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唐揚げ

急に電車で涙が止まらなくなった。
なんとか降りる直前に全てを拭き終えて改札を出る。

なんとなく目の前のコンビニに入って唐揚げを買った。
初めて食べた時に感動して、しばらく通うほど好きだったコンビニの唐揚げ。

あの時の感動は愚か、若干の胃もたれもして幸せはあまり感じられなかった。

油のこととか、すれ違う人のこととか、一緒に買ったミルクティーのこととか、そんなことを考えながら食べていたら、
いつの間にかさっきの涙は止まっていたし、詰まりに詰まって溢れ出た感じがしていた水分もすっきりしていた気がした。

幸せだなぁとは思わなかったけど、これくらいでいいのかもしれないな、と思った。

明日もどうにか仕事に行けそうだ。