V界隈が私に与えた影響(ラップ、ポエトリーディング編)
私の音楽ジャンルに大きな影響を与えたぶぎぼこと「BOOGEY VOXX」が2023年の3/6に3周年(3回忌)を迎えると共に解散する事が決定し騒然となりました。
BOOGEY VOXXは私が大きな影響を受けた方の一組で、いずれはどこかのタイミングでこういうものを書き残しておきたいと思っていましたので、いい機会だと思い書くことにしました。
実施された解散ライブ配信では湿っぽい空気など1ミリ程度しか臭わせることなく、普段通りのMCや盛り上がり重視のセトリによって盛大に参列者を沸かせ、灰すら残さぬ勢いで燃やし尽くして幕を閉じるという盛大な締めくくりを行い、最後まで我々を魅せてくれました。
ライブは盛大な舞台演出による視覚的な派手さこそないものの、ただただ「自分達の音楽」という武器だけを持ってきて正面切ってぶつかってくるエネルギッシュさで巻き込んでいき、目を離せませんでした。
ちなみに裏番組(同じ時間に開始した配信)には『にじさんじ』所属の「周央サンゴ」さんが3Dライブ配信を行われていたという背景があったにも関わらず同接は開始前から4000人超え、その後も延び続け最終的には同接1万オーバーを記録、トレンドも日本総合で10位を獲得するといった完全個人勢としては異例中の異例という事態となり、V界隈に大きな爪痕を残す結果となりました。
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ここまで書いておきながら、この結果に至るまでに二人が行ってきた活動のノウハウや振り返りについてのアレコレは本題ではないので割愛。
ここからは、「なんでこんなのを書き残そうと思ったの?」という自分語りパートみたいなものなので、文章も上記以上に乱れていると思いますがご了承ください。
今まで自分が聞いてきた音楽ジャンルというものは何か?
自分は何か楽器をやっていたという側の人間でもなく(吹奏楽部に入っていた訳でもなく、けいおん!で巻き起こった楽器ブームにも乗らなかったレベル)、元々音楽に造詣が深いタイプの人間ではありませんでした。
聞いていた音楽ジャンルもアニソンやゲームの主題歌やBGM、声優さんの楽曲とサブカル一辺倒に染まりきって、それ以外のジャンルについては(J-POP含め)「流れていれば聞く」程度の感覚しかありませんでした。
そんな中でもラップ(やレゲエ)やポエトリーといったジャンルは、正直あまり好きではありませんでした。
それは何故か?
ラップやポエトリーは他のジャンルと違い『音楽に乗せて言葉を発している』というよりは、『音楽に合わせようとして無理やり言葉を発しようとしている』と感じてしまい、窮屈さを覚えたり「音楽の必要性」を微塵にも感じる事ができず理解しようとできなかったというのが一番の要因でした。
特に、音楽によくある「テーマ性」というものを、その楽曲や言葉の中に込められたものだけでは「薄い」と感じてしまい、(当時の自分の中では)その音楽に含まれていた「テーマ性」というものを大きく感じ取る事のできたアニソンやゲーソン等のサブカルに傾向していった(せいぜいポルノグラフィティを少々程度)、という状態でした。
そりゃアニソンやゲーソンって「アニメ」や「ゲーム」というメインとなるテーマやストーリーの基盤があり、それに合わせて「テーマ性」を落とし込み作られているからブレるなんて事はありませんし、その音楽だけではなく見たアニメやプレイしたゲームのストーリーといった、「実体験」も同時に脳内で合体させて聞いていたので、音楽以外の要素や思い出補正もモリモリの状態なんだから、そりゃ重く感じて当たり前ですわって。
そんな状態でしたので、音楽や歌詞の中「だけ」で一つのテーマを作り上げている音楽は味気ないと思ってしまい、忌避する状態にありました。
では何故そんなタイプの人間が、あまり好きではなかったラップを主軸に置いたBOOGEY VOXXなんかを?
これを語るにあたっても、ちょっと話題からずれるのでご了承ください。
生活していく内にアニメも段々見る本数が少なくなっていきゲームからも離れつつある中、とある切り抜きからV界隈に入ってきて間もなく、とある企画が行われました。
現『ホロライブ』所属の「AZKi」さんが主催となった『音楽を止めるな』。
これはVtuberやVsingerの音楽を24時間休憩を挟まずぶっ通しで流し続けるという今思うと頭おかしい企画が開催され、「とりあえずAZKiさんが携わってるし、暇だから」という理由で見に行く事にしました。
(この時、BOOGEY VOXXはデビュー時期との兼ね合いが取れず「音楽を止めるな」には参加してませんので悪しからず)
当時のAZKiさんもまだイノナカミュージック所属という状態でチャンネル登録者数も1万人程、V界隈事態も今ほどの活気もなく、一人5曲まで送ってもOKという条件でありながらも一周するのにかかる時間が10時間位という状態。
ですので全曲を2周と約4時間分を流して合計で24時間ぶっ通しすという方法が取られ、中には11回以上耳にする方もおりました。
多岐に渡るジャンルの音楽が流れていく中、『イラストがリアルタイムで動く、アニメやゲームの延長線上にある存在』だという考えが改まっていき、V界隈の大きさを感じ取りながら音楽ジャンルにも大きく影響された方が二人おりました。
一人は「渚乃奏」さん。
もう一人は「93poetry」さん。
二人の音楽ジャンルは「ポエトリーディング(渚乃奏さんはポエトリーディングの中でもポエムコアというジャンル)」という、私が上記で上げたあまり好きではなかったジャンルのド真ん中を突いてきた存在でした。
最初こそ「なんだこれ」状態で好きになれそうになかったにも関わらず何故か目を逸らすことが出来ず、2週目、3週目と流れていく中で「悪くないな」と認識が変わっていくのが分かりました。
アニメやゲーム、ネームドといった『外的要素』による付加価値が取り払われた状態だからこそ、フラットな価値観で、その曲の中にあるものだけで聞くことができたのが大きな要因だったと思います。
それはまるで調味料コテコテで色濃く味付けされた料理とかそんなんじゃあなくて、グリルされただけで素材の味そのものを楽しむ料理を出されて一口食べた瞬間、素朴だけれども深い味わいに衝撃を受けたような気分。
殆どの人が誰で普段何をやってるのか何も分からない状態なのに、そんな中でも影響力の大きい楽曲を作れ歌える人が、この界隈にはこんなに数多くいるのかと、知らず知らずの内に作っていた音楽に対する壁や持ち合わせていた認識に対する蟠りが解けた様に感じました。
そして当時はキズナアイさん&にじホロ位しか知らなかった私にとって、個人勢企業勢問わず、V界隈に一気にのめり込むきっかけとなりました。
「ろい」さんの『カウントダウンVTV』や数多くのVtuber発掘企画、そしてBOOGEY VOXXと出会うきっかけとなった企画であり、「花奏かのん」さんが主催し開催された『Vおうちフェス』。
V楽曲の再生リストを作り始めたのもこの頃からで、当時はまだ界隈の広さを認識していなかったので、とりあえず今だ知らないVの方がいるから見てみたいという願望が大きくありました。
ポエトリーディングで音楽ジャンルに対する壁にヒビが入っている中「BOOGEY VOXX」という存在は大きく、強烈なインパクトの塊であった彼等から発せられる音楽は、それはもう何から何まで規格外で「こんな事をできる存在がいるのか」と鮮烈なパンチを食らった様でした。
「ラップ」に「ポエトリーディング」というあまり好きではなかったジャンルに打ちのめされてからは、自分の中で「音楽ジャンル」という認識の壁が崩壊し毛嫌いするという事がなくなりました。
音楽の「テーマ性」に対しても、音楽の外にある要素や付加価値を加味した上でではなく、音楽の中にあるものや込められたものをきちんと受け止めたり、『蟹亀』で出会った「チルアウト」を始めとした未知のジャンルを聞いた時も「こんな楽曲があるのか」と拒否から入らず受け入れる事ができる様になりました。
それだけ上記の方々が奏でた音楽や、今まで出会った方々、数多くの企画による影響が大きかったんじゃあないかと思います。
そして何より、私の音楽ジャンルに対する認識の壁をぶっ壊し、でかい背中とドでかい爪痕、バカでかいハードルを残してフルスロットルのまま駆け抜けていったバーチャルアンデッドには感謝しかありませんでした。
ありがとうございました、そして、ユニットとしての活動お疲れ様でした。
簡単にはなりますが、拙い文章をここまで読んで頂きありがとうございました。
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