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「お金」って怖い物?頼もしい物?~その2~

どういう事!?こんなハズじゃあ……

隣国に攻め入った王様は、ある悩みを抱えていました。
「戦争するって、お金掛かるぅ」
そう、銀貨を作る為に隣国へ攻め入ったのに、また銀貨が足りなくなる……そんな事態に陥ったのです。
戦争をした事により、武器や食糧・兵士への褒賞等でドンドンお金が減ってしまったのです。
『王様!お金が足りません!何とかしてください!』
『えぇい!!今ある物で何とかしろっ!!』
そんな事を続けた国に、更に強大な大国が牙を剥きます。遂にその国は滅びてしまいました……

これからは海の時代!航海王に俺はなるっ!!

この頃、強大な大国にとんでもない事が起きていました。この大国はなんと船の技術が発達していて、新大陸を発見していたのです!
更に新大陸にあった帝国では、途方も無い量の金と銀が採れました。
戦力が大きく上回る大国は、新大陸の帝国を次々と征服し、そこで採れた金銀を使って大量の金貨銀貨を作り、国力を高め、無敵を誇っていました。
『フハハハハ!我が大国は世界に覇を轟かせ全てを征服するのだ!!』
大国の王様は意気揚々と勢力を拡大し、大きな権力を手に入れて行ったのです。しかし……

神様には逆らえん。そして…

この時代、様々な国に信仰される宗教が出来ていました。あまりにも多くの信者がいた為、その影響力は凄まじく、大国の王様もその宗教を信仰する信者の1人でした。
どれ程の影響力かと言うと、とある国の王様が雪の降りしきる寒空の中、教会の前で泣き叫び教皇に許しを乞う程。
そうして大量のお布施を手に入れていたその宗教はドンドン影響力が膨れ上がり、手が付けられない状態にまでなっていたのです。
そんな中、民衆の中から不思議な事を言う人達が現れだします。
『実は、地球って丸いんだせ。そんでもって、太陽の周りを回転しながら回ってるんだぜ』
なんと科学革命が起こったのです!
これにより、各地は大混乱!
『神をも冒涜する考えだ!けしからん!』
『様々な現象は科学で説明出来るようになる!』
様々な場所でこの混乱は広がりをみせ、大国は衰退の影が見え隠れする様になりました。そして…

イノベーション!キラン!

混乱する大国の影で、更なる革命が起きました。
なんと銀行を作った国が現れたのです。
これにより、重くて持ち運びが大変だったコインに代わり、紙幣が作られました。
『金貨を持ち歩くの大変なら、ウチで預かりますよ。その際預かり券を発行します。』
『これは助かる!大量の金貨を持たなくても、この券を取引先に渡せば大きな買い物が出来る!』
『えぇえぇ。ウチには沢山の金がありますから、いつでもその券で換金出来ますよ。取引先さんにもそうお伝え下さい。』
こうして紙幣は爆発的に広がり、様々な国で独自の紙幣が発行されました。
そして、紙を使う事を応用して世界初の株式会社まで設立されたのです。
これにより株券が出来、人々は更に貿易を進め発展していきました。

更に起きたのが産業革命です。それはとある島国にある帝国から起こりました。
その帝国は高い技術力を持って片っ端から色んな国を攻め落とし、遂には世界を征服してしまう勢いだったのです。
そしてこの帝国は世界にこう宣言しました。
『金と交換出来る紙幣はウチの通貨だけにする!他の国の通貨は交換しちゃイカン!』
こうして高度な技術力を持った島国の帝国は、巧妙な紙幣を作ったり、鉄道を敷いたりして世界に覇を轟かせたのです。

あれ!?前にもこんな事あったよな…

世界征服1歩手前まで来た島国の帝国に思わぬ危機が訪れます。
それは、思想の違いから戦争が絶えず行われた事でした。
『人類は仕事に対し平等に報酬を貰うべきだ!これで皆が均等に裕福になる!』
『いや、人より良い仕事をしてより多くの報酬を貰ってより裕福になる事の何が悪い!』
この思想の相違は世界を二分する戦争にまで発展します。
世界各地を征服していた島国の帝国は、右往左往のてんてこ舞い。
そして何とか事態を収めるも……
『カネがない……』
遂には新興国から借金をする羽目になってしまったのです。トホホ…

世界の警察やりまーす!


世界大戦終戦後、島国の帝国は疲弊しきっていました。
『島国の帝国さんよぉ、いつになったらカネ返すんで?』
『あぁ、新興国さん、もう少し、もう少しだけお待ちください…』
『そんなんで世界の治安を守れるのかい?』
『うぅぅ……』
『どうだい?提案なんだか、金の交換、ウチでやらせて貰えねぇか?おたくの今の現状じゃあ、無理だろ?』
『うぅぅぅ……』
『拒否出来ねぇだろ?よっしゃ!これからはウチの通貨のみ金と交換出来るって事で夜露死苦!』
こうして世界中の金が新興国に集まり、新興国は超大国へクラスチェンジを遂げました。
『ウチはこれから超大国として、世界の警察になります!紛争・侵略等きな臭いトコには容赦なく介入するからそのつもりで!』
そう言った超大国は、その後起きた2度目の世界大戦もほぼ無傷で収め、世界にその実力を見せつけたのでした。

次回、
ちょっ!おま!それ卑怯!


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