不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語23「オヤジが口にした亀甲水の威力はいかに？」

オレの名前は千両箱のせん吉
今はせんきっつぁんと呼ばれている

この前、不思議な水「亀甲水」の話しをしたが、それを人間が飲むとどうなるのか知りたいだろ？

飲んだ人間はたった一人だけ
それはめし屋のオヤジだ

オヤジは、それを亀甲水だと知らずに
一口飲んじまったわけだが
その時変化は分からなかった

暫く経った時だった
その日はすごく暑かったから
オヤジは汗をかいたシャツを着替えていたんだ

えー！オレは絶叫した

オヤジの背中に小さな羽が生えてるじゃねぇか！

おいオヤジ！羽が生えてるぞ
気づいてるか！
オレは精一杯叫んでみたが
声は届かない

その羽は、日に日に大きくなり
オヤジの背中の真ん中で
結構な存在になっていたが
オヤジは気づいていないようだった

そんなある日、近くで祭りがあり
太鼓や笛の音が聞こえてきた

すると仕込みをしていたオヤジの体が
ちょっと浮き上がったんだ
その時のオヤジの驚きようと言ったら

その時初めてオヤジは背中にはりつくように生えていた羽に気づき
その羽は、楽しそうな音に反応する事が
わかったんだ

最初はビックリしたオヤジだったが
いきなり裸になったかと思ったら
羽を広げてふわりと店の天井近くまで舞い上がった

なんだオヤジ、結構楽しんでるじゃねぇか。

オヤジはオレを上から見ながら笑って言ったんだ

「いいものを授けてもらったから、大事にするか。この羽を使っていい事を思いついた！」と言ったんだ

オヤジのいい事はまた今度な