しあわせの痛み
目が痛い。肩が痛い。頭が痛い。
本の読み過ぎだ。
金曜日は朝から、今夜は何の本を読もうかとわくわくしている。
そうして金曜日の夜から読書のゴールデンタイムが始まって、日曜日の夜には肩凝りからくる吐き気でぐったりしてしまう。
熱めのお風呂と蒸気の温熱シートとあずきのチカラとバファリンを総動員して、何とか月曜日に備える。
痛い。でも充実した時間を過ごせた。
本屋さんにもめぐりズムやホットアイマスクを置いてくれればいいのに。
今日は本をまとめ買いしてきた。
まだまだ気が緩まないように、本屋へは週に一回まで、滞在は二十分までと自己ルールを設けている。
緊急事態宣言解除なら古本屋さんにいつ行けるかな、と真っ先に思ってしまった自分を律するためにもだ。
昨夜のうちに読みたい本をピックアップして、紀伊國屋ウェブで在庫の有無と棚番まで確認して準備万端。
一階から二階へ小走りで、何とか時間内にすべて買えた。
海外文学を読みたい気分なので、今回は新潮社クレスト・ブックスを中心に購入。
ハードカバー六冊と文庫本一冊、あと漫画も一冊。
お、重い。いま重さを量ってみたら、2.5キロ。
レジのお姉さんが「無料で配達できますが」と申し出てくれたにもかかわらず、このくらい…と断ってしまった。
ハードカバーは嵩張るのとお財布事情からあまり買わないが、やっぱりいいなぁと思う。
装丁、紙質、フォントや行間に、その本の世界観が詰め込まれている。
本づくりって素敵な仕事だ。
特にクレスト・ブックスは思わず手に取りたくなるような装丁が特徴。
「持ち重りしない軽くてしなやかな本」をコンセプトにしているそうで、ハードカバーといいつつ硬くなく、きれいにたわむので非常に読みやすい。
普通のハードカバーなら同量で2.5キロでは済まないと思う。
2.5キロでも持ち歩くには十分重いけれど。
完全ではない肩で、2.5キロ分の本を抱えてさらに日用品の買い物をした。
これは幸せの重み、幸せの痛み…と苦み走った薄ら笑いを浮かべつつ、明日からの生きる楽しみを背負って、電車に揺られる。
重い。幸せ。