見出し画像

3/12(日) まちづくり自主学校 第1部 福田和子さん『なんでないの? 心と身体の自己決定とは』 第2部 犬てつ『てつがく対話 はずかしいって何?』

犬山まちづくり自主学校。2022年度最後の締めくくりに、第1部では講師に「#なんでないの」プロジェクトの福田和子さんをお迎えし、『なんでないの? 心と身体の自己決定とは』を開催しました。
20名の募集で開始したところ、40名近くの応募がありました(そのうち中学生がなんと8名)。

福田さんがスウェーデンに留学した体験から、日本には何がないと感じたのかを、具体的な例を元に説明してくれました。
①成長の段階に応じた包括的性教育(知識ー態度ースキルをセットで教える)
②避妊への多様で気軽なアクセス
③人工妊娠中絶の薬や安全な手法
④ケアへのアクセス。すべての若者が当然の権利として無料で訪れることができる場所としてのYouth Clinic。

そしてこれらが日本にはなんでないんだろうということを歴史を振り返って考えてみて、なんでないの?をあって当然に変えていくために福田さんがやってきたアクションについての紹介も。

スウェーデンの例と比べて、いかに日本の実情は選択肢が少なく、時代遅れのものが多いかについて、参加者の皆さんも知らなかった、驚いたという意見が続出。そして、アンケートでも、子どもたちにも小さい頃から当たり前に包括的性教育(対人関係の理解から始まる)が受けられたら良いのにといった感想や、こうした知識が得られる講座をもっと受けたいといった感想が聞かれました。

こうした情報にアクセスしづらいのはどうしてなんでしょう? 
そこには意思決定の場において、ジェンダーの偏りがあるということにも大きな一因があるはずです。なんでないの?変わってほしいと思うことがあれば、変化は自分たちの手でつかみ取っていくものでもある。どうやったら自分や大切な人の心も身体も大切にできるような社会を作っていくことができるのかについての大事なヒントもいただきました。

さらにアンケートの中ではこんな質問も上がっていました。
国連ではHeForSheのムーブメントなど、すべてのジェンダーを対象にしたアクションがあるのに対し、日本ではSheForSheの女性ばかりのアクションになりがちだけれど、どうやって男性も含めた幅広い対象にアプローチしていけばいいんだろう。
それに対して、福田さんからはこんなコメントをいただきました。
「探してみると男性でも声を上げようとしている方はいらして、確かに似た課題に直面している人が多い状況です。でも、自分で発信を始めてみたりすると、案外似た人と繋がれるのが現代の強みかなと思うので、勇気を出してできるところから声をあげてみて欲しいです!」

はじめは孤独で勇気のいることかもしれませんが、まずは声をあげてみること。それを続けるときっと仲間は見つかっていくに違いありません。声を届けることの大事さが改めて実感されます。

最後に福田さんからあげていただいた、包括的性教育やSRHRの日本の歴史に関心のある方向けの参考図書をいくつか。
実践 包括的性教育』『中絶がわかる本』『新版 中絶と避妊の政治学 戦後日本のリプロダクション政策』『女のからだ フェミニズム以後

他にも福田さん監修の、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づいて作られた、スマホで読める性の教科書Sexologyは必見です。
知ろう、話そう、性のモヤモヤのセイシルなど、思春期の子供達にも気軽にアクセスしやすく、わかりやすいサイトもあります。
後日、みんなの社会部でもお役立ち情報などまとめてアップできればと思いますので、またチェックしてみてくださいね。

講師の福田さん、参加いただいた皆様、ありがとうございました!


そして、第2部は対面での哲学対話(進行 犬てつ)です。
テーマは「恥ずかしいって何?」
ゲストとして「あったらいいな」WSで講師をつとめられた大島もえさんにも参加いただき、小学4年生から大人まで、スタッフも中に入り、総勢17人での対話となりました。

大島もえさんが持参してくれた参考図書がたくさん

恥ずかしいと思った経験にはどんなことがある?というところから始まって、どうしたら「恥ずかしい」という考えが発動するんだろうということを考えたところこんな意見が。

・人に「見られている」という意識
・人に見られてなくても自分の「理想」「当たり前」「正しさ」と違うとき
・人からの評価が下がりそうに思えるとき
・自分で責任を取りきれないとき

そして、恥ずかしさは「突然やってきてどんどん恥ずかしくなる」という話が出てきて、もしかして初めは「緊張」から生まれてる?という新しい視点も。

年をとってだんだん経験が増えてくると昔恥ずかしかったことも恥ずかしくなくなってくるというところから、だんだんと自分の中の正しさ、OKゾーンが広がってくる。恥ずかしさを経験することによって成長するというポジティブな意見も出てきました。
でも、いつまで経っても思い出しても恥ずかしいって経験、みんなきっとそれぞれに持ってますよね。それってどうしていつまでも恥ずかしいんだろう? 

性の話もその一つ。やっぱりそもそもあまり口に出して話す機会がないからなの? 慣れると恥ずかしくなくなるのかな?
といった話も出てきて時間切れとなりました。

知識を共有すること。それについて考え、話す場があること、大事ですよね。
みんなの社会部ではそうした機会をこれからも設けていければと思います。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

(みんなの社会部 ミナタニアキ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?