タイ在住話⑥

タイの有名な観光スポットといえば、パタヤ、プーケットなどがあります。私もこの観光地に行ったことがあります。海がきれいで食べ物が美味しい・・・・・・、などは全く覚えていません。パタヤ、プーケットに行ったということは、ある程度成長した後に両親から聞きました。

ひとつ強烈な記憶があります。目的地はどこかさっぱり分からないのですが、その移動手段が本当にやばかったのです。どうやばかったのかと言いますと、まずは軽トラックのような車の荷台に乗り、ガタガタ道を進みました。やっと終わったと思いましたら、次は船で移動です。しかもこの船も揺れます。当時は乗り物酔いがこの世にあるということを知りませんでしたので、乗り物酔いはしませんでした。バカは風邪をひかないというのはまんざら嘘ではないようです。(知らなければ脳がその症状に標準を合わせられないのです。現在は自由を奪われる空間が苦手ですので、とても進化したと思います。デリケートになりました笑。自由を奪われる空間に行くと気持ちが悪くなると脳が覚え込んでしまいましたので、症状が出てしまうのです。勝手な私の解釈ですので悪しからず。)

旅行は喜びをもたらしてくれますが、当時の私に幸福感を与えてくれていたのは、旅行よりもレゴブロックでした。レゴブロックはかなり好きでした。(現在も時々ナノブロックを買って作っています。最近ですとタイタニック号を完成させました。)そして最強の組み合わせがありました。それは何かと言いますと「レゴブロックを買ってもらった」そして「その日の就寝時間を延ばしてもらった」ということです。大好きなレゴブロックを作ることが出来る、さらに大人の時間空間に侵入することが出来るのです。この二刀流は子供の幸福感と侵入を許されない空間に入ったという高揚感をもたらしてくれました。子供の私は何とも単純です。ただ、何となく分かっていただけるのではないでしょうか。

シンガポールに旅行に行ったことがあります。マーライオンは意外と小さいと言われていますが、当時の私は私自身が小さかったのでマーライオンは大きく見えました。残念ながら大人になってから現地のマーライオンを見ていませんので、私の中のマーライオンはまだ大きいのです。その大きなマーライオンのそばにもマーライオンがいるのですが、こちらは小さいと感じました。このマーライオンは子供心をつかみました。なぜかと言いますと動物が組み合わさっているからです。またこのことに類似するのですが、異種生物が一緒にいるのはなぜでしょう、不思議な感覚になります。合体しているのもそうですが、例えばチンパンジーと犬が一緒にいるだけで心が和みます。異種間接触には不思議なパワーがあるのでしょうか。
このシンガポール旅行も旅行自体の詳細な記憶はありませんが、ひとつだけ鮮明なものがあります。それは、レゴブロックを買ってもらったということです。しまも普段だと滅多に買ってくれないお城でした。私は旅行をさっさと終わらせて早く帰りたいと思いました。旅行中は開封してはいけないルールを課されましたので、まるで護摩行でした。

お金をかけるのなら経験とよく言われていますが、当時の私(小学校低学年)にはさっぱり理解できない言葉だと思います。抽象論などないものと同じで、目に見える物が存在して、存在しているものにしか価値を見いだせませんでしたので致し方がないですね。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。