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ネタバレありクリア感想『プレイグテイル-レクイエム-』09/25

  一年前に発売日でゲームパス入りだったけど半年後にやっと日本語対応してくれた狂気のプレイグテイルをようやくクリアです。そろそろゲームパスから卒業される頃合でもあと思うので、まだ未プレイあるいは途中で止まってる人への喚起とともに軽くストーリーのネタバレあり感想を記したい。一切🐀の話はしないから、ご安心ください(ン?

前作もそうですが
動物描写へのこだわりが凄まじい

『プレイグテイル-レクイエム-』は2019年に発売されたアクションアドベンチャー『プレイグテイル-イノセンス-』の続編。前作に引き続き、日本国内では某プラットフォームと独占契約を結んでいるオーイズミアミュージオが日本語ローカライズを担当しており、発売当初に他機種とPC版から日本語字幕をパッチで削除する暴挙でも話題となったシリーズ。因みにゲームのパブリッシャーはFocus Entertainment。ここから発行されるゲームは例外あるものの、例えば『Atomic Heart』、ほとんどのタイトルは日本語未対応かつ某特定のプラットフォームと独占契約の為、そのプラットフォームでのパッケージ版がリリース時のみ、合わせて他プラットフォーム版の日本語を対応させる仕様となっている。

  前作同様、今作もデ・ルーン家の姉弟2人が主人公のお話。前作では姉のアミシアが弟ユーゴの力を利用したがる教会と異端審問官を潰してユーゴを救い出せたが結局弟の病気については進展がなく母親と彼女の弟子となる錬金術師見習いのルカと一緒に教団の助けを求めるべく旅に出たところで終了。今作では新たな街で新生活を迎えた一家が教団のお偉いさんを探す場面から始まる。順風満帆な生活が続くはずもなく、すぐさまアミシアが教団の治療はユーゴにとって虐待だと考え母親と意見が分かれる。同時にユーゴは不思議な夢から魔法のような治療法がどこかの島に存在するとアミシアに知らせる。ひょんなことからアミシアがまたにしても過剰な正当防衛で殺人を犯し一家が再び追われる身へ。ユーゴの力によって疫病が新しい街でも蔓延していると判明した為、姉弟は母親とルカを離れて新キャラのアルノー(どう見てもラスアスのビル)とソフィア(どう見てもラスアスのテス)と一緒にユーゴの夢に出た島を探しに出航する。島は一見平和で天国のような所だが、領主の伯爵が戦争中にアルノーと何らかのいざこざがあった為に争いになってアルノーを投獄。伯爵夫人が妙に姉弟2人を歓迎し家に招く。島で色々と探検して文献を探し求めた結果、治療法はなく島と教団の人体実験こそ疫病発生の源と判明。疫病の巣から脱出する時にお約束のようにあちこちが崩壊し災厄を野に放したせいで島全体が崩壊し始める。ユーゴは自分たちのわがままのせいで事態がどんどん悪化していくことに絶望する。そんな中、伯爵夫婦がカルト全開して何故か子供らの位置がGPSのようにわかるみたいに訪ねてきたアミシアたちの母親を殺害し、ユーゴを自分の子供として世界の神に育てよと動き出す。ユーゴが肉親の死を目にしてさらに絶望し自分の中に宿る人柱力に全てを任せ自分自身を無くそうとする。全てが遅れと覚悟するアミシアが疫病の中心にユーゴと会い、彼の最後の頼みを聞く。終わり

 どうですかこのあらすじは。終わったあとにこの"レクイエム"のゲームタイトルを振り返るとネタバレやないかいってツッコミしたくなる。前作がとても好きだった身として今作を終えたあとは虚しさしかなかった。こんだけ苦労して、長い道のりをひたすら走り回って15歳そこそこの少女少年たちにいっぱい殺させて傷つけて最後に待ってるのは絶望とも言えない虚無しかないなんて。映像作品ならまだ別の表現方法はあったかもしれないけどゲームではそうはいかない。またしても前作を全否定するような続編となっている。何十時間をプレイして難関を突破し収集要素を集め、ステルスにするか戦闘にフォーカスにするか選択するゲームシステムであるにもかかわらずシナリオ的にお前がやっていることは何もかも無駄だと烙印を押される感じが最悪です。島の探索では教団の文献によると教団はアミシア達が想像していたよりも遥かに大きくてゲームの舞台以外にデンマークとか欧州各地はたまたアジアまでも勢力がありユーゴのような実験体が幾らでもいる。即ち今作は続編展開の為の捨て石に他ならない。アサクリみたいな展開が視野に入れているでしょうけどなんとも興ざめな話。

 キャラクターの面でも今作が特に酷い。登場人物のほとんどがどういう理由で動いてるのかさっぱり分からない。アミシアの母親は前作でも早々に消えて、プレイヤーの感情を煽る為だけのキャラクターかと思ったら、後半は奇跡的に難を逃れ強い女性キャラを演じてきたが今作では全く見所もなく意味も分からないまま殺される。敵役のマイロだったり伯爵だったり、どれも全く感情移入できず行動理念とか何がしたいのかまるで分からないキャラばかり。ヒロイン役のルカごとルーカス、半分以上のゲーム時間に登場しない上に何故か最後の難しい場面ではあっさり仕事をこなしてまた消える。主人公のアミシアに関してもまるで桐生ちゃんみたいなタフさ。ボロボロに殴られ、肩が外れて剣に3回斬られた後に腹部に矢で貫通、海に落ちて溺れてどういう理屈か目的地に到着出来た上に起き上がったらめっちゃ元気で何人も兵士を殺しまくる意味不明さ。

狂気の一枚 (カメラモード楽しい)

 アミシアが行く先先で開かないドアに阻まれるのにユーゴのいるところに兵士もいなければロックもかけてない。そのために伯爵夫人の犯行があっさり見られて計画を立つ前にも潰された始末。前作ではちゃんとユーゴ専用のステルスパートもあったのに。この続編のシナリオの杜撰さがいかに目立つか物語っている。

 総じてこのゲームはお母さんが子供の話を聞かない、姉がブラコンすぎて弟の話を聞かない、悪役たちは誰の話も聞かない、誰もアミシアの話を聞かない…そしてプレイヤーは一体誰に話せばいいか分からないそんなゲームでした。

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