![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31437532/rectangle_large_type_2_2f807ade7fe5d05ae5b83ff8d2e55386.png?width=800)
iZOTOPE RX 7を使いこなす
どうも~ MIX師やったりITのお仕事してたりユーチューブやったりブレブレのTwitterアカウントで活動中の、にっけるです。
今や誰もが身近な機材で音声を収録し、動画を公開できる時代になりました。 とても良い時代ですね! 個人の活動範囲がより広まったと言っていいでしょう。
動画編集や楽曲のMIXを行う人も増えてきましたね。 今やすべてがスマホでこなせます。
そんな楽しく活動しているある日、音声の取り扱いができるようになってくると、気になってきちゃうのが『ノイズ』です。
スマホで録音した音の後ろでエアコングワングワン言ってる……。とか、気になっちゃいますよね? 声だけの音にできたらなんて素敵でしょうか?
できます!!
そう!
RX 7ならね(キリッ)
今日は、ノイズを軽減させることのできる、RX 7の使い方を、実際の音声素材で聴きながら見ていきましょう~
iZOTOPE RX 7
今回使用するのは、iZotopeさんの RX 7 Standard です。
オーディオ修復ソフトというジャンルのソフトで、単体で利用することも、DAW等の楽曲制作ソフト内でも利用できるプラグイン(※一部)があり、今やノイズ処理界隈では業界標準のソフトウェアです。
サンプル音声
今回は、にっけるがディレクションをしているYoutubeチャンネル、アグレッションギルドの『イカサマポーカー選手権』の一部から素材を拝借してきました。 よろしければ動画も面白くできてると思いますので、ご視聴頂ければ嬉しくてたまらんですよー。
まず、処理前の音声を用意しましたので、聞いてみましょう。
処理前の音声波形とスペクトログラムです。このファイルからノイズを取っていきましょう。
リサンプリング
RX 7でwavファイルを読みこんだら、まずサンプル周波数を目的の周波数に合せましょう。 にっけるは、StudioOne(DAW)で処理後のファイルを読み込むことが多く、 24bit48Khzという設定で編集を行いますので、まずは48Khzの音声データに変換します。
Utility → Resample
New sampling rate を48Khzにして、 Renderボタンを押しましょう。
とってもかんたんだね! はいつぎ~~
後ろで聴こえるエアコンの音を消してみよう
変換後、音声を再生してみると、 なにやら後ろで鳴っている邪魔な音がいますね! これはファンが回っている音で、非常に大きなノイズだとわかります。 削除していきましょう。
あ、RX 7での編集では、基本的にモニターヘッドフォンを利用して作業してください! プロスタジオ等ではスピーカーでも作業は可能ですが、自宅では多くの場合、大きい音を出すことができませんので、スピーカーから繊細な音を聞き分けることが難しくなります。 ですので、モニターヘッドフォンを利用して、細かいノイズも聞き分けられる状態で作業を行いましょう!
こういったノイズの場合、 Spectral De-noiseを使うことが普通なのですが、実はここまで大きいとあまりキレイに消すことができません。 頑張って消そうとすると、人の声にシュワシュワ感がでてきてしまい、後に使えない音になる場合もあります。 ついでにいうと、ここまで大きいノイズは、完全にキレイに消すことはほぼ不可能なので、できるだけ小さくすることを目標にしていきましょう。
ではどうすんの~? ってことなんですけど、RX 7には曲中に流れている楽器を分離する機能がありまして、裏技的にこれを使えば、結構キレイな状態で音声を残すことができます!!
めっちゃ優秀なんですよね~ Music Rebalance
処理する前に基本の操作ですが、 Preview 機能を使わないとRenderするまで処理後の音はヘッドフォンから聞こえません。 なのでにっけるの場合、Previewボタンを押して再生しながらパラメータを調整しています。 また、Preview中に Bypass ボタンを押せば、処理前の音に切り替えながら聞くことができますよー。
今回の音声の場合、 声と手を叩いた音等の動作音 が欲しいのですが、これらは、 Voice と Percussion に振り分けられます。 そして、エアコンのノイズは Other に振り分けられることになります。
ってことはどうするかっていうと、 VoiceとPercussion以外音量を0にしてやります。 なんとこれだけで後ろのノイズが大幅に軽減されてしまいました!!声のシュワシュワも感じませんね!!
凄いぞ! Music Rebalance!!
更にエアコンの音と闘う
たしかにさ~少し小さくなったけどまだ聴こえるやんか~~ って思いますよね。 にっけるも思います。 なので、まだ闘いましょう。 諦めない心。
Spectral De-noiseだぁ!!
使わないとは言ってない
Spectral De-noise を開いたら、まずは 極力ノイズだけの箇所を選択範囲で囲み、Learn ボタンを押しましょう。
Adaptive mode はリアルタイムに、ノイズであろう部分を検知してくれる機能ですが、今回は使いません。
狙うは音声がはいってなさそうなところです
いい場所がみつかったら Learn をポチーすると、ノイズ成分こんな感じかなーって計算してくれます。 その成分を消していく設定を、 Threshold と Reduction でやっていきますよー
にっけるのやり方にはなってしまいますが、良いポイントを見つける場合、まず Reductionを真ん中にし、Thresholdを徐々に上げていきましょう。(※ノイズの大きさにより、Reductionの位置は調整です。ノイズが小さければ低め、大きければもう少し高め等)
Thresholdを上げていくと、ノイズがほぼ消える位置があると思います。その位置は、Thresholdの上げすぎです! その位置から -1~-2あたりに良い位置がある場合がありますので、ここから微調整していきましょう。
微調整は、 Thresholdを仮決めして、 Reductionを動かします。 ここで最低限守らなければいけないことは、声をシュワシュワにしないことです。
ノイズが残っていることより、声がおかしくなってしまうことの方が致命的だからです! うまく妥協できるポイントを探していきましょう。
そこを探るもう一つのポイントして、 Output noise only を利用します。 これは、処理後に無と化す音だけを再生してくれる機能です。 この機能を使った時、 あ、この音、声の成分の音っぽいな と感じたらそれはパラメータが間違っています! 声成分は削らないようにしましょう。
Spectral De-noise 処理後
波形の音声が入っているところ以外の光が失われていることに気づくでしょうか? ノイズ成分が軽減されてきている証拠ですね。
どうですか?ノイズ軽減されてきているでしょう?
この辺でエアコンの処理はおわりましょうか。 つぎ~
空間残響音を軽減する
広い部屋で録っていれば広い部屋っぽく聞こえるのはなぜでしょうか? それは、残響音も一緒に録音されているからです。
ときとして残響音はそのまま利用することもできますが、ボーカル音声やナレーションの場合、不要となる存在です。 自分でリバーヴ付けたいしね?
そんな残響音を軽減しましょー
De-reverb
ウィンドウを開いたら、まずは全体を Learn させましょう。こちらも操作は De-noise とおなじですが、これは全体を Learn しちゃってもいいと思います。
Learn が終わると、RX 7さんが自動的にパラメータを設定してくれるんです。これもなかなか凄い。 もちろん自分で調整することも可能です。
今回はこの状態で、どれくらい軽減するかの Reduction を調整していきましょう。
にっけるの間隔になりますが、Learn した後のパラメータから、ちょい下のReduction が結構最適値なことが多いです。 この処理も完全に残響音を消すことはできないので、良い妥協点がそのくらいということですね。妥協大事。 かけすぎると、音声がおかしくなりますので、ここも音声の質を保つことがまず大事ですよ!
処理後、ハイ成分が多めに減衰してますね。
残響音が大体なくなりました!! やったね!
基本処理はこれくらいで十分
ここまでの処理具合になってくると、BGMやオケと重ねた時に、ほぼキレイな状態で聞くことが可能になります。 ですので、今回の処理はここまでにしますが、他にも ちょっとした音割れやデジタル音割れ(クリップ)なども軽減することができるようになっています。
あ、ちなみにRX 7で作業してると最後の方で沼にハマることがあるんですが、
音質悪いなぁって感じることがあります
これ、錯覚でもなんでもなく音質は悪いんですが、これの原因は、 ノイズを削除したことによって、マイクの性能が露骨に聴こえるようになっただけなんですよー。 つまり、音質が悪いと感じる音声は、
劣悪環境で、品質の悪いマイクを利用している
ということなので、もし、ノイズ処理をした上でその音質が使えないとなってしまう場合は、録音環境の改善や、マイクを変更する必要があると言うことです。 これはひとつの指標になるので、決して悪いことではないと思います。
また、ノイズ処理した結果音声の品質が悪くても、ノイズがなくなっただけだいぶ改善されています。 そこはもう品質上がったってことなので喜びましょう。 しゃあないんですから。
まとめ
ではまとめ。
RX 7は凄い
ヘッドフォンを使って作業する
後ろのノイズはまずMusicRebalanceを試してみる
更に軽減したいときはSpectral De-noise
ノイズを消したあとに浮き出てくる残響感は De-reverb
音声がシュワシュワしないように気をつける
完璧に消そうと思わない。妥協するポイントを見つける
ここがポイントです!!
また、ボーカル音声・ナレーションでRX 7 Elementの機能を詳しく知りたいなと思っているノイズに困ってるマンは、おいちゃんさんの記事が素晴らしいので、そちらを読んでみるといいかもしれませんよー!
あなたの作る作品が、少しでも良くなりますように🥳✨
では、にっけるでしたー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?