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マンホール収集ゲーム「鉄とコンクリートの守り人」実証実験を終えて

8月15日(日)〜19日(木)に、ゲーム「鉄とコンクリートの守り人」(通称「鉄コン」)を活用したマンホールデータ収集の初の実証実験「マンホール聖戦 in 渋 」が開催されました(主催:Whole Earth Foundation、日本鋳鉄管)。

「マンホール聖戦 in 渋谷」は、渋谷区内のマンホールと周囲の写真をセットで撮影してゲーム画面上で送信し、マンホールごとに決められているポイントを競うゲームです。

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皆さんの生活を陰で支えるマンホールですが、実は日々老朽化しており、ひび割れや破損しているマンホールが足元にあるかもしれない危険な状態です。「鉄とコンクリートの守り人」は、そんなマンホールの状態(写真)をゲームを通じて調査・把握するためのもので、今後この取り組みが全国に広がれば、重大事故を劇的に減らすことができると考えています。

今回の実証実験は個人戦とチーム戦を設け、約600名にご登録いただき、当日は200〜300名が参加されました。たくさんのご参加ありがとうございました!

会社帰りの社会人やご夫婦、芸人の方が・・・友人や家族と組んで参加

万全な新型コロナウイルス感染対策のもと、実証実験イベントが終了した8月19日(木)に個人別、団体別上位者への表彰式と座談会が行われました。

ここからは座談会の様子をレポートします。

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社長の日下と個人戦優勝プレイヤーで記念撮影

●参加の理由や経緯は?
休暇中の男性「たまたま休暇中にこのゲームの開催を知り、参加しました。住んでいる地域のポイントが高く設定されていたので、絶対に勝てると思って友人を誘いました。」

仕事帰りの社会人「チーム戦に登録するため友人に誘われました。やってみたら結構楽しくて、仕事帰りに渋谷を駆けずり回りました。」

個人戦のみの参加者「私は個人参加です。どのタイミングだと賞を獲得できるか考えて、最終日を狙いました。そういう戦略を考えるのが面白かったです。」

お笑い芸人「賞金が何より魅力で…。芸人をやっているのですが、最近コロナの影響もあって仕事があまりなく、時間がたくさんある僕のためのゲームだと思いました!個人戦は優勝のつもりで、団体戦も2人誘って参加したのですが、上には上がいるものですね。初日のランキングを見たとき腰を抜かしましたよ(初日からかなり高得点プレイヤーがいましたもんね。)今日は実際にゲームをプレイされた方たちのお話を伺いたくて、楽しみに参加しました。」

ご夫婦で参加した奥様「主人がメインでしたが夫婦で参加しました。途中からランキング発表を見て燃えましたね。団体戦にしたので何とか賞に届いた感じです。」

団体戦参加者「団体のリーダーに誘われて参加しました。初日の天気が悪かったので逆に上位入賞のチャンスかと思い、参加を決めました。」

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ちなみにプレイした方全体へのアンケート結果によると、

1位(23.1%):インフラを守るというコンセプトに共感したから
2位(22.1%):賞金・賞品が欲しかったから
3位(14.9%):時間があったから・暇つぶし
4位(13.3%):街を歩くのに最適だと思ったから
5位(12.3%):家族と一緒に参加できる活動だと思ったから

という結果に。1位は「コンセプトに共感」でした。主催側としては大変嬉しいことです。

予想外!上位入賞者に「マンホーラー」はいなかった

「ゲームをやってみて楽しかったことや、面白かったところはどんな点ですか?」
こんな質問をすると、「私マンホーラー(マンホール愛好家)ではないのですが・・・」と切り出した人が。運営からすかさず会場の方々に
「この中にマンホーラーの方いらっしゃいますか?」と声をかけましたが


・・・しーーーーーん

何と、受賞者にマンホーラーはいませんでした!!!これは予想外です。

●ゲームの楽しかったところ、面白かったところは?
「雨の日だったので、雨がマンホールにあたる音を聞くのが楽しくて。雨上がりにじっとマンホールを眺めていたり。その間に次々とライバルに捕られているとも知らず・・・悠長なことしてしまいました。」

「ツイッターでマンホールを検索したら、レアなマンホールをアップしている人がたくさんいることに気づきました。よくよく見ていると、同じ下水でもコンクリなんだとか、違いがあるところがわかったりして、インフラを整備している人がいるんだと思いをめぐらせました。」

「大雨の後にマンホールから水が沸き上がっている映像をツイッターなどで見ることがあります。自分が今やっているこのゲームが役に立っているのだぁと思って、応援する気持ちになりました。」

「ゲームに慣れてくると、マンホールを撮って送って、撮って送って、という同じ動作の繰り返しで一種のトランス状態になっていました。ふと気づいたらあっという間に1時間経っていて、ああこの区画結構できたなって満足感がありました。リズミカルにできたのでその心地よさが楽しかったです。」

渋谷の結果

初日でマンホール収集78%を達成

ゲーム好きというより、散歩好き

●私たち主催者側はマンホーラー、ゲームに関心ある方、地域住民の方のご参加を想定していましたが…。やってみてどうでしたか?

「散歩好きな人の方が楽しめるかもしれませんね。道とか地形が好きな方や、テレビの散歩系番組が好きな人は向いています。それと、昔からイベント開催地域辺りに住んでいる方は感心が高そうです。」

「僕は効率中毒なので、どうすれば上手くゲットできるかばかりを考えていました。そういうタイプの人も楽しめると思います。」

「自分が何キロ歩いたかわかると良かったように思います。健康志向の人とか向いてそう。」 
「2日とちょっとで60キロ(およそ9万歩)歩いた人がいたみたいです。」

皆さん、それぞれに楽しんでいただけたようです。

鉄コン渋谷完成図_logo入り-1

マンホール聖戦 in 渋谷でコンプリートされたマンホール

社会インフラに興味を持つ契機に

●ゲームがインフラの役に立つという裏のテーマはどうでしたか
「これまで、マンションの給排水の劣化は気にしていても、マンホールの劣化や下水道の劣化に何も意識してきませんでした。今回のゲームを通じて、身の回りにあるということを認識できたのは大きかったです。」

「下水管受注している会社に勤めている友人がいるので、前回の東京五輪に向けて整備した水道インフラが数年前から交換時期に入っているという話は聞いていました。東京では劣化したマンホールを見る機会はあまりありませんが、地方には古くて大丈夫かと思うものがあるなあって思い出しました。」

実は車道にあるかどうかで、マンホールの耐用年数が異なります。車道は15年、それ以外は30年。どこにあるかが実は重要なんです。いざ交換する場合、交差点や斜面だとスリップ防止性能がついていたりするなど、設置場所によってもマンホールは様々なんです。

今回は「鉄とコンクリートの守り人」初の実証実験イベントでしたが、大盛況で幕を閉じることができました。

この渋谷での経験を活かし、これからいくつかの場所で実証実験を行っていきます。ご参加いただいたプレイヤーの皆様、ありがとうございました。また皆さんのご参加をお待ちしています。どこの場所かはお楽しみにしていてください!!


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