する共同声明がSWASH(セックスワーカー差別への抗議行動の関係者サイド)より出されました。

 そして2022年5月25日、たたみかけるようにヒューマンライツ・ナウが「アダルトビデオ(AV) 被害防止・救済法案に関する声明」を発表。

 すべての被害を救済するために、18歳・19歳に限定しないことが提案される。

 同日大きく話題となった神奈川新聞の記事がこちら。

 翌日J-CASTもこの件を記事にした。

 つまり、いわゆる本番行為を行うAVを禁止する法案を作ろうとする勢力もいらっしゃるということを、しっかり認識しておく必要があるかと思います。

 さらにさらに2022年6月8日、新日本婦人の会より要望書が出されます(タイトルは長いので省略)。

 性行為に限定せずに性的行為と広範にすることや、公表1年以内という上限を無くすこと等が要望されました。

 賛成・反対等いろいろありましたが、2022年6月15日AV出演被害防止・救済法が成立、6月23日より施行されました。

 対象は18歳・19歳に限定されず、契約後1ヶ月撮影禁止、撮影後4ヶ月間公開禁止、公開後1年間は契約解除可能、ただし施行から2年間は2年間解除可能という、ざっと最短でも契約後2年5ヶ月は無条件に契約を破棄できるということ。

 確かに出演強要等の被害はあるのだろう、それはなんとかしなければいけないが、自らの意思で自ら望んで出演している人の権利も守られなければならないと思う。

 法律成立後、まだ施行されていない段階からAV女優が仕事を失ったという報告がチラホラ、AV人権倫理機構より「AV出演被害防止・救済法について 当機構の基本姿勢が出ます。(お知らせのTOPICSよりPDFをご確認下さい)

 AV新法成立後、2つの署名キャンペーン始まる。

 というわけで誰が、どういう団体がAV新法を作り、作らせたのか、そしてもっと厳しい内容にするべきだと主張する勢力もいる。

 いずれの団体もこれで満足していないだろう、法律には2年後に内容を見直すことが明記されている、AV新法に賛成であれ反対であれ、やるべきことはTwitterで感情的にレスバすることではない!

 AV新法に関して意見する時やまとめるときは、こちらの情報を自由に使って頂いてかまいません、ただし冷静に、何を言っても意見を変えることのない相手にではなく、あなたの意見を広く発信するつもりでお願いします。