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0秒思考と技術士二次試験について

『0秒思考』という書籍をご存じでしょうか?

著者の赤羽雄二さんが考案した思考の「質」と「スピード」を向上させるための独自の訓練方法を記した書籍です。

紹介される方法は極めてシンプルで、A4用紙に1枚1分で10枚/日のペースでメモを作成するというものです。

この訓練により「考える力」が得られ、その結果、心のコントロールの達人となり、ストレスや不安、恐怖が軽減され、明るく前向きに生きることが出来るようになる、とのこと。


私も5カ月間ほど継続的に訓練しましたが、課題の可視化、言語化、深堀などに有効な思考法で、技術士試験とは別に、絶大な効果を感じており、万人にお勧めしたい思考トレーニングだと思います。

私が感じた効果の具体の内容は、こちらを参照ください。

※ 本記事は↑の記事の一部抜粋・加筆版です。

技術士試験勉強との相性

技術士試験の勉強との相性はそこそこ高いです。

以下の記事で紹介したとおり、技術士二次試験では、論文を作成する前にその目次構成にあたる「骨子」を作成しますが、その骨子作成の速度が『0秒思考トレーニング』をしていれば向上するからです。

しかし、「訓練すれば必ず骨子作成の速度が上がる」わけではありません。
劇的に骨子作成の速度が上がるかというと、その時点の知識や、骨子作成の習熟度によるからです。

私の場合は、0秒思考の訓練前後で骨子作成が速くなったとまでは感じませんでした。
既に、技術士資格は取得していましたし、日常的に作業順序、資料の目次作成、など大枠を決めてから進めるという仕事のやり方をしていたことで、骨子作成のような作業は慣れていたからかもしれません。

また、骨子の良し悪しは、各人の知識量と骨子作成のノウハウを知っているかどうかにも大きく影響を受けるので、『0秒思考トレーニング』をしただけで良い骨子が作れるという訳ではありません。

個人の感想ですが、もしも骨子を作成するのに慣れていない、或いは時間が掛かっている人には効果があると思います。

一方、既に骨子を短時間で作れている人にとっては、これをすれば合格に近づくという程の効果はないと思います。

『0秒思考』の弱点

『0秒思考』は素晴らしい思考法ですが、弱点がないわけではありません。

著者の赤羽氏の以下の意見は一理あると思います。

  • 『長く考えれば良いアイデアが浮かぶわけではない。』

  • 『長く考えても同じ考えがグルグル回って解決に辿り着かない人もいる』

一方で、人間の思考にはギアのようなものがあり、『頭の回転を速くすると思考の深さが落ちる』ような特性があると私は感じています。

0秒思考のようにポンポンと考えるのは『高速ギア』の状態であり、ブレインストーミングの初期段階には良いのですが、この段階の思考で終えると非常に浅い状態で終えることになります。

このため、配慮が必要な対人コミュニケーションにおいては『0秒思考』の癖が出てくると注意が必要かも知れません。(私は普段人と話をするときは、敢えて思考の回転速度を少し落とすようにしています。)

ただし、この弱点は対人コミュニケーションの時だけです。

「単発では思考が浅くなる」という弱点を克服するのに、著者の赤羽さんは、0秒思考で紙に書き出した内容について、さらに0秒思考で深堀することを推奨されています。

人と話すわけではないので、段階的に課題の深堀ができ、グルグルと考えが回って良く分からなくなるという状態も回避できます。


まとめ

以上、『0秒思考』について紹介しました。

思考力という、人生において絶対に必要な能力を鍛えることができる、非常に有益な訓練法です。

大人だけでなく、中高生を含むあらゆる世代の人にお勧めできる思考法のトレーニングだと思います。私の子供たちが小学生の高学年くらいに成長したら絶対に伝えようと思っています。

興味を持った方は、試してみてはいかがでしょうか?
試しに1週間程やってみて、良さそうだと思ったら継続するくらいのノリでやってみると良いと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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