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不思議✨骨董招き猫せんきっつぁん物語20「化け狐母さんの好物」

オレの名前は千両箱のせん吉
今はせんきっつぁんとよばれている

みどり子の化狐母さんの話しをちょっとしたくなった。

その化け狐にはオレも会った事があって、一体幾つなんだ?というぐらい若いし綺麗だし、肌の色が透き通るように美しかった。
たまにオヤジの店にメシを食いに来ていて、狐は油揚げが好きだと思い込んでいたがそりゃ間違いだった。

化け狐母さんが好きだったのは、
なんと!オヤジのカレーライス

オヤジがカレーライスを作るのは、肉が手に入った時だけで、
オヤジのカレーには肉がたくさん入っていた。

化け狐母さんは肉が大好きで、カレーライスの匂いも好きだったんだ。

そしてカレーライスを食べ始めると急に鼻だけ狐みたいになるから、
手で鼻を隠しながら食っている姿を見て
オレは可笑しくて仕方がなかった。

ある日、化け狐母さんの隣に座っていた年寄りが鼻に気づき、ビックリ仰天‼️
急に騒ぎ始めたんだ

「なんだお前のその鼻!」
と言われた時の
化け狐母さんのセリフは今思い出しても気持ちいい

「ここのカレーライスは鼻が変化するほど美味しいって事ですわ。
あなたの鼻もヒクヒクと横に広がって大きくなっているじゃありませんか。
私の鼻はちょっと高くなって形が少し変わっただけですから、あなたと同じですよね。
そんな事は騒ぐような事じゃありません。
ホホホ」と言って静かに笑ったんだ。

あなたと同じって😅同じじゃないけど、オレは心の中で拍手喝采

そんな騒ぎの後、オヤジのカレーライスは
さらに人気になったんだ

「摩訶不思議なカレーライスの日」
オヤジがカレーライスを作る日の貼り紙には、そう書かれていて、店の前は行列ができていた

オヤジのカレーライスをオレは食った事がないが、きっと美味しかったんだろうなぁ。

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