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映画「シェルコレクター」にみる監督の熱意。

どうも、スーパーで買ったお惣菜をチンすると、かならず容器がデロンデロンになってしまうシーズン野田です。 

ローソンは、労組の若者言葉だと思っていたシーズン野田でもあります。

私のお墓の前で泣かないでください、とどんだけ言われても、泣きたいほどの忙しさで、ついに体を壊してしまいました。

先日終わったとある仕事があまりにヘビーだったのです。

僕という世界の中心に、僕がやってきて「助けてください!」と叫んでいるのを見ているような、果てしない無気力に覆われていおります。

確実に小栗旬の方が忙しいのに、体を壊さない彼が憎いです。

しかも、突然の差し押さえにより、預金が0になりました。

僕の人生では、差し押さえと別れ話は、突然に、そして疲れている時にやってきます。

これでは暮らしていけないので再び借金生活を余儀なくされております。

心身あまりいい状況ではなく、文章にその片鱗が見え隠れするものも如何なものかとは思いますが、リハビリを兼ねて更新します。

今回のリハビリは、久しぶりに映画の感想です。

血を吐きながらの、ながら書きなので、うまくその面白さが伝わるのかが微妙なところではありますが、先日公開された

「シェルコレクター」

という映画について書きたいと思います。

綺麗な映像の中で、リリーフランキー氏のいい声が頭の奥で響く、気持ちのいい映画です。

久々の単独主演である、リリーフランキー演じるのは、貝ばかり集めるバージョンのファーブルで、多分コルシカ島ではないと思いますが、島に一人で住んでいる孤独を抱えた老人の貝類学者です。

彼は目が見えません。だからか、より聴覚を訴えるような声の響き方に感じるのかもしれません。

タイトルからもわかるように、貝をコレクトするのを生きがいにしています。

そこに出張鑑定団がやってきて、お宝の貝を査定してもらい、本人評価額との差にずっこける父に笑うしかない家族。。。

という話を期待していたのですが、全く違いました。

プリズンブレイクとか、ブレイキングバッドとか、矢島美容室THE MOVIEを期待して見る人は、ずっこける映画です。

しかし、そういった2分に1回問題が起こるような、条件反射的な作品ばかり見ている人にぜひ見てもらいたい作品でもあります。

リリーさんが舞台挨拶で、

「こういうカルト的な映画がもっとあったほうがいい、、おでん君よろしく」

と言っていた通り、映画がただのコンテンツになった今、こういったテンポ感で進んでいく映画は非常に貴重であるということです。

それも監督が、長年に渡りせこせこと制作費を集め、原作権を買い、役者に出演を直談判し、、、

というような熱意がなければ、なかなな成立しません。

つまりこれは、熱意を持てよ、というメッセージでもあるわけです。

とても静かな映画ですが、それが、作り手として受けたメッセージでもありました。

監督が、

「僕の自慰行為を手伝ってもらっているような、僕のペニスの周りをキャストがぐるぐる回っているような感じで。でも、いっしょにものを作っているような感覚があって面白かったです」

とおっしゃっていましたが、今時、誰もがバカになりたがらないのに、役者にチンポのまわりを走ってもらうという愚行をふりかざすことなどなかなかできません。

「‥でも、いっしょにものを作っているような感覚があって面白かったです」

の「でも、」が微妙に繋がってない気もしますが、そもそも人間には、愚行権が与えられているわけで、愚行することは当然の権利。つまり恥ずかしがることなどないわけです!


そのように、監督が情熱を持ってでしか成立しえない凄み内包されており、一見するとカルト的、アート的、アーツィーな作品でもあるのですが、眉をひそめるほど難しいのかといえば、むしろ単純明快な物語です。

一言で言うと「崖の上のポニョ」です。

ポニョを実写化する過程においてさまざまな工程をすっ飛ばすと、この作品になります。

冒頭の美しい海底のシーンにも、その名残が見え隠れします。

登場人物も象徴的で、現象的だし、最後に津波もおこって水浸し。

まぁ、ポニョと言われて余計にわけがわからんとか思われそうではありますが、お話自体はとても単純です。

ただ、理屈でみたり、楽しませてもらおうという態度で見たりすると、途端に混乱するので、一つの自然現象として触れてみるといいかもやしれません。

風に、雨に、雪に、混乱することはありませんので、今日はシェル日だと思えば、毛穴に映画が染み込んでいくでしょう。

混乱するのも映画体験ですけどね。

貝に耳を当てたら聞こえるような、そんな世界をぜひ体験してみてください。

ということで、全員みるべし!!

ゼンイン!

あ、あとセリフがいいですね。そこはポニョと違う。

あ、あと、寺島しのぶさんは冒頭しかでないけれど、その狂気が映画をずっとひきずっている気がして、やっぱりすごい女優さんだなぁ、思いました。


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