名人戦の投了図△5八銀以下を自力で読んでみる
名人戦終幕。
最終手△5八銀が詰将棋のように華麗なタダ捨てで、どう応じても最長25手詰なのを悟った斎藤挑戦者はここで潔く投了……。
――とのことですが、僕にはぜんっぜん詰み手順がわかんない。
このモヤモヤ感って、あれじゃん。「見た目は美しいけど、達筆すぎてなんて書いてあるか読めない」書道家の崩し字みたいじゃん。
てなわけで以下はソフトも盤も使わず、頭ん中だけで考えてみます。
さて金で取るか、玉で取るか二択ですが、読みやすそうなのは▲同玉かな。
これには△4六桂が好感触で、
①▲6九玉には△7八銀▲同玉△7六飛(図)
▲7七合△8八歩成▲6九玉△7八金で詰み。
また②▲4七玉も△3八銀▲5六玉(4六は△5四桂で飛金の並べ詰め)△6四桂▲6五玉△5四馬で詰みですね。
③▲4八玉も△2八飛~△3八飛成と追いまわして②と大同小異でしょう。
これで▲同玉の変化は証明終了。問題は▲同金のほうで、先手の1一馬がよく利いてるんだよねー……。
すぐに飛車の王手は安い合駒をされて効果が薄そうなので△7八銀▲同玉△8六桂と攻めの足がかりを作りましょうか。
以下▲8七玉は△9八桂成から簡単なので、▲6九玉の一手に△3九飛▲5九金△7八金▲5八玉△3八飛成で、
▲4八合は△4六桂、▲4八金も△6八金▲同玉△4八竜▲7七玉△6五桂▲6六玉△5七竜以下詰み!
――と、ここまで読み切るのに10分ちょいですか。連日の詰めチャレの効果が出ましたね。HAHAHA。でもまあ、念のためソフトで答えを確認して……。
△5八銀▲同金△7八銀のとき▲5九玉とかわして「不詰み」ですと???
これには△2六馬の覗きがぴったりと思ったんですが、そうか。▲4八香が逆王手なのを読み抜けていました。
だから、△5八銀▲同金にいきなり△7八銀と打つのではなく、△3九飛▲5九合を利かせてから△7八銀が正しい順序なんですね。やられたなー。
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