チンパンジー⑭(亜種)

チンパンジーには4つの亜種があります。亜種とは、細かく分けたら、という意味です。一般的に言うと種の下位区分ということです。チンパンジーの亜種を見てみましょう。括弧内は特徴です。

①チュウオウチンパンジー(道具の使用)
②ヒガシチンパンジー(野生で初めて生態の研究)
③ニシチンパンジー(日本の動物園にいるほとんどのチンパンジー)
④ナイジェリアチンパンジー(1997年、DNA分析により命名)

チンパンジーは4つの亜種に分かれていますが、遺伝的分化の程度は、ヒトの民族集団と同じ程度です。また亜種の定義には進化生物学において、様々な議論がありますので、3つほど紹介します。

①独立種へ分岐する途中の段階。
②解剖学的、遺伝的に独立した単位。
③無意味な種の下位区分。

さて、亜種についてですが、遺伝的分化の程度はヒトの民族集団と同じという事実を念頭に置きますと区別は科学的には無意味になります。また、ヒトの話ですが、ヒトゲノム内の化学物質の1%の約10分の1が個人によって違います。大差がないということです。このことを考えますと人種という区別は科学的に意味を成しません。しかし、細かく分けてそれぞれの亜種の理解に努めるという意味では、分類は非常に大事になってきます。考え方1つで立場がこんなにも違うのは面白いものです。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。