持続可能な航空燃料(SAF)

    この分野に興味を持ったきっかけ、車は水素エンジン頑張ってるトヨタですらEV(電気自動車)350万台生産するって発表したくらいだからエンジンからシフトしつつあるが、ジャンボジェット等旅客機はプロペラでモーターって訳には行かないと思ったから絶対需要がある!
    世界の航空機需要は2013年1万7740機から2032年は3万5000機に増える見通しの中で、地球温暖化を抑制するためにもCO2削減は必須だから新たな環境に優しいジェット燃料の開発は急務。
ここで動物や植物から作られるバイオ燃料が注目されている。
バイオ燃料は再生可能エネルギーと違って安定供給が可能。
でもCO2を排出しにくいって言っても2050年に地球人口が98億人になって全員食べさせていけるのか?って食料問題を優先解決しないと行けない中でトウモロコシの油は使いにくい。
そこで新たな候補になってるバイオジェット燃料は
・食用廃油
・藻類
・木質バイオマス
があげられる。

    まず、廃油については日本で一番先進的取り組みを行っている京都市で市バスが5%、ごみ収集車が100%廃油から精製される燃料で走っている。おおすごいじゃないかと思ったが、ごみ収集車は車両を新しくするタイミングでバイオ燃料5%へ大幅引き下げるらしい。
一番の理由は「揮発油等の品質の確保等に関する法律」でバイオ燃料5%までしかメーカー保証を受けれないかららしい。法改正が遅れている。
他にデメリットは食用油の回収・精製によって軽油に比べてコストが2~3割高くなる。バイオ燃料濃度100%の車はエンジンオイルの交換頻度も高くなるらしい。

    次に藻類、ユーグレナは鞭毛運動する動物的性質と光合成する植物的性質を併せ持つミドリムシをバイオディーゼルや、バイオジェット燃料として作ることに成功しており、2025年をめどに年間25万k㍑の製造能力を持つ商業プラントを建設する見通しだ。
これは今の125k㍑の2000倍。そして航空運営視点で見ると、ボーイング777の燃料タンクは170k㍑、ANAは1日1000便運航しているので、1日17万k㍑燃料を消費する。よって年間25万k㍑はANAを1.5日運営出来る能力なのでまだまだごくわずかな量だ。
    一方、航空エンジンメーカーのIHIはボツリオコッカスという藻類をジェット燃料にしている。こいつは生活排水等汚れた水中に好んで生息する。培養すれば1haあたり年間118トンのオイルが取れる計算。これはトウモロコシ0.2トン、アブラナ1.2トン、アブラヤシ6トンに比べて圧倒的に多い。他サイトで調べたら90トンで暖かい時期のみの培養になるから実質45トンとか情報も載ってた。IHIは温暖なタイで培養の研究してるみたい。ミドリムシが細胞の内側にオイルを貯蔵するのに比べてボツリオコッカスは体外にオイルの9割を貯蔵するのでオイルを採取してもボツリオコッカス自体はまだ生きており、増殖すれば複利の力を利用出来る。しかもオイル抽出後4日で再び同量のオイルを生成する。
    ボツリオコッカスを培養して2倍にするのに必要な時間(倍化時間)は3日以上(他サイトで25℃6日、高速増殖型ボツリオコッカスで2~3日の情報あり)とミドリムシの20時間に比べて結構遅い。
ボツリオコッカスが2倍になる間にミドリムシは8倍以上に増えている。
オイル貯蔵量はほとんどの藻類が乾燥重量の0.1%だが、ボツリオコッカスは60%(典型的には25~40%、86%の個体もある)、ミドリムシは40%(条件によっては50%)とボツリオコッカスの方が有利。
    オイルの質について、ジェット燃料で使用出来る炭化水素(オイル)の炭素数はC8~C16まで、ボツリオコッカスがC9~10くらいがメインで良質。ミドリムシはC14がメインで少し熱効率が劣るが、逆にこれはほぼ軽油に近いのでバイオディーゼルにはもってこい。
ちなみに国内運輸部門におけるCO2排出量は航空で5%と少なくほとんどが自家用車や陸運だ。ミドリムシはPH2.5~PH3.5の強酸性でも生きれるので、他生物を除去しやすい点もすごい。光合成能力も高く大気中の1000倍のCO2濃度でも元気に生きれる。火力発電所の排気ガスの中でも培養出来るらしい。
    ミドリムシは大昔から基礎研究が豊富なのでユーグレナは今商用プラントの建設にまでこぎつけているけど、IHIの商用化は2030年代らしいので、その点ユーグレナは有利。ちなみにユーグレナのバイオ燃料はまだ藻類が10%以下で残り90%以上はファミリーマートから出る食用廃油だ。そしてバイオ軽油で1000円/㍑、今普通の軽油は130円/㍑くらいだからどこまでコストを下げれるかが問題だ。

    最後は木質バイオマス、エタノールを作れることで有名だけど、エタノールは単位質量あたりの発熱量が小さいからジェット燃料には不適。そこで(フィッシャー・トロプシュ法)という水素と一酸化炭素を鉄やコバルトで触媒反応を起こして炭化水素を生成する技術を使う。(H2+CO→CHn+H2O)
これは廃材を小さく刻んでペレット状にして燃やし、ガス化、蒸留してジェット燃料、灯油、軽油、ワックスに分ける。オイルの内70%をジェット燃料に出来るのが魅力で培養の難しい藻類と違いプラントの巨大化も簡単。バイオマスの発熱量の37%をバイオ燃料にでき、オフガス(燃料には出来ないガス)を再利用すれば55%まで熱を回収可能。普通の車の熱効率が30%くらいで、+エンジンの排熱を暖房に使ったり、排気ガスをターボにしたり効率はUPさせてると思うけど55%は行かない気がするからこれはすごいんじゃないかな。
    2021年6/18に実験的に飛行機にこの燃料を供給したみたい。開発に関わった企業は4社。
・JERAが原料調達、プラント運転
・三菱パワーが原料をガス化
・東洋エンジニアリングが蒸留、サプ   ライチェーンを構築
・JAXAが評価試験
日本の国土は8割が森林で原料はいっぱいあるし、スケールアップも容易となると短期的には藻類よりこっちの方が有利な気もする。でも新たにCO2を吸収するわけではないから、最終的に炭素クレジットでCO2を売買出来るようになるとミドリムシが有利かもしれない。
正直木質バイオマスはどの会社の株を買ったらいいのかよくわかんないw
IHIも商用プラント建設のめどが立ってない。
ユーグレナは一番先進的だけどバイオ燃料の売上を大きく拡大出来るのは早くて10年以上先だと思う。
    自分は車とかバイクが好きだからエンジンが生き残って欲しいって応援の気持ちもあって調べて見たけど、結論ITのメタバースとかの方が現実的で利益成長も早いからそっちに投資した方がいいかもw
    もしなんちゃらショックでもきたら遊びで買ってもいいかなくらいw
テキトーなまとめで読みにくい文章なのに読んでくれて皆さんありがとーございました。
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