小型原子炉の可能性
とにかく安価で大量の電力が必要な時代が来ています。
人類社会とその生存圏はますます膨張し、それを受けて宇宙開発の新たなステージが始まろうとしています。それは、スペースXの火星植民計画や中国の月面基地建設計画として現れています。
人間の生存圏・経済圏が宇宙にまで拡がった時、地球環境の保全と人類の経済発展が両立できる時代がきます。SiFiの世界が現実のものとなるのです。
しかし、新たな宇宙開発競争は始まったばかりで、さらなる科学技術の発展が必要です。そして、それには大量で安価な電力が必要となるでしょう。
以前、「宇宙太陽光発電の可能性」と題してnote記事を書いてみましたが、そもそも宇宙に出ていくためには様々なものを製造しなければなりません(輸送機など)。これにも大量で安価な電力が必要です。
化石燃料でもよいのですが、原発には大きく劣ります。
同じ100万キロワットの発電所を1年間運転するのに、
ウランなら21トン、
天然ガスだと950,000トン。
ざっと4万5千倍の差です。10の4乗倍のオーダー・・・。
我々IT屋さんだと、「ディスクとメモリの性能差は10の6乗倍(転送速度ではない)」という話をして、使い分けを考えます。10の4乗倍という差については、別のものと考えて使い分けを考えたくなります。
もちろん発電システムとして考えるとコスパが拮抗してきてしまうのですが、効率アップのポテンシャルは原発が圧倒的に高いと言えます。技術開発による改善余地が大いにあります。
また、遠く中東から化石燃料を輸送しなければならない日本にとって、原子力発電はエネルギー安全保障の面でも魅力的です。
原子力の改善
トリウム溶融塩炉なるものがあるようです。私が下記の本 古川『原発安全革命』2011 を読んだのは東日本震災直後でした。日本人が、利権や国際的な政治劇に惑わされずに、この「小型で安全」な新型原発の開発を続けられていれば、と本当に残念な気持ちでした。
あの人も目をつけている小型原子炉
ワクチンビジネスにも投資をしていたあの人(まぁ、ビル・ゲイツのことですが)は、小型原子炉に積極投資していることでも有名でした。都市部近くでも安心して使える小型原子炉は大規模な配電設備を必要とせず分散型の電源としてぴったりです。人類が大規模に宇宙に羽ばたくまでの過渡期だけでも使えないものでしょうか?
理系人間も政治力をもつべき
なんでも交渉や政治で片付けようとしてしまう人たちだけにまかせておくと、世の中は良くなりません。人類が繁栄してきたのは技術によるところが大きいはずです。技術は人間の一部、人間の機能・能力そのものです。技術の担い手である理系人間は、面倒な政治にも積極果敢に切り込み、世の中を知恵と工夫でより良くしていくことに時間を割きましょう。
西堀榮三郎『技士道 十五ヶ条』
最後に、第一次南極観測越冬隊長であり統計的品質管理を普及させたことで有名な、西堀榮三郎博士の技士道十五ヶ条の最後の一文をかかげたいと思います。理系人間にはまだまだやることがたくさんあるはずです。
十五 技術に携わる者は、勇気をもち、常に新しい技術の開発に精進する。
ちなみに西堀博士は、雪山讃歌「雪よ、岩よ、我らが宿り♫」の作詞でも有名です。
日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。