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ウクライナ戦争は「ロシア軍」にとっては想定した通りに進捗しているのかもしれない(プーチンの期待とは別に)

チャンネルくららでの陸海空の元司令官達による鼎談がウクライナ戦争の分析として興味深かった。

陸の戦い

 小川元陸将によると、ロシア軍はその戦闘ドクトリン通りに動いているようにみえるとのことだった。初期の進軍速度(1日平均15キロ)も第二次大戦のドイツ軍の侵攻速度(1日平均15から20キロ)と同じオーダーなので順当らしい。ロシア軍の作戦計画は知られておらず「2日でキエフを落とすつもりだった」という言説は推測に過ぎないということだ。

  侵攻の方針は次の2つに分かれるだろうとのこと。

  1. 南部・東部における侵攻は、独立させたい地域をバッファゾーン含めて占領することが目的の戦いで、高コスト・低リスク。目的が明確ではあるが抵抗も激しく消耗戦になる。具体的には、ドンバスや黒海沿岸から200キロほど内側までの占領を目指す。

  2. キエフ周辺、ウクライナ北部の戦いはゼレンスキー政権の屈服を目的した戦いで、低コスト・高リスク。目的・目標が曖昧で難しい。現場近くでの指揮が必要で、将官に多大な犠牲が出る。

 概ね小川元陸将の想定どおりに動いているように見えるそうだ。

空の戦い

 ロシアは航空優勢ではあるが制空権は握れていない。小野田元空将は、これはポーランド上空からのAWACSによる支援があるという分析をされていた。西側の間接的な軍事支援はかなり有効なようだ。

戦争の経済的側面

 ウクライナとしてはロシアの戦費が尽きるまで持久戦を戦うのが上策かもしれない。アベマニュースでの経済安全保障専門家 鈴木一人さんの話によれば、金融経済制裁によりロシアは戦費を調達できなくなり戦争が継続できなくなるという。

 一方で、中国からは大量の支援物資がロシアに送られているという。見返りはなんだろうか?石油・天然ガス資源の安価な提供が真っ先に思いつくが、シベリアからのパイプラインが貧弱ですぐには実現しそうもない。サハリンの石油・天然ガス資源開発の独占契約?

  他の取引材料としては、国連でのロシア擁護、ドル経済圏の破壊や人民元経済圏構築の支援、ユーラシアの資源独占、台湾・日本侵略時の協調行動、などなどが考えられる。

謎は深まる。

日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。