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東証再編「スタンダード市場」選択のわけ

先日、当社は東証市場再編において、スタンダード市場を選択いたしました。
今般の選択を行うにあたり、検討致してまいりました種々の要素等につきまして、この場で少し詳しくご説明させていただきたいとの思いで、今回のnoteを作った次第です。

当社がとり得る選択肢は3つございました。一つ目がプライム市場を選択する、二つ目がスタンダード市場を選択する、三つ目が上場廃止する、です。

一つ目のプライム市場については、現時点で「株主数」は満たしているものの、「流通株式数」「流通株式時価総額」「売買代金」の3項目で維持基準を満たしておらず、選択する場合には、基準を達成できる改善プランを策定したうえで、実行に向けた活動を推進していく必要があります。未達項目のうち、「流通株式数」と「売買代金」についてはわずかの基準未達ですが、「流通株式時価総額」の達成基準は現在の時価総額の約4倍です。基準を達成させるためには、株価上昇と流通株式数の増加をバランスよく実現する施策を限られた年数で実施しなくてはならず、そのため、急激な変化によって企業経営に歪みが生じる恐れがあります。例えば、流通数を増加させようとすると、株価を押し下げる要因となり得ます。現在、数々の経営施策を打ち出しているものの、すぐさま4倍もの株価が実現することは一般的な市場動向からは蓋然性のあるものではありません。また、猶予期間中に達成できなかった場合には改めてスタンダード市場への申請が必要であり、その審査期間中は監理銘柄扱いになるため、そうしたリスクを冒すことはさらに投資家の皆様にご迷惑をおかけすることになりかねません。

そもそも、プライム市場は、海外投資家を含むグローバルな投資家との対話を中心に据えた市場ですが、当社は海外向けの取引は、現在はほぼゼロであり、また外国の投資家も0.8%と極めて少ないのが現状です。今後、輸出取引を拡充させていくとともに、広くグローバルな視点での会社経営を目指す所存でありますが、現時点において当社が掲げる「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」実現のための主なフィールドは国内であり、当面は国内を軸とした事業が中心となります。
プライム市場の選択は、東証の基準以外にも例えば、招集通知の英文が求められることなどグローバル企業としての要請があり、当社のような小規模の陣容でこの業務に人材資源を確保するのは現状困難ですし、当社が目指すべき当面の目標とは、現在においてはベクトルを異にするものです。

一方、三つ目の選択肢である上場廃止という選択については、現時点においては相応しくないものと考えます。

むしろ現時点では二つ目の選択肢であるスタンダード市場を選択することで、着実に「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」という当社の当面の目標実現に向けて事業を推進していく必要があると考えております。

真の株主還元は「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」の実現であると考えています。それにより社会インフラに貢献し、利益を配当として株主の皆様に還元しながら、着実に企業価値を向上させていくことが私たちの活動の目的です。
スタンダード市場の選択によって、その目的達成への道筋からズレないことが最適な歩み方であると判断したため、今回の決断に至りました。

私たちが目指す「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」に向けた活動は、プライム市場を目指す場合に必要となる新規上場基準の収益基盤A(最近2年間の利益合計が25億円以上)の達成という指標とベクトルを同じくしていることから、株主還元たる「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」の実現により、企業価値を向上させ、事業基盤を確固たるものとした上で、次なるステップとしてプライム市場を目指していくべきなのかを見極めていきたいと考えております。

今後とも投資家の皆様の変わらずのご支援・ご理解を賜りますよう、社員一同さらにまい進していく所存でございます。よろしくお願いいたします。


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