見出し画像

サラリーマン人生転落

順調だと思い込んできたサラリーマンが40代半ばで歯車が狂い、会社員人生に絶望。その次があるわけもなく「人生の転落」を意識するという私の実体験。その後、広瀬隆雄さん(じっちゃま)との出会いが大きな転換点となり「選択できる自由」を手に入れる。真理は「人は本当に追い込まれるまで変われない」かもしれない。ただ「30代ぐらいから意識的に準備していたらもっと心穏やかに危機に立ち向かうことができたのでは?」とのおもいからここで打ち明けることにした


【自分ばなし1】
誰にでもピンチが訪れる。サラリーマンで50歳前後になってそれが訪れたらどうなるか?順調だと思い込んできた人生がゼロになるかもしれない。だから40代半ば、遅くとも50歳までに独立できる状態を確立しておくことが大事だと思う。「オプショナリティの確保」が人生を暗転させないためにはとても重要なのだ。

【自分ばなし2】
人生のピンチ、私の場合は40代半ばに突然襲ってきた。それはいつか話せたらと思う。ただその時「人生の転落」が頭の片隅をよぎった。「人はこうやって転落していくのかもしれないな」と。サラリーマンとしてまあまあ順調に出世してきて、このまま定年を迎えることが最も安定した人生だと思い込んでいただけに。「まずいのかも」とイヤな汗が出てきたことを思い出す。

【自分ばなし3】
悪い夢であってほしいと思うことが本当にあるものだ。昔あれほど自信があった自分のパフォーマンスに今は自信が持てない。年齢はまもなく50歳。急に先が見えなくなって一気に絶望的な気分に。一方で家族は絶望させたくない。こんな心境になるとは思ってもみなかった。

【自分ばなし4】
サラリーマンがベストの選択だと思い込んできた。現実は、会社員生活が全く楽しくなくなってしまった。60歳の定年までまだ10年以上。今後年金の支給開始時期も延期されるだろう。定年も延長され同世代の多くのサラリーマンは70歳ぐらいまではこのまま働き続けるだろう。自分は既に限界、あと20年なんて考えられない。一方周りは絶対会社を辞めない方がいいという。みんな我慢しているのだからと言う人も。会社にしがみつくしかないのか?

【自分ばなし5】
こんな状況では人生を振り返るものなのかもしれない。私の世代は「団塊ジュニア」、人口ピラミッド上も一番太い部分。親世代は地方からの集団就職組も多く、東京近郊に開発されたベッドタウンに家を買い、同じような境遇の家族が集まり、私たちを含む前後の数年間だけ学校にプレハブ校舎が増築され子供が溢れかえっている状況だった。高度経済成長の真っ只中で周囲の愛情にも恵まれスクスク育ったわけだ。

【自分ばなし6】
学生の頃の仲間達がどうしているかも振り返った。私たちは東京の中堅大学を卒業、就職氷河期ではあったもののみな大手企業に就職。それから30年様々な歩みがあったようだ。女子2人は家族と海外に渡り充実した生活。男子の1人は若い頃に起業し40歳になる頃には悠々自適ないわゆるFIREの民、1人は数社転職し今もサラリーマン管理職、他の2人は訳あって会社を辞め今は音信不通。今考えるとサラリーマンのレールから早めに離脱し試行錯誤しながら進んだ友人達の方が経済的にも余裕があり充実した顔をしていた。悔しいというよりはすごいなという気持ちになった。

【自分ばなし7】
「会社にしがみつくしかないのか?」と自問自答したときに会社を離れることが決まったのかもしれない。「じゃあどうする?」結局は「どのようにしたら生計が立てられるのか?」という極めて現実的な話。みんなやることかもしれないが、近所の1番でかい本屋に行き様々な本を片っ端から読みあさる。不動産賃貸業、喫茶店の経営、コンビニの店長、Uber eats。サラリーマン一本足打法で40代後半まできてしまったことの怖さを思い知らされる日々が続く。

【自分ばなし8】
株式投資はずっと半信半疑だった。証券口座を開設してはじめて株式を購入したのは2004年3月30日。あくまでもお試し。30代前半に家を購入してローン返済を優先したためしばらく放置。その後40歳になり余剰資金を定期的に投入して日本株を売買するように。ただ自分は未熟、アナリストの推奨銘柄も裏切られることが多くとても生計を立てる手段になるイメージはなし。何より会社員としての仕事に燃えていたため投資は放置気味、FIREという言葉もずっと後になって知った。

【自分ばなし9】
40代半ばで人生の転落を意識して「何かしなければ」と考えた時、幾分かの家計の足しにはなるだろうと株式投資に本気で取り組もうと決意。YouTubeを観て研究する中、アルゴリズムで勝手に表示されてきたのが広瀬さんのチャンネルだった。覗いてはみたもののまだ登録者数も少なく自分は日本株中心の運用だったため真剣には向き合わなかった。いくらすばらしいものでもその時の環境やタイミングが合わなければつかみ損ねる。運も大切なのだ。

【自分ばなし10】
しばらくして次の機会が早く訪れる。新型コロナをキッカケとした暴落だ。資産の6割を突っ込んでいた日本株も滝のように下落し、買い換えたものも下落。「ああ終わったな」と正直思った。思い切った方向転換が必要と感じ、はじめて広瀬さんと向き合った。動画や記事を繰り返し繰り返し見返す中で「この人は普通じゃない」と気付くことができた。そして広瀬さんを師匠とした米国株一本での投資が始まる。この判断が事態を好転させるキッカケだった。新型コロナという大きい波だったから変わらざるを得なかったのだ。小さい波だったらそのままだったのかもしれない。

【自分ばなし11】
「成功のためにはまずは徹底的に真似をすることだ」と日々向き合った。広瀬さんはブログ等で経済の仕組み、投資の基本、戦略の立て方、判断に至る思考プロセスまで全てを開示してくれている。LIVEでは投資への向き合い方や心の持ち様を体で表現し、説明には言葉を選び誤解を招きそうな時は途中でもあえて言い換えてくれる。なぜここまで?「日本の個人投資家を育てる、死ぬまでに全てを伝え尽くす」という使命感からやってくれているとしか思えなかった。ついていくのに必死だったが、徐々に頭の中が組み換えられていく感覚を覚えた。投資が楽しくなっていった。

【自分ばなし12】
2020年2月下旬のラジオでもコロナ影響は軽微との見立てより3月中旬より買いスタート。しばらくは下げ基調。広瀬さんのこまめな発信のおかげで動揺せず。後から振り返ると3月23日が大底だった。4月に入り本格的に出動。5月上旬には日本株でやられた分の埋め合わせが完了。この間、ブルトラップには気をつけろ、フォロースルー・デーを確認してから出動しろ、景気サイクルとセクターローテーション、金融相場でのスタンス、金利7-業績3の感覚、良い決算のあと上昇後に恥をしのんで買う、悪い決算は売る、IPO初日の立ち振る舞いなどを実戦で学んでいく。この「実戦で学べたこと」は価値があった。アンビリーバブルな授業が続く。

【自分ばなし13】
既に述べたように2020年5月上旬には日本株でのやられ分を取り返す。広瀬さんの発信を追う中で「今の金利環境はリスクを取って買い向かっていい局面だ」と理解。6月に入ってプールしていた残り4割のキャッシュ、さらに貯蓄型保険も解約し追加投入。個別銘柄比率を80%まで高め運用を継続。今振り返るとリスクを取りすぎも、このタイミングで「資金をしっかり投入したこと」が後々効いてくる。

【自分ばなし14】
広瀬さんの実戦的授業が、かつて意識していなかった結果に導く。毎回の四半期決算結果をスプレッドシートに書き留め、悪い決算の銘柄のみ入れ替えるという基本動作を繰り返す。そしてその時を迎える。資産額が年間支出の25倍に到達する。ローン返済済みで家賃が発生しないという側面はあったが、適度に余裕があるレベルでの達成だった。「人生の転落をなんとか回避できた」という安堵感に包まれた。かっこいいものではなく転落を自分ごととして意識したことで変わらざるを得なかったというのが正直なところだった。

【自分ばなし15】
綴ってきたことは、順調だと思い込んできたサラリーマンが40代半ばで歯車が狂い会社員人生に絶望。その次があるわけもなく「人生の転落」を意識するという私の実体験。ただこのような心の動きは「よくある話」だと最近知ったー「中年クライシス」。私の場合、運良く広瀬さんとの出会いが大きな転換点となり「選択できる自由」を手に入れる。真理は「人は本当に追い込まれるまで変われない」かもしれない。でも30代ぐらいから意識的に準備していればもっと心穏やかに危機に立ち向かうことができたのではないかとも感じる。「じゃあどのように?」という点を少しだけ考えてみたいと思う。

【自分ばなし16】
「サラリーパーソンこそFIREすることが可能では?」と率直に考えるようになった。若いうちから積極的に稼いで資金を投資に回すことは前提だが、指数の積み立てだけでは前倒し達成は難しい。どこかでアルファを取りにいく必要がある。私なりの結論は「攻めるべき時に攻める」ということ。具体的には金利低下もしくはゼロ金利に近い局面でしっかりリスクを取って個別株で勝負し、それ以外はベータだけでいいと割り切る。勝率が格段に上がると思う。景気サイクルを意識して投資態度を切り替えることが大事なのだ。広瀬さんの記事を遡ると景気サイクルに合わせてその時々に適したアドバイスをしてくれるが、驚くほど同じ内容が繰り返されている。「またここでも」「またここでも」といった感じだ。

【自分ばなし17】
私は「じっちゃま記事一覧」を更新し続けている。今のところ広瀬さんが直接アドバイスしてくれるからいいが、いつか発信をやめる時がくる。「広瀬さんだったらなんて言うかな?」と思うことが将来出てくる。そんな時は、過去の発言に「手がかり」があるはず。景気サイクルは繰り返すのだから。広瀬さんの発言を時系列で簡単に遡れるようにしたいと思ったのが「じっちゃま記事一覧」を作るきっかけだった。世の中には切り取り情報が溢れているが、本人の記事や動画でないと腹落ち度が低かったので直接情報にリーチできることが大切だと考えた。


【自分ばなし18】

このはなしもクロージングです。今も広瀬さんを師匠とした投資を継続している。おかげさまで最高の趣味になった。投資を楽しみながら人生をより良くしていこうと思っている。

以上です。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!


この連載を通じて、自分としては「希望」を表現したかった。伝え切れなかったかもしれないなぁと思い、最後は音楽の力に頼ります