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立ち尽くす

何をどうしていいのか本当に分からなくなって道に立ち尽くしてしまう時がある。特に多いのは夜仕事が終わって家に帰る前にご飯を食べなければ、というとき(ご飯を食べたい、ではなく食べなければという状態なのがミソ)

コンビニに入ると、ちょうど夜の時間の品物補充をやっててお弁当が見えず、牛丼屋の前を通りがかれば、入り口近くに座っている先客の目線がこちらに向いているのが疎ましく、ちょっと離れた別のコンビニにと思って少し歩いてみるものの、中途半端に歩いたところで家との距離に足萎えて、踵を返してマックへ行けば、日付も変わる頃だというのに列を成している人の群れに怖気が立ち、もうどうしていいかわからなくなる。

あちらこちらを行ったり来たりしている時の寄る辺なさ、目的があってそこに向かって歩いて行ける人たちは本当にすごいなと惨めな気持ちになり、結局食べたくもないのにそばをかっ喰らって足早に家に帰る。煙草に火をつけてやっと安心する。

日常、生活をきちんとできる人間の顔をして生きていてもこういうときにメッキが剥がれてしまって、呼吸の仕方すらなんだかぎこちない気がしてきて、ああ、今なんだかダメな状態なんだなとやっと気付く。みんなどうやって毎日をやり過ごしているのか。無為が愛しくなる。けれどそちらに行ってしまったら、本当にもう二度と立ち直れない気がして、踏ん張るしかねえんだなあ。

要領がとことん悪くなっているから、行きたい場所にも会いたい人にもやりたいことすら満足に出来ない。少しずつ色んなことを取り戻していかなくてはいけない。

大丈夫、まだやれる。



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