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東京都の水道水で日本酒づくり?東京港醸造インタビュー

8月14日に放送された「がっちりマンデー」で、東京の水道水で仕込む日本酒が紹介されました。

紹介されていたのは、「東京港醸造」さん。

水道水で日本酒が?」と衝撃を受けた我々日本鋳鉄管。実際に東京港醸造をお伺いし、お話を聞いてみました。

東京港醸造の最寄り駅はJR田町駅。東京中の東京、東京都港区にあります。本当にここで日本酒が?と信じられない気持ちで駅を降り数分。酒蔵のイメージを覆す、4階建てのビルが現れました。

出迎えてくださったのは、東京港醸造の7代目、齊藤俊一さんと、杜氏の寺澤善実さんです。

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さっそくですが、なぜ東京都の水道水で日本酒を作ろうと思ったのでしょうか?

「東京都の水道水は、実は酒造りにすごく向いているんですよ。実際に数値も証明しています。私は元々、京都伏見の酒蔵で杜氏をしていました。伏見は、かつては『伏水』と表記していたように、水の名産地です。この酒蔵に移っていざ、東京で酒を作ろうとなったときに、まず考えたのは馴染みの伏見の水を使うこと。しかし、運んでくるには相当なコストがかかります。そこで、似た水を探そうと、調査しました。

すると、東京の水道水がぴったりだということが分かったんです。鉄分やマンガンなどのミネラル成分を含まない中軟水のため、酒の味を邪魔しません。そして高度な技術で浄水処理されているため、安全です。これは良い水を見つけたと酒造りをはじめました。」

東京都の水道水を使った酒。この一見衝撃的な言葉が評判を呼び、東京港醸造はずいぶんと話題になりました。今では、むしろ代名詞となるほどで、東京都の水道水を全面にアピールしているそうです。

「地方の酒蔵さんも、わざわざ打ち出してはいなくても、実際にはその土地の水道水を使用しているところが多いと思います。それならば、高い技術でキレイに処理されている東京の水道水を使うことも不自然ではないですし、むしろ美味しさの秘訣の一つでもあると考えています。」

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そうなんです!水道水は何かと嫌われがちですが、味も安全性も問題ない。世界に誇れる日本の資産といえるほど素晴らしいものなんです。「水」が味の重要な要素である「日本酒」の製造元だからこそ、その素晴らしさに行きついたというのは、我々にとっても喜ばしいことです……。

我々日本鋳鉄管のような、水道水に携わる企業にとって嬉しい言葉を沢山いただき感動していますが、ちなみに今後はどのような取り組みを予定されているのでしょうか?

「今後は、持続可能な社会作りに貢献できるよう、酒を起点にいろんなことに取り組んで行くつもりです。酒作りには、大量の「水」を使用します。この綺麗な水が、水道水をひねれば手に入るのは、決して当たり前ではありません。ですが、日本人は、今の恵まれた環境に麻痺してしまっているように感じます。現状を維持するためにも、努力が必要で、一人ひとりが意識を変えていかなければならない。世界的にも、SDGsという17の目標への取り組みが盛んですよね。私たちも、できることを行っていきたいと考えています」

東京の水道水で作られた日本酒が、末永く愛されるためにも、水道水の維持は不可欠。我々日本鋳鉄管としても、ESGに配慮した取り組みを行うとともに、安心安全な水というライフラインの維持のために頑張りたいと、より一層感じました。

東京港醸造さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

取材帰りに「がっちりマンデー」で紹介されていた「ALL TOKYO」を購入し家飲みしました。

私の印象は、「しっかりとした日本酒」。定期的に飲みたくなる、実直で真っ直ぐな味わいでした。そのしっかりとした味わいは東京の水道水が支えているのだなぁと改めて感じた次第です。

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