つめかえ用がでます。
ニコットマム洗剤シリーズを発売したときから、「つめかえ用」を出したい、というのが願いの一つでもありました。
発売から約2年半。ようやく念願かなってつめかえ用が発売できるはこびとなりました(11月初旬予定)。
「つめかえ」でよく思い出すのが、30年以上前の母親とのこんなやりとり。
小学生だった1980年代、母親がお風呂でシャンプーボトルを見ながら、こんなことを言っていました。
「こういうボトルも使い捨てるのは環境に悪いんだけど、つめかえ用を作ると、ボトルを作っている会社が潰れるから作らないんだってさ。」
まだ親の言うことは絶対と思っていたほほえましい時代なので、「なんと大人の世界は自分都合で身勝手なんだ」、と幼いながら憤りを感じた記憶があります。
その後数年して、つめかえ用がどんどん出てきたので、母親がため息まじりに言っていたことはなんだったのか?と思いましたが、母親の持論とも思えないので、つめかえがなかった時代は、本当にそんなことが言われていたのかもしれません。
30年の時を経て、「つめかえないの?」とつめかえ がないことを責められる(?)時代になり、今となってはコンビニでさえ見かけるこのパウチタイプのつめかえ用。
「同じ洗剤をボトルに充填するか、パウチに充填するかのちがいでしょう?」と思うところですが、中身の洗剤が影響しない素材を選んだり、うまくつめかえられる注ぎ口を検討したり、と「単に充填容器を変えれば」よいわけでないのが、つめかえ用です。
しかも、弊社ではこれまで「つけかえタイプ(カビ取り洗剤のように、ボトル部分だけつけ替える)」は発売したことがあるのですが、パウチの「つめかえタイプ」はこれが初めてであり、初めてには困難がつきものです。
とりわけ、「つめかえ用を出すなら、つめかえやすい注ぎ口にしたい」ということにはこだわったので、注ぎ口は開発担当者が「オリジナル型」を試行錯誤して作りました。
パウチ袋の注ぎ口デザインは、パウチ袋の生産メーカーが持っている「既製型」のほかに、各社洗剤メーカーの「オリジナル型」があります。
これまで、そんなことを考えもせずにつめかえていましたが、今回改めて各社洗剤メーカーさんのつめかえ洗剤を見てみると「小さなことまでよく考えられているんだなあ」と感心させられるものがたくさんありました。
ただ、それでも私にはなぜか毎回失敗する「イライラするつめかえ用洗剤」がありました。
一見注ぎやすい工夫がなされている「オリジナル型」のパウチ袋なのに、つめかえるときに、いつも洗剤が「ピュー」っとボトルを飛び越えて出て行ってしまう・・・。毎回「あ〜何十円かこぼれた」と思いながらつめかえていたのですが、失敗の理由はパウチ袋のデザインではなく、わたしの「つめかえ方」が間違っていたからでした。
裏面にメーカーが推奨している「つめかえ方」通りに行ったところ、1滴もこぼさずつめかえることができました。
普段使いの洗剤ほど、改めて使い方の説明は読まないし、直感でつめかえてしまう方のほうが多いのではないでしょうか。
けれど、やっぱり自分のために「説明書きは読んだほうがいい」と反省した出来事でした。
つめかえ用というのは、プラスチックボトルを捨てるより「廃棄プラの量が少ない」というだけで、環境に負荷を与ないわけではありません。最近では、まだまだ一部ですが「つめかえパウチ」をリサイクルする試みも始まっているようです。私の住む自治体では、汚れているプラゴミは可燃ゴミで出すことになっていますが、当たり前ではなかった「つめかえ」が今ではあって当たり前になっているように、つめかえパウチのリサイクルも当たり前の流れになる日が、遠くない未来にあるといいなと感じました。
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