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ナイジェリアチンパン、金を掘りに西海岸へ(外伝)

 アフリカのジャングルにいた頃のお話しです。

 太陽が眩しくていい目覚めでした。そこら辺で用をたしジャングルから出ました。そして、像の大群に出会いました。像はやはり背が高く大迫力です。アフリカ像はアジア像よりも大きく筋肉隆々です。
 そのアフリカ像たちは乾漆像です。軸となる骨格を作り、周りに肉付けをしていく。そして、表面を硬くしたら中身を取り除く。この作成方法では大きく、そして軽い像が出来上がります。
 アジア像は塑像です。中をくり抜きません。
ゆえに重たいですしそこまで大きなものは作れません。
 
 アフリカ像の大群に挨拶をしましたら、いい情報をいただきました。どうやらアフリカ西海岸に金が出るというのです。像たちはその金を掘り起こすために向かっているそうです。
 途中、険しい山を越え、カバやワニのお住まいの川を越え、ナイジェリアを越え、一部の像はモナコに行きいつの間にか地中海も超えてヨーロッパに行き着くそうです。

 金は大変高価な代物です。早速向かうことにしました。向かっている途中、大変なことに気が付きました。
その他の動物たちはスコップを持っているのです。
トラ、キリン、オオアリクイ、坂上田村麻呂、東漢値駒、などしっかりとスコップを背中にかついで歩いているのです。しかし、そのような状況は私だけではありませんでした。
 ニシチンパンジー、ボルネオオランウータン、マウンテンゴリラ、シロテテナガザルの類人猿をはじめ、アウストラロピテクス、サヘラントロプス、オロリンなど初期人類もスコップを持っていませんでした。


 なんやかんやでアフリカ西海岸へと着いてしまいました。すでにそこでは、金を掘り当てるため、様々な動物たちが地面を掘っていました。早い者勝ちとはこういう状況なんだなと感心しました。しかし、感心などしている暇がございません。
 一応、私の腕は器用に動きますがスコップに比べると、掘るという目的には遠く及びません。平爪ですし。
そんな中、スコップを大々的に売っている動物がおりました。お店の名前を見るとホモ・ネアンデルターレンシスと書いてあります。ご主人にスコップを売ってもらえるように頼みます。
 「もしもし、すみません。スコップを一つ買いたいのですが」
 ホモ・ネアンデルターレンシスはなかなか取り合ってくれません。どうやら先客のピテカントロプスがクレームをつけているのを対処するのに忙しい様子です。
 「だから、スコップの値段が高かいんだよ。なんで24,500円もするんだよ。あと、何で円なんだよ!」
 ネアンデルターレンシスは律儀に答えています。
「金を掘り当てればすぐにスコップ代は回収できますよ。初期費用はかかりますが、その後は貴方の努力次第で億万長者になれます。そう考えてばそんなに高くはありません。」
 ピテカントロプスは腑に落ちない様子でしたが、スコップを買って、地面を掘り始めました。

 私は疑問に思いました。なぜ、ホモ・ネアンデルターレンシスは自分のスコップで金を掘ろうとしないのかな、と。
 「もしもし、スコップを一つと質問をひとつしてもよろしいですか」
 どうぞと快諾してくれました。
私は現金を支払いスコップを手渡しで受け取りました。
 「質問だけど、ここでスコップを売ったほうがお金が手に入るからね」
 ふむふむ。お勉強になります。
 
 

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。