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最近知り合いになった人と打ち合わせを兼ねて、ボスも合わせて3人でご飯を食べに行って、1軒目はとても楽しかったんだけど、2軒目に行ったバーでクソみたいな気持ちになってしまった。

他人がやっていることをきちんと認めなければ自分がやっていることを見てもらうことなんてできないと心から思うのだけど、でも、1人の人間が全身全霊を注ぐものがそれでいいのか、みたいな気持ちになってしまうから良くない。そんなに簡単に他人をジャッジしてはいけないのだけど、何もかもが空疎に感じて寂しくなる。嫌いなものばかりだなと思う。

90万でナマケモノが買えて、70万でケツメカワウソが買えるんだってさ。クソだ。

帰り道2人になった後、ボスは普段あまり見せないような、楽しそうにも痛々しくも見えるような笑顔で「しょーもない」って繰り返してて、僕はそれがあの空間に対しての感想だとしたら、とても嬉しいと思ってしまう。

物欲と金と虚栄心と、そればかりが充満した空間で、僕はゼロになるしかなかった。

死んでしまった小さな娘のことを考えている。世界は一つじゃないのだなと思う。そのひとつひとつを抱きしめたくなったり燃やし尽くしてしまいたくなったりしながら、生きるしかない。

なんとなく部屋に戻りたくないし夏の夜の匂いがするから、家の近くの公園でぼんやりタバコを吸っている。耳元でアニーレノックスに歌ってもらって、大丈夫大丈夫、まだやれるって、自分を抱きしめる。

でも、わたしには自分の人生がある  
それは絶対に輝いたりしないけど
わたしにあるものは、わたしの人生だけ
わたしに残されているのは、このわたしの人生だけ

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