2022年8月30日ウクライナ軍によるヘルソン周辺での反攻が始まった
1ヶ月ぐらい前から報道されていたウクライナ軍によるヘルソン周辺での反攻が始まった。
この話が出たときにはロシア軍が東部戦線から戦力を急派し、反攻は延期された。その後、ザポリージャ原発やクリミア半島での破壊工作やHIRARS/MLRSなどによる長距離攻撃が続き、ロシア軍の攻撃・防御も低調で、戦争は膠着状態となっていた。英米から出てくる情報も、ウクライナ軍は戦力不十分で反攻が滞っているという話だった。
しかし、反攻は開始された。
英米の情報は、ロシア軍を欺くためのフェイクニュースだったか?
それとも、ウクライナ軍は攻めるなら今しかないと攻勢に出たか?
11月が分水嶺か?
これから冬季になり、EU諸国の天然ガス逼迫が懸念されている(ドイツは年越しの備蓄を終えつつあるようなニュースも見たが)。ロシアからの天然ガスパイプラインからの供給が西側・ロシア双方の理由で絞られつつあるからだ。
国民生活が困窮してくると、ウクライナ支援の勢いが落ちてくる。
反ロシアの頭目アメリカはどうだろうか?
ウクライナ支援を強力に推進しているのは、バイデン大統領の民主党もしくはその後ろにいるネオコン勢力と言われる。
アメリカは今秋11月に中間選挙を控えている。民主党は共和党に下院の過半数を奪われると予想されている。また、共和党もネオコンの代表格リズ・チェイニーが中間選挙の予備選で敗退した。
この状況では、アメリカも冬になるとウクライナ支援の勢いが落ちてくるかもしれない。
つまり、11月になるとロシアがさらに有利になるかもしれないということだ。まさに分水嶺。
ロシア軍は兵力が逼迫していると言われる。大規模演習ボストークのために極東に兵力を割いている。
となると、ウクライナにはとっては今が絶好のチャンスかも知れない。西側の支援を引き出すためにも成果が必要だ。
しかし、危険もある
危険もある。西側で訓練中の部隊はまだ現地に到着していない。反攻の中心は、東部戦線から引き抜いてきた正規軍の生き残りと、促成栽培の市民兵たちだろう。
ヘルソン周辺の広域で反攻に出るのはいいが、部分的に突出し補給線が伸び切ったりすれば、逆に包囲殲滅される危険も増す。
ヘルソンを奪取できたとして、天然の要害であるドニエプル川の対岸から、砲撃を受け続けた場合、歩兵中心のウクライナ陸軍は耐えられるのだろうか?
一か八かの掛けではないことを祈る
今回の反攻はゼレンスキー大統領の号令のもと行われている。現場の状況とは関係なく、政治的判断で開始されている。
失敗すれば、ウクライナ軍は甚大な被害を受け、支援国や国民への影響も大きい。一か八かの掛けではないことを祈る。
日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。